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今月のキーワード
過剰表面自由エネルギー/ ボックスカウンティング法/ ピエゾ素子/ Qスイッチレーザー/ Bモード像
●過剰表面自由エネルギー[surface excess free energy]
固体や液体の表面にいる分子は,内部にいる分子に比べて( 自由)エネルギーの高い状態にある。なぜなら,表面に存在する分子には,外( 真空または気体)側に相互作用する分子はなく,その分だけ安定化の凝集エネルギーが小さくなるからである。たとえば水の場合,液体の内部の分子は周囲の分子と(最大で4 個の)水素結合を結べるが,表面の分子には,外側にその相手がいない。この高い表面の自由エネルギー( 過剰表面自由エネルギー)を,単位面積あたりで表したものが表面張力(surface tension)である。(p.4「ナノテクで超はっ水材料をつくる」)

●ボックスカウンティング法[box-counting method]
目的の図形が描かれている平面を,碁盤の目状のボックスに分け,図形が占めるボックスの数を勘定する。次いでボックスの大きさを変え,同様にボックスの数を勘定する。この操作をくり返し,ボックスの大きさ( 辺のサイズ)と図形が占めるボックスの数を両対数プロットする。この両対数プロットの勾配は負の値になるが,符号を正に変えた数字が目的の図形のフラクタル次元を与える。線や面に適用してみれば,勾配が次元を与えることは容易に理解できるであろう。(p.4「ナノテクで超はっ水材料をつくる」)

●ピエゾ素子[piezoelectric element]
ピエゾ効果( 圧電効果)とは,物質に力を加えると電圧が生じ,電圧を加えると逆に歪みを起こす現象のことである。この原理を利用して,電気信号と機械的な変形とを相互に変換する素子をピエゾ素子という。超音波の送受や微小変位用のアクチュエーターとして,広く用いられている。チタン酸鉛とジルコン酸を焼結させたセラミックス( 通称PZT)などでつくられることが多い。(p.31「光音響変換の医療応用:がん診断からがん治療へ」)

●Qスイッチレーザー[Q-switched laser]
瞬間出力が10 メガワット以上で,時間幅が100 ナノ秒以下の,非常に強くて短い光( ジャイアントパルス)を出力するレーザー。レーザー媒質に十分エネルギーを蓄えておき,発振条件を制御して発振を抑えておく。Qスイッチとよばれる方法で一気に発振条件を整えると,非常に強い出力光を一瞬とり出すことができる。たとえば,レーザー共振器を構成する2 枚の鏡のうち一方を回転させると,ある瞬間だけ2 枚の鏡が向かい合って発振が起こる。Q値とは,一般に共振の鋭さを表す量である。(p.31「光音響変換の医療応用:がん診断からがん治療へ」)

●Bモード像[B-mode image]
超音波診断で断層像を得るもっとも一般的な方法。皮膚から体内に超音波パルスを送ると,骨や臓器,がんの病巣など,異なる組織の境界で反射してエコーが戻ってくる。横軸を時間とし,エコーパルスをオシロスコープ画面に表示したものをAモード表示という。時間軸は奥行き方向の深さに対応し,また体組織における超音波の音速は知られているので,Aモード表示から組織境界の位置がわかる。さらに超音波ビームをある面内でスキャンしながら,エコーのパルス高さを輝度に変えて2 次元表示したものがBモード像である。組織をその面で切った断層像を得ることができる。(p.31「光音響変換の医療応用:がん診断からがん治療へ」)

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