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今月のキーワード

世界面 / ディラック量子化条件 / チューリングパターン

●世界面[worldsheet]
粒子の運動,すなわち粒子の位置が時間とともに変化する様子は,時空内の曲線で表すことができる。そのような曲線を粒子の世界線という。弦理論では点状のものの代わりに,輪ゴムや切れた輪ゴムのように,1次元的に広がったものを考える。弦が運動するということは,そのような1次元的なものが振動しながら移動していくことである。そうすると弦の運動は時空内の曲面で表されることになるが,それを弦の世界面とよんでいる。(p.14「プランクスケールは見え始めているか」)

●ディラック量子化条件[Dirac quantization condition]
単一電荷(e)と単一磁荷(m)が存在した場合に成立する量子化条件で,自然単位系でe×m=2πnn:整数)である。ディラック(P. A. M. Dirac)によると,点磁荷は磁場(B)をつくる一方,磁荷を端点とする無限長の特異線(Dirac string)が存在する。上記条件は特異線が荷電粒子から見えなくなる条件と,ガウスの法則m=∫B・dSを用いて得られるが(積分は特異線近傍を除く磁荷を中心とした球面),磁束に対する条件eB・dS=2πnとも読める。同様の条件は弦理論に現れる弦・ブレーンにも理論の1価性より適用できる。(p.28「素粒子統一理論としての超弦理論」)

●チューリングパターン[Turing pattern]
拡散する因子どうしが相互作用(反応)することで自己組織的に形成されるパターン。物質が拡散すればじきに均一な濃度へと収束するが,これらの物質がある特定の強度で促進・抑制する条件下では均一にならずに濃度の高低が生じ模様となる。スポット,ストライプ,ラビリンス模様などを生む。1952年にチューリング(A. M. Turing)の理論研究により発見された。魚の体表模様がチューリングパターンにより形成されていることが,1995年に近藤滋により証明されている。(p.57「コノハチョウの擬態の進化を数学でさぐる」)

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