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今月のキーワード

強化学習 / たたみ込みニューラルネット / 統計神経力学 / ダイナミックソアリング

●強化学習[reinforcement learning]
ある状態をみて,どのような動きをすれば最終的に得かをニューラルネットに学ばせることを強化学習という。ゲームの盤面をみて,つぎにどのように動いたらハイスコアになるのかを,ニューラルネットワークに学ばせるのは強化学習の典型的な例である。ゲームの盤面をみるというのを「系の状態を入力する」に置き換え,ハイスコアを「エネルギーを下げる」に読み替えると,強化学習により波動関数が決定できる。(p.6「機械学習・深層学習と物性物理」)

●たたみ込みニューラルネット[convolutional neural networks]
たたみ込みニューラルネットとは,視覚野のモデルから着想を得たニューラルネットワーク,ネオコグニトロン(1980年に福島邦彦により提唱された)を発展させたものであり,画像認識における深層学習のデファクトスタンダードとなったモデルである。基本的には「たたみ込み層」と「プーリング層」のくり返しからなり,たたみ込み層では画像の局所的な特徴が抽出され(視覚野における単純細胞の働き),プーリング層ではたたみ込み層から入ってきた特徴画像について何らかのフィルター抽出が行われる(視覚野における複雑細胞の働き)。(p.11「たたみ込みニューラルネットによる相転移の検出」)

●統計神経力学[statistical neurodynamics]
統計力学は,ミクロな状態の時間発展の法則をもとに,確率分布の平均操作を行うことでマクロな状態量の時間発展を導く。統計神経力学は神経回路網の解析にこの手法を応用するもので,ニューロン間の結合がある確率分布に従うものとして,多安定解,振動解,カオス解など,マクロな状態量の法則を導く。これは深層学習の層状回路にも適用できて,信号空間の層を経た発展や,フィッシャー情報行列などの特性を明らかにできる。(p.21「深層統計神経力学」)

●ダイナミックソアリング[dynamic soaring]
受け身で成立する「自然現象」ではなく,「速度勾配のある水平風のなかを対気速度が増えるような飛び方をせよ」という「制御則」である。結論として「向かい風上昇・追い風下降」となる。向かい風のなかを上昇すれば,向かい風はエネルギー源になる。高空で追い風に乗ってから風下へ下降すれば,無風に近い海面近くでは追い風によりエネルギーが補給されたことになる。(p.52「レオナルド・ダ・ヴィンチと鳥のソアリング」)

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