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今月のキーワード

ニュートリノ振動 / カーボンナノチューブ前駆体 / クラインマン則

●ニュートリノ振動[neutrino oscillation]
あるフレーバーをもったニュートリノが真空を伝播すると,ニュートリノの波動的性質により,周期的に別のフレーバーのニュートリノに変身する。変身する確率は,2つのニュートリノの質量の2乗差と,フレーバー混合角とよばれる2つのニュートリノ間の結びつきの強さで決定される。3つのフレーバーのもとでは3つのニュートリノ振動のパターンが存在する。古典力学の振動との類推からニュートリノ振動と名づけられている。(p.13「ニュートリノ振動の発見と標準模型を超える道」)

●カーボンナノチューブ前駆体[precursor of carbon nanotube]
円筒状ナノ構造をもつカーボンナノチューブが生成されるさいに成長開始点となる物質。一般に球状ナノ炭素フラーレンを半分にしたような5員環が6個存在する半球型構造をもつと考えられている。半球の端面を6員環が連続したグラフェンシートで延長することで,理想的には無限の長さをもつカーボンナノチューブを生成することもできる。前駆体の分子構造によってカーボンナノチューブの性質を決定する直径や微細構造は決定され,ナノチューブの構造選択的生成に重要であると考えられている。(p.50「単一種類のカーボンナノチューブを生み出す種分子設計」)

●クラインマン則[Kleinman's rule]
入射光および出射光の波長に媒質の共鳴が存在しない透明媒体の場合,非線形感受率の波長依存性が無視できるため,非線形感受率テンソルの添字を任意に交換しても値が変わらないという規則が成り立つ。この規則をクラインマン則とよぶ。たとえば,室温でI 4122空間群を有する今回の物質にクラインマン則を適用すると,すべてのテンソル要素がゼロとなり,反転対称が破れているにもかかわらず,第2高調波発生(SHG)が禁制となる。(p.62「キラル光磁石で光の波面を制御」)

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