東京湧水 せせらぎ散歩


高村 弘毅
(立正大学 学長) 

発行:丸善株式会社

コンパクト版 A5判・112頁
ISBN978-4-621-08131-0


W版 B5判・112頁
ISBN978-4-621-08140-2



本体価格 各667円
2009年6月刊行

東京に現存する湧水とその水辺空間を、多くの人々に親しんでいただき、また、いつまでも残していきたいとの思いを込めてガイドブックとしてまとめました。
編集にあたり、一般の方々の湧水・せせらぎ探訪はもとより、湧水を調査・研究する方々にも役立つよう心がけ、次のような点を特色としています。


1. 都内83湧水を収録
奥多摩を除く都内の83湧水(105地点)について、1999、2004、2006年に水質等の調査を実施しました。さらに、2008年6-10月に上記に27湧水(うち9湧水は水質検査)を加え、計109湧水についてあらためて調査。その中から83湧水を紹介します。

2.  76地点の湧水データ付
83湧水のうち65湧水76地点について次の項に掲げる湧水データを付しました。データは2006年を基本とし、水質等の変化が微少な場合は他年のデータを付したものもあります。

3. 訪ねやすいよう段丘や地域ごとに区分して一覧地図に付し、湧水が地区にまとまってある場合は同じ地図で案内しました。さらに、アクセスデータには緯度(N)・経度(E)を付しGPSで所在確認ができるようにしました。

4. 各スポットの由来・歴史をカラー写真とともに紹介。


本書掲載の湧水データの見方
表について
水温:採水時の水温(℃)。
EC:電気伝導度(mS/m)を表し、水は含有する電解質が多くなるほど電流を通しやすくなり、川であれば河口に近くなるほど数値が大きくなります。
pH:水素イオン濃度を表し、7が中性で、7より小さければ酸性、大きければアルカリ性。
湧水量(湧出量):秒当たりの湧出量(ℓ/s)で測ります。都内の湧水は降雨や季節により変動が大きく、ここでは2008年6〜10月取材時の視認によります。
グラフについて
水質分析データは「ヘキサダイヤグラム」で表しています。中央の軸を0とし、右側に「陽イオン」としてMg2+(マグネシウム)、Ca2+(カルシウム)、Na + K+(ナトリウム+カリウム)、左側に「陰イオン」として、SO42-(硫酸)、HCO3-(重炭酸)、Cl- + NO3-(塩素+硝酸)の6成分を当量単位(me/ℓ)で示したものです。名水といわれる湧水は左右のバランスがとれ、ソロバン玉のような形状になっているものが多いです。

本書収録の湧水

〈国分寺崖線の湧水〉
お鷹の道・真姿の池/殿ヶ谷戸庭園/姿見の池/日立中央研究所/貫井神社/新次郎池/はけの森美術館/滄浪泉園/野川公園/ほたるの里三鷹村/深大寺/都立農業高校神代農場/実篤公園/神明の森みつ池/成城三丁目緑地/大蔵三丁目公園/岡本静嘉堂緑地/五島美術館/等々力渓谷・等々力不動尊

〈区部南部の湧水〉
清正の井/東大駒場一二郎池/東山貝塚公園/目黒不動尊/清水窪弁財天/田園調布せせらぎ公園/六郷用水/東調布公園/山王花清水公園

〈区部北部の湧水〉
関口芭蕉庵/おとめ山公園/善福寺川 原寺分橋下流/善福寺川 御供米橋下流/赤羽自然観察公園/小豆沢公園/志村清水坂緑地/見次公園/不動の滝/清水山憩いの森/稲荷山憩いの森/八の釜憩いの森/大泉井頭公園

〈武蔵野段丘北部・狭山丘陵の湧水〉
南沢緑地/竹林公園/黒目川天神社(柳窪天神社)/金山調節池/秋津公園/多摩湖緑地/二ツ池公園/湖畔集会所裏/野山北公園/龍の入不動尊/野山北六道山公園 岸田んぼ

〈立川段丘・青柳段丘の湧水〉
矢川緑地/ママ下湧水/西府町湧水/常盤の清水/清水の茶屋跡/瀧神社

〈日野台地・加住丘陵の湧水〉
黒川清流公園/中央図書館下/小宮公園/子安神社/叶谷榎池

〈拝島丘陵・秋留台地・草花丘陵の湧水〉
拝島公園(拝島大師)/諏訪神社/龍津寺/清岩院/中福生公園/下の川緑地下/二宮神社/八雲神社/福寿庵井戸/白石の井戸/草花公園/白滝神社

〈多摩丘陵の湧水〉
片倉城跡公園/穴澤天神社/鶴見川源流の泉/小山田緑地 小山田の谷/図師の神明谷戸/図師の五反田谷戸/忠生公園/芹ヶ谷公園

著者略歴:高村弘毅(たかむら ひろき)
現職:立正大学学長。
1937年青森県生まれ。立正大学大学院文学研究科地理学専攻博士課程単位取得満期退学(文学博士)。同大学の学生部長、文学部教授・同学部長、地球環境科学部教授・学部長を経て2004年4月より現在まで現職。その間、東京大学理学部、東京学芸大学教育学部、専修大学文学部などの非常勤講師を務める。
地下水環境の障害・汚染と対策・再生、沙漠化などの乾燥地域の自然と人間の共生、開発途上国の水資源の開発と保全を研究テーマとし、対象地域は東京および荒川地域、北アフリカ地域、中国タクリマカン沙漠南部地域。
日本地下水学会会長、全国地下水利用対策団体連合会特別顧問、東京地学協会理事、東京の名湧水選定委員会座長、東京都市街地土壌汚染対策委員会委員長、埼玉県土壌・地下水汚染対策委員会委員長などを歴任。編・著『名水を科学する』『続 名水を科学する』『水文大循環と地域水代謝』(分担)(以上・技報堂出版)、『タクリマカン沙漠の自然環境と風俗』(英文)、『沙漠の事典』(弊社より近刊)など。



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