日本社会福祉学会設立60周年記念出版

社会福祉学事典

社会福祉学全般にわたる研究水準と課題を明示

実際に社会福祉に携わる上で必要な予備知識や方法上のガイドライン、そしてイシュー(論点・争点)なども
丁寧に説明し、実務レベルで現場に即して活用できる「中項目主義」の事典



日本社会福祉学会 事典編集委員会  編

白澤 政和 編集委員長

A5判・816頁  本体価格20,000円+税 
ISBN978-4-621-08814-2
発 行:丸善出版株式会社



特長
■各項目が見開き2頁/4頁完結の、読み通せる中項目主義事典
■基礎編、応用編、研究・教育編の3部構成(全14分野)
■約320項目を収録・執筆者は約250名
■所得格差、生活保護、児童虐待や高齢者虐待、DV、さらには被災者に対する支援など、現代社会における重要な問題も積極的に取り上げる。
■多岐にわたる社会福祉学の全体像についての体系的な理解を通じて、社会福祉学を介して異なる分野との交流の促進をはかる。


刊行にあたって(一部抜粋)

 社会福祉という領域は、超「少子高齢社会」の現代日本では、市場の関心も高く、教育や保健医療などと並んで、脱工業社会時代のリーディング・インダストリーとしてその存在意義をますます大きくしています。これは社会福祉領域での「基礎構造改革」あるいは「規制緩和」を背景に、社会福祉が「成長産業」として見込まれていることを示しています。むろん、それは単純な市場ではなく、公的財源やその一定の規制を不可避とする「準市場」とよばれるようなものであることは周知のところです。ただし、リーディング・インダストリーと書くと、書いている本人にも違和感が残ります。それは、社会福祉領域が、労働条件の相対的に低い職業領域として長く認知されてきた経緯があり、また国家資格が導入されたとはいえ、その領域での専門職能としての確立がいまひとつ確かなものになっていないということがあるかもしれません。
 他方で、こうした社会福祉という領域への学問的関心もますます学際的なものとなっており、多方面の学問領域からの「参入」も増えています。日本社会福祉学会にも多様なバックグラウンドの研究者、実践者が加入され、同時に日本社会福祉学会の会員も他分野の学会に参加しています。このような状況は、ある意味で社会福祉領域の学際性を示すものであり、そうした学際性によって、社会福祉研究の幅が広げられ、豊かになっていることは事実です。しかし、もちろん日本社会福祉学会の存在意義は、そうした学際性豊かな「領域」としての社会福祉の中に、それ自体の専門的な概念や研究方法が育まれていることを確認し、それらを系統的に取り上げ、掘り下げ、社会福祉という領域がなぜ近現代社会に存在しているのか、どのような形で存在しているのか、そこにどのような課題があるのか等を批判的に検討していくことにあることはいうまでもありません。さらに、こうした社会福祉「それ自体」の研究は、他の学問領域がともすればその対象から見落としてしまいがちな、マイナーな問題、マイノリティの問題によく照準を当て、その現状を把握し、そこから論を立てていくような手法をもちうることにもう一つの意義があると思います。それは、他の学問領域をも刺激し、豊かにしていくものではないでしょうか。
 この『社会福祉学事典』は「社会福祉学をつくり上げるんだ」と誓って発足した本学会の学問としてのイロハを、多数の学会員が参加して現代的な感覚で分類執筆されたものです。本事典が、社会福祉研究者の研究の一助となり、ここから「熱い議論」が生まれていくことを願ってやみません。
2014年3月
一般社団法人日本社会福祉学会会長 岩田 正美


編集委員会

編集委員長
白澤 政和

編集幹事
岩崎 晋也 
上野谷加代子
岡部  卓 
      

編集委員
秋元 美世
圷  洋一 
池本美和子 
市川 一宏
稲沢 公一
今井小の実 
岩田 正美
岩間 伸之

大島  巌

岡崎 仁史 
小笠原浩一 
河東田 博
門田 光司 
金子 光一 
川村 隆彦


桜美林大学大学院老年学研究科教授


法政大学現代福祉学部教授
同志社大学社会学部教授
首都大学東京大学院
人文科学研究科教授


東洋大学社会学部教授
日本女子大学人間社会学部准教授
佛教大学社会福祉学部教授
ルーテル学院大学学術顧問
東洋大学ライフデザイン学部教授
関西学院大学人間福祉学部教授
日本女子大学人間社会学部教授
大阪市立大学大学院
生活科学研究科教授
日本社会事業大学学長
広島国際大学医療福祉学部教授
東北福祉大学総合福祉学部教授
元立教大学コミュニティ福祉学部教授
久留米大学文学部教授
東洋大学社会学部教授
神奈川県立保健福祉大学
保健福祉学部准教授




牧里 毎治 
山辺 朗子 




木下 武徳 
小西加保留 
芝野松次郎 
住居 広士 

高山恵理子
 
所  道彦

中谷 陽明
 
二木  立
野口 定久 
原田 正樹 
平岡 公一 

山縣 文治
 
山本 美香 
和気 純子 




関西学院大学人間福祉学部教授
龍谷大学社会学部教授




北星学園大学社会福祉学部教授
関西学院大学人間福祉学部教授
関西学院大学人間福祉学部教授
県立広島大学大学院
保健福祉学専攻教授
上智大学総合人間科学部准教授
大阪市立大学大学院
生活科学研究科教授
松山大学人文学部教授
日本福祉大学学長
日本福祉大学社会福祉学部教授
日本福祉大学社会福祉学部教授
お茶の水女子大学大学院
人間文化創成科学研究科教授
関西大学人間健康学部教授
東洋大学ライフデザイン学部准教授
首都大学東京大学院
人文科学研究科教授


目 次

第 I 部 基礎編
 1章 原理・思想
  社会福祉の基本原理・思想/政策に関わる原理・思想/援助に関わる原理・思想
 2章 歴 史
  総 論/前近代・近代の救済/20世紀以降─戦前/20世紀以降─戦後/海外からの影響
 3章 方法1(政策と運営)
  福祉国家機構の基本体系/福祉資源運用の基準と方法/福祉改革のパラダイム/サービス提供主体の運営
 4章 方法2(ソーシャルワーク・ケアワーク:実践)
  歴史的展開/ソーシャルワークの価値と倫理/ソーシャルワークの過程/
  ソーシャルワークの機能と方法/ソーシャルワークを支える理論/現代のソーシャルワークの動向

第 II 部 応用編
 1章 生計を支える
  貧困の諸相/所得保障の理念と体系/生計を支える諸制度:所得保障・低所得対策/
   生活保護制度の動向/貧困・低所得をめぐる動向
 2章 健康を支える
  制度・政策・社会/実践基盤/当事者理解/患者・家族の支援/地域生活と健康
 3章 働く・社会参加を支える
  就労支援をめぐる動向/女性を支える/若者を支える/高齢者を支える/障害者を支える/
   海外からの影響/被災地を支える
 4章 育ちを支える
  総 論/社会的養護/地域子育て支援と保育・教育/障害のある子どもの支援/ソーシャルワーク実践
 5章 住まうを支える
  居住支援の基礎理論/居住型施設と住宅・ケア/居住支援の政策と実践
 6章 人権を支える
  社会福祉と人権を支えるための理論/社会福祉と人権を支えるための制度/社会福祉と人権をめぐる諸問題
 7章 家族・地域を支える
  家族を支える/地域を支える/家族・地域を支える機関と専門職

第敬 研究・教育編
 1章 研究方法
  総 論/社会福祉研究デザイン/研究資料の収集方法・分析方法/研究成果の公表
 2章 教 育
  社会福祉専門教育の現状と課題/大学院教育と高度専門職養成・研修/
   海外のソーシャルワーク教育と資格/社会福祉教育の新潮流
 3章 マンパワー・人材
  総 論/領域別のマンパワー人材の現状と課題


組見本







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