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今月のキーワード
常時地球自由振動 / 共形場の理論 / ビラソロ代数/有限サイズスケーリング
●常時地球自由振動[earth's background free oscillations]
大きな地震が起きると,地球全体が数分から1時間くらいの周期で何日も振動し続ける。この現象は地球自由振動とよばれ,大地震が起こったときのみ観測可能だと考えられていた。しかし,1998年に,日本の研究グループが,大きな地震が起こっていない期間にも自由振動が常に励起されているという,これまでの常識を覆す現象を発見した。大気擾乱や海洋波浪が有力な励起源だと考えられている。(p.42「何が地球をゆすっている?」)


●共形場の理論[conformal field theory]
素粒子の弦理論の基礎を与える場の理論。素粒子を“ひも”で記述すると,その時間発展の軌跡が2次元世界面を描く。ここでの物理現象は座標の選び方によってはいけない。これが共形不変性であり,この不変性をもつ場の理論が2次元共形場の理論である。統計力学における2次相転移点にも共形不変性が現れ,その臨界現象が共形場の理論で記述される。2次元共形場の理論は,素粒子論のみならず物性論における臨界現象の研究に大きな役割を果たした。(p.51「素粒子と物性のキャッチボール 共形場の理論と2次元臨界現象」)


●ビラソロ代数[Virasoro algebra]
共形場の理論の基礎を与える無限次元のリー代数。2次元の場合,共形変換を引き起こす生成子には,並進,回転,スケール変換をはじめとし無限種類の演算子がある。この生成子の交換関係により定義されるリー代数がビラソロ代数である。ビラソロ代数には量子異常項が現れ,それを特徴づけるセントラルチャージの値が2次元臨界現象のクラスを完全に分類するという重要な性質をもつ。(p.51「素粒子と物性のキャッチボール 共形場の理論と2次元臨界現象」)

●有限サイズスケーリング[finite-size scaling]
有限サイズの系における物理量を計算し,熱力学極限に向けてサイズを大きくしていったとき,その漸近的なふるまいを解析することで系の特性を調べるという方法。ミクロな物理モデルを共形場の理論で解析する実践的な方法となっている。たとえば,N個の格子点からなる1次元量子系を熱力学極限に近づけていくとき,1/Nに比例する励起エネルギースペクトルから相関関数の臨界指数を決定できる。(p.51「素粒子と物性のキャッチボール 共形場の理論と2次元臨界現象」)



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