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今月のキーワード
熱圏/ パスカルの原理/ 3相交流
●熱圏[thermosphere]
熱圏は,地球大気のおおよそ高度90 〜600 kmの層である。宇宙船の大気圏再突入は高さ80 〜 100 km( 流星が燃えるのと近い高度) だが,これは熱圏の下端付近。そこから上が急に真空・無重力の宇宙になるのではない。国際宇宙ステーションが周回する高度は約350 km,オーロラが発生するのも80 〜 300 km,いずれも熱圏大気中である。熱圏は有害な太陽のX線や極端紫外線等を吸収して,電離層を形成する。地球環境と宇宙空間の境界領域ともいえる。(p.81「流星を追いかけて上空の風をはかる」

●パスカルの原理[Pascal’s principle]
静止した平衡状態にある流体内部の圧力は,高低差による重力の効果を除けば,どこでも常に等しいという原理。このため,2 つのピストンを管路でつなぎ内部を流体で満たすと,それぞれのピストンに加える力がピストンの面積に比例した場合につり合うことになる。これを利用すると,断面積が異なるピストンを使って加えた力を強めることができる。水や油のように非圧縮性流体を用いることが多いが,平衡状態で考えれば,空気のような圧縮性流体でも成り立つ。(p.98「物理で深まる鉄道趣味 第4 回 鉄道車両の制動」)

●3相交流[three phase electricity]
周波数が同じで位相が異なる3 つの交流電圧が加わった電気回路を流れる電気のこと。とくに,電圧が等しく位相が120°ずつ異なるものは対称3 相交流とよばれ,たんに3 相交流といえば,これをさすことが多い。3 組の平行電線に対称3 相交流を流し,各組から選んだ3 本の電線を1 本の共通線にすると,該当する電線の電位は常に0 となり,実際には不要となる。したがって,3 本1 組とすることで2 本1 組の3 倍の電力を送ることができる。また,3 組のコイルに対称3相交流を流せば回転磁場が容易に得られる。これらの利点から送電用・動力用に多用される。対称3 相交流が流れる3本の電線では,どの2 本間の電圧も対称3相交流となる。そこで,前者の結線を想定したものをY結線,後者を想定したものをΔ結線とよぶ。両者は結線の違いだけで互いに変換できる。(p.98「物理で深まる鉄道趣味 第4 回 鉄道車両の制動」)

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