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今月のキーワード

星形成率 / 磁気双極性拡散数 / 初期質量関数 / 初代星 / ツェナートンネリング / 中性子線

●星形成率[star formation rate]
単位時間(多くの場合は1年あたり)に生まれる星の総質量。星形成率は星形成領域によって異なる。また時刻によっても異なる。星形成率が大きいほど,星形成が活発であることを意味する。(p.6「乱流による星の形成」)

●磁気双極性拡散[ambipolar diffusion]
電離したプラズマは磁場に巻きつくことによって,磁場と一緒に運動する。これを磁場に凍結するという。一方,星間ガスは電離度が低いために磁場の凍結が完全ではなく,ガスは磁場をすり抜ける。このような磁場のすり抜けを磁気双極性拡散とよぶ。(p.6「乱流による星の形成」)

●初期質量関数[initial mass function]
星が生まれるときの質量の頻度分布。初期質量関数は観測によって経験的に求められる。大質量の星ほど数が少なく,頻度分布は質量のべき乗で近似できる。太陽よりも質量が小さい星の頻度分布には不確定性がある。(p.6「乱流による星の形成」)

●初代星[first star]
宇宙初期に形成した第1世代の星。宇宙初期に重元素がないガスから生まれた星であるため,ガスの冷却の効率が現在よりも悪く,大質量の星が多く形成したと考えられている。(p.6「乱流による星の形成」)

●ツェナートンネリング[Zener tunneling]
半導体のpn接合において逆方向に強電場を印加したとき,p型半導体の価電子帯のエネルギーがn型半導体の伝導帯のエネルギーよりも大きくなると,p型半導体の電子が量子力学的なトンネル効果によりn型半導体の伝導帯に通り抜ける。これは,ツェナートンネリングとよばれる。キャリヤーがドープされていない半導体に強電場を印加した場合も,価電子帯と伝導帯が空間的に傾くことによって,同様なトンネル効果が生じて電子と正孔が生成する。(p.36「光や電場で起こす超高速絶縁体-金属スイッチング」)

●中性子線[neutron beam]
電荷をもたない素粒子の1つである中性子がミリ電子ボルト(meV)のエネルギーを有すると,その波動性が顕著になり,X線や電子線と同じように干渉を強く起こす。透過能に優れているため,金属やコンクリートの内部数センチ奥まで入ることができる。たとえば,1 cm以上の厚さのある鉄板に中性子線を照射すると,中性子線は鉄板の奥まで入り込み,数cmにわたる内部の鉄の結晶構造に起因する中性子回折現象を計測できる。低いエネルギーでも高いエネルギーでも,水素,リチウムなどに対して感度が高く,たとえば百万電子ボルト(MeV)の中性子線を厚さ30 cm以上のコンクリートに入射すると,その内部に存在する空隙や水を非破壊で可視化することができる。(p.42「理研小型中性子源システムによる非破壊内部観察」)

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