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今月のキーワード
スポーツバイオメカニクス/サルコメア(筋節)/筋腱相互作用/マグナス効果/カービングスキー
●スポーツバイオメカニクス[sport biomechanics]
スポーツ(sport)とバイオメカニクス(biomechanics)が複合してできたもので,スポーツにおける運動,人,用具・施設のふるまいを力学的観点から研究するスポーツ科学の基礎的領域の1つである。スポーツバイオメカニクスはさらに基礎と応用の領域に分けられ,筋・骨の力学的構造,筋収縮に関するバイオメカニクスは前者に含まれる。後者では,実践との関連が強く,実践的課題の究明を目指すもので,問題解決型の研究が主体となる。たとえば, 各種のスポーツ技術のバイオメカニクス的分析などはこれに相当する。(p.4「巻頭言:スポーツを10倍楽しむ方法」)


●サルコメア(筋節)[sarcomere]
筋細胞の最小機能単位。線維状の筋細胞の中にはサルコメアが直列に数万個並ぶ。サルコメア内では収縮タンパクであるアクチンフィラメントとミオシンフィラメントが入れ子構造をつくる。アクチンとミオシンの相互作用によってフィラメントどうしのオーバーラップが増え,このときにサルコメアが短縮する。サルコメアで発揮される張力はこのオーバーラップの程度に依存する。(p.6「筋肉と筋収縮のバイオメカニクス」)

●筋腱相互作用[muscle-tendon interaction]
筋肉は腱を介して骨に付着する。腱は外力によって伸長される性質をもつ。筋肉が発揮する力が腱を伸長させることを筋腱相互作用とよぶ。腱の伸長によって筋肉は短縮する。身体運動中に筋肉の発揮する力が刻一刻と変化するとき,この筋腱相互作用によって筋肉と腱の長さが変化する。筋肉の発揮する力は筋肉の長さとその変化率に依存するので,筋腱相互作用は運動中の筋力発揮特性に大きな影響を及ぼす。(p.6「筋肉と筋収縮のバイオメカニクス」)

●マグナス効果[Magnus effect]
1852年,ドイツの技術者マグナス(H. G. Magnus)が回転する砲弾に働く横方向の力(揚力)をはじめて認識したことから,以来,回転する球や円筒(物体)のまわりの流体の速度差により圧力差が発生し,それが揚力として働く現象は,彼の名にちなんでマグナス効果とよばれている。回転する物体表面近傍の境界層の剥離点が回転によって非対称になり,その反作用で横方向の力(揚力)が働くという説明もある。(p.21「フリーキックのサイエンス」)


●カービングスキー[carving ski]
カービング(carving)とは,「刻む」,「彫る」,「切る」という意味であり,「曲がること(curving)」とは異なる。カービングスキーは,従来のスキーに比べ,スキーの前と後ろの幅が広く,スキーの横に付けられたカーブがきついスキーのことである。このカービングスキーを雪面に食い込ませると,横ずれの少ない,深くて細いシュプールを残すことができる。(p.34「スキーロボットはなぜターンできるのか?」)