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今月のキーワード
エミッタンス / 航跡場(加速) / エルニーニョ / ラニーニャ / マッデン‐ジュリアン振動
●エミッタンス[emittance]
ビームの輝度を測る尺度。ビームのエネルギーが固まっている,すなわち体積的に小さかったりビームが広がらずに伝播する場合,この尺度は小さいといい,その輝度は高い。すなわち,エミッタンスが小さいほど,輝度が高い。(p.4「レーザー加速と高強度場科学」)


●航跡場(加速)[wakefield (acceleration)]
船などが航跡を残すように,レーザーパルスなども物質中に航跡のように波のパターンを残す。こうした航跡は船やレーザーパルスの後方をその物体の速度で伝播する。レーザーパルスの航跡はレーザーパルスの速度で伝播。こうした光速で走る航跡場(波のこと)を使って鋭く加速することを航跡場加速といい,航跡場加速は従来の加速場の強さの千倍から1万倍程度の強さになる。(p.4「レーザー加速と高強度場科学」)


●エルニーニョ[El Ni撲]
南米ペルー沿岸から東太平洋赤道域にかけての海面水温が平年値より高い状態が,2〜7年の周期で数か月〜1年程度続くことがある。これがエルニーニョ現象である。エルニーニョ現象は,太平洋スケールの大気海洋結合現象であり,東太平洋の海面水温の上昇とともに,通常は西太平洋で活発な積雲対流活動の中心が中部太平洋に移動するため,インドネシアでは干ばつになりやすい。中緯度への遠隔効果もあり,日本では冷夏・暖冬の傾向となる。(p.55「エルニーニョを吹き飛ばした赤道上の積雲群」)

●ラニーニャ[La Ni紡]
エルニーニョとは逆に,赤道域の偏東貿易風が弱まり,東太平洋海面水温が平均よりも低く積雲対流活動の中心が通常よりも西方のインドネシア域にずれた状態が数か月から数年続くことがある。これをラニーニャ現象とよぶ。1988年のラニーニャはアメリカ合衆国中西部の大干ばつを引き起こした。最近では1997/98年のエルニーニョ終了後の1998年秋から1999年春,1999年夏から2000年春に観測されている。(p.55「エルニーニョを吹き飛ばした赤道上の積雲群」)


●マッデン-ジュリアン振動[Madden-Julian oscillation]
赤道域において積雲対流活動と関連した東西循環を伴う大気の大規模な(波長20,000-40,000km)擾乱が30〜90日の周期で東進する現象である。1971年にマッデンとジュリアンによって発見された。これは熱帯大気で最も顕著な大規模擾乱であり,アジアやオーストラリアのモンスーンやエルニーニョ等のスケールの長い現象とも相互作用効果があるため注目され,多くの研究があるが,伝播機構や積雲対流活動との結合の仕組等,未解明の部分が多い。(p.55「エルニーニョを吹き飛ばした赤道上の積雲群」)

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