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今月のキーワード

強劣加法性 / 重力波天体 / フォローアップ観測 / フィールドプレートMOSFET / ショットキーバリアダイオード

●強劣加法性[strong subadditivity]
ある量子系のなかにいくつかの部分系があるとき,それらの部分系のもつエンタングルメントエントロピーのあいだにはさまざまな関係式が成り立つが,そのなかでもっとも基本的な不等式の1 つ。考える部分系の大きさが小さくなればなるほど2 つの異なる量子状態の区別が難しくなることを意味している。場の量子論ではc-定理として知られるくりこみ群の非可逆性を証明するさいにユニタリティーに置き換わる重要な役割を果たす。(p.47「笠-高柳公式」)

●重力波天体[gravitational wave source]
ブラックホールの合体や中性子星の合体など,強い重力波を放つ天体または天体現象のこと。一般に,強重力下で物質が高速に運動すると強い重力波が発生する。たとえば,超新星爆発の瞬間にも,新しく生まれた中性子星のまわりで物質が激しく運動するため,強い重力波が放たれる。また,連星合体や超新星爆発など突発的な現象のほかに,回転する中性子星も連続的な重力波源として期待されている。(p.48「重力波のフォローアップ観測」)

●フォローアップ観測[follow-up observation]
天文観測において,対象天体を追観測すること。突発的に現れる超新星爆発やガンマ線バーストなどの天体を時間的に後から詳細に観測することや,ある波長・手法で観測された天体を異なる波長・手法でさらに観測することなどをさす。近年では,重力波やニュートリノなど電磁波ではないシグナルで検出された天体を電磁波で同定するための追観測も行われている。(p.48「重力波のフォローアップ観測」)

●フィールドプレートMOSFET[field-plated metal-oxide-semiconductor field-effect transistor]
MOSFETとは,電界効果トランジスター(FET)の一種であり,ゲート部分が,金属(metal)-酸化膜(oxide)-半導体(semiconductor)の3 層からなるMOS構造を有するFETのことである。さらに,高電圧動作時に生じるゲート電極端での電界集中を緩和し,FETの耐圧向上を図る目的で,“フィールドプレート”とよばれる電極構造を追加したMOSFETのことを,フィールドプレートMOSFETとよぶ。(p.52「酸化ガリウムトランジスターの夜明け」)

●ショットキーバリアダイオード[Schottky barrier diode]
ショットキーバリアダイオードは,金属と半導体との接合によって生じるショットキー障壁を利用したダイオードをさす。多数キャリヤーによる動作のため,少数キャリヤーを用いるpn 接合ダイオードと比べると,順方向の電圧降下が低く,スイッチング速度が高いという特長をもつ。一方,逆方向漏れ電流が大きく,耐圧が低いという欠点もある。これらの特徴を生かして,高速スイッチング電源回路などに多く用いられている。(p.52「酸化ガリウムトランジスターの夜明け」)

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