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今月のキーワード

赤色矮星 / カシミール効果 / カシミールエネルギー / 双対性

●赤色矮星[red dwarf]
赤色矮星は太陽と同じ主系列星だが,質量は太陽の10分の1から半分程度と軽くて小さい。表面温度が低く,非常に赤くて暗いが,天の川銀河の星の約70%を占めるもっとも一般的な星である。非常に暗く観測が難しいため,系外惑星探査はあまり行われてこなかったが,近年の観測技術の進歩でさかんになってきた。暗いので生命居住可能領域(ハビタブルゾーン)が主星に近く(周期が短い)観測しやすい。また半径が小さいので小さな惑星もトランジットを観測しやすい。(p.38「冷たい星をめぐる暖かい惑星たち」)

●カシミール効果[Casimir effect]
1948年カシミールは,電磁場のゼロ点エネルギーによる2つの完全導体板の間の相互作用を考えた。それを足し上げると無眼大になってしまうが,導体板が有限の距離に置かれている場合と,無限に離れている場合のゼロ点エネルギーの差をとると有限の値が得られる。これにより,真空中に置かれた2つの導体平行板の間に引力がはたらくことを示した。現在では,導体板が時間的に振動する場合や,いろいろな形状の場合も考えられ,実験的にも引力あるいは(形状によっては)斥力がはたらくことが確かめられている。(p.55「吉川-山崎のT双対性」)

●カシミールエネルギー[Casimir energy]
調和振動子を量子力学的にとり扱うと,振動が量子化されており,その基本単位として一定のエネルギーをもった粒子が存在するが,同時に粒子が存在しない真空もゼロ点エネルギーとよばれるエネルギーをもつ。電磁場を量子力学で考えると,空間の各点に調和振動子がある系と考えられる。1948 年カシミール(Hendrik B. G. Casimir)は,電磁場のゼロ点エネルギーを足し上げ,そのエネルギーを計算した。これがカシミールエネルギーである。いまではより一般に,ゼロ点エネルギーを足したものをそうよぶ。(p.55「吉川-山崎のT双対性」)

●双対性[duality]
双対性とは,一見異なるようにみえる物理系が同等であるとか,表裏一体の関係にあることを意味している。最初は有名な量子力学の粒子性と波動性の2重性であろう。弦理論においては,理論がある種の変換のもとで変化しないか,別の弦理論と関係づけられることをいう。弦理論の双対性はおもに2種類ある。T双対性は,コンパクト化した理論の半径を逆数にしても同じ理論になること,S双対性は,ある弦理論の強結合の極限が別の弦理論の弱結合の理論になっていることである。双対性は,理論を厳密に解いたり,より深く理解するのに役立つ。(p.55「吉川-山崎のT双対性」)

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