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今月のキーワード
クォーク‐グルーオンプラズマ/ マイケルソン‐モーリーの干渉計/ 回折格子/ 標準器/カーボンフットプリント
●クォーク‐ グルーオンプラズマ[quark gluon plasma]
プラズマは原子を構成する電子と原子核がばらばらになった状態である。これになぞらえて,陽子や中性子に閉じ込められている素粒子“ クォーク”や,その間の力を媒介する“グルーオン”が,約2 兆度の高温でばらばらになる状態をさす。クォーク‐グルーオンプラズマはビッグバン直後の熱い宇宙を満たしていたと考えられており,その状態を地球上で再現すべく,大型加速器を用いた超高エネルギー原子核衝突実験が行われている。(p.4「グルーオン,原子,ひもの予期せぬつながり」)

●マイケルソン‐ モーリーの干渉計[Michelson-Morley interferometer]
1 つの光源から出た光を,半透鏡によって互いに直交した光路に分け,それぞれの終端に置かれた鏡で反射させ,再び半透鏡によって重ね合わせ検出器に導く。一方の鏡を動かすと,干渉によって検出器出力が変動するので波長測定に使える。もし光速に空間異方性があると,直角のアームで光路長( 長さと光速の積)の差ができるから,干渉計を平面内で回転させると回転に同期した干渉強度の変化が見られるはずである。これが観測されなかったことからエーテルの存在が否定された。(p.9「チャールズ・サンダース・パースと最初の絶対計量標準」

●回折格子[diffraction grating]
ガラスまたは金属の平面上に光の波長程度の間隔で平行に並んだ多数の線状の鏡に光を入射・回折させると,各波長に対して決まった方向の反射光が強くなる。光の波長をλ,線の間隔をd,入射角をi,反射角( 回折角)をθとすると,d( sin i− sinθ )=nλの関係がある。ここでnは正の整数で回折の次数とよばれる( 本文の式は入射角0 の場合)。波長が違えば,光の進行方向が変わる,すなわち分散を起こすので,光のスペクトル分解ができることはプリズムと同じであるが,それよりはるかに分散が大きく,また波長分解能( 使用する反射細線の数に比例する)も高い。(p.9「チャールズ・サンダース・パースと最初の絶対計量標準」)

●標準器[measurement standard]
長さや時間,質量の単位の大きさを定義に基づいて,実際に定量的に示す計器を計量標準器,あるいはたんに標準器という。たとえば時間の単位(s)は原子時計,質量の単位(kg)はキログラム原器である。長さの単位(m)は光速を使って定義されているので,実際に示すのは難しい。そこで,原子時計で周波数を計測された原子や分子のスペクトル線の波長を使って示す。電流の単位(A)は定義にしたがって直接示されることはなく,ジョセフソン効果によって電圧(V),量子ホール効果によって抵抗( Ω )が示される。標準器が国家で認証されていれば国家標準器とよばれ,国際的には国家標準器を相互に認証し合う方法がとられている。(p.9「チャールズ・サンダース・パースと最初の絶対計量標準」)

●カーボンフットプリント[carbon footprint]
カーボンフットプリントとは,人間の諸活動から発生する温室効果ガスの排出量を二酸化炭素換算した値のことであり,温暖化への影響を測る指標の1 つである。とくに,商品やサービスの提供においては,原料の調達・生産・運搬・使用・廃棄など,あらゆるライフサイクルにおけるエネルギー消費などをふまえた,温室効果ガスの排出総量が用いられる。この指標によって,事業者による効果的な温室効果ガスの排出削減や,消費者による温室効果ガス排出の少ない商品・サービスの選択を促すことができる。(p.20「持続可能なエネルギー開発に向けた科学の挑戦」

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