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今月のキーワード
ホイーラー‐デウィット方程式/ 遅延選択実験/リュードベリ原子
●ホイーラー‐デウィット方程式[the Wheeler-DeWitt equation]
一般相対論の量子化の試みの1 つにおいて,宇宙の波動関数Ψが満たすべき基本方程式。一般相対性理論を,空間のかたちを司る計量h( t)と,対応する運動量π( t)の時間発展とみたとき( 正準形式),時間t によらず成り立つべき拘束条件C(h, π)= 0 が現れる。理論を量子化したさい,対応する条件をC(h ^ , π^ )Ψ= 0 ( ハットは物理量を演算子化したもの)とし,状態Ψに対する制限とみなす方法がある。この手続きを,時間並進に関係する拘束条件に対して行ったもの。(p.4「ジョン・ホイーラーと相対論と量子情報」)

●遅延選択実験[delayed-choice experiment]
量子力学において,観測者がどのような測定を行うかで過去のふるまいが変わると解釈される実験。光子をビームスプリッター(BS)で二分し再びBSで干渉させ検出器で観測する場合,二分された後に観測者が2 つ目のBS を挿入するかどうかを決めることで,1 つ目のBS の通過後に光子が波のようにふるまっていた( 両方の経路を通った)か,粒子のようにふるまっていた( 片方の経路を通った)かが変わると解釈できる。ホイーラー(J. A. Wheeler)により提案された。(p.4「ジョン・ホイーラーと相対論と量子情報」)

●リュードベリ原子[Rydberg atom]
主量子数nの非常に大きい軌道に励起された電子をもつ励起原子。励起された電子は,ほかの内核電子による遮蔽により,水素原子的ポテンシャルを感じて運動する。その電子軌道半径(n2 に比例)はnが大きい場合マイクロメートルにも達し,巨大な双極子モーメントをもつため,電場や磁場と強く相互作用する。nが大きい場合は励起電子の異なる主量子数状態間の遷移エネルギー( 1/n3 に比例)がマイクロ波帯まで小さくなり,励起状態の寿命はたいへん長くなる。(p.41「超伝導量子ビット研究の進展」)

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