解答と解説 1 章 1-D.この女性の摂取熱量(カロリー,kcal)は,炭水化物400 kcal (100 g×4 kcal/g),タンパク質80 kcal (20 g×4 kcal/g),脂肪360 kcal (40 g×9 kcal/g),合計840 kcal 2-B.この女性は事務職なのでBMRに30%加えて計算し,1日のエネルギー消費は1560 kcal.計算は: BMR=(24 kcal/kg)×50 kg(体重)=1200 kcal,これに30%,360 kcalを加える(日本の標準では,この女性が30台として: BMR=(22 kcal/kg)×50 kg(体重)=1100 kcal,これに加える係数が異なるが,近い値になる). 3-C.この女性のカロリー摂取量(840 kcal)は必要量(1560 kcal)に満たないから体重を失う.運動すればもっと体重を失う.タンパク摂取量も低いので(0.8 g/kg/dayが標準)おそらく窒素平衡も負であろう.脂肪によるカロリーは全摂取カロリーの43%で,理想的な値(30%以下)を越えるが,脂肪摂取量を減らさずに,炭水化物とタンパク質をもっと摂取してで全摂取カロリーを増加し,脂肪の比率を下げるのがよい. 4-B.標準的70 kgの成人で,脂肪組織は15 kgの脂肪(135 kcal),肝グリコーゲンは0.08 kgの炭水化物 (0.32 kcal),筋グリコーゲンは0.15 kgの炭水化物 (0.6 kcal)を貯蔵,このほか筋タンパク6 kg (24 kcal)が燃料になる.したがって肝グリコーゲンの貯蔵カロリーが最低. 5-D.脂肪組織は筋肉より貯蔵カロリーが高く,水含量が低い.脂肪組織のトリアシルグリセロールは9 kcal/gの熱量をもち水分は15%,筋タンパクは4 kcal/gの熱量で水分は80%. 6-B.リシンは合成できないから食事で摂取する必要がある.セリンとグルタミン酸はグルコースから合成できる.システインはメチオニンの硫黄とセリンの炭素骨格から合成する.チロシンはフェニルアラニンの酸化でつくれる. 7-D.筋タンパクから供給されるアミノ酸は糖新生(グルコース合成)に使われ空腹時に酸化される.タンパク質100 gの窒素含量は約16 gだから,窒素平衡が負なら16 g以上排泄し,窒素平衡が成り立てば16 gを排泄する.食餌では必須アミノ酸を必要量とらねばならない. 8-A.炭水化物を食べれば肝臓と筋肉の貯蔵グリコーゲンが増加し,脂肪組織にはトリアシルグリセロールが貯蔵される.血中グルカゴン濃度が低下して糖新生も減る.脳はグルコースをCO2とH2Oに酸化し,赤血球はグルコースを乳酸に分解する. 9-D.絶食中は脂肪組織から脂肪酸が放出され他の細胞で酸化される.肝グリコーゲンは約30時間の絶食までは枯渇しない.1夜の絶食では肝臓におけるグリコーゲン分解と糖新生で血中グルコース濃度が維持される.筋肉の貯蔵グリコーゲンは血糖維持には使われない.肝臓はケトン体を合成するが自分では酸化しない. 10-A.3〜5日の絶食後に脳はグルコースのほかケトン体も燃料として利用し始める.絶食30時間後には肝グリコーゲンが底をつき,適正なタンパク摂取が行われないため窒素平衡が負になる.赤血球はミトコンドリアがないから脂肪酸を酸化できない. 11-B.1夜絶食後さらに1週間も絶食し続ければ,筋タンパクは分解して糖新生のためにアミノ酸を供給する.しかしタンパク減少速度は絶食初期より遅い.脳がケトン体を利用し始めグルコース消費速度が低下するからである.血中グルコース濃度も減少するが,肝臓におけるグリコーゲン分解と糖新生のおかげで減少速度は緩慢になる.脂肪組織ではトリアシルグリセロールが動員されて減少し,脂肪酸は肝臓でケトン体に変わるので血中のケトン体濃度が上がり脳で利用されるようになる. 12-C.共通点は体重の減少.神経性無食欲症患者はカロリー不足,治療を受けないI型糖尿病患者は血中インスリン濃度が低くてグルコースやケトン体を尿に排泄する,甲状腺機能亢進症患者はBMRが高くなる,非熱帯性スプルー患者は腸管からの栄養素の吸収不良,が原因となる.I型糖尿病ではインスリン不足によりケトン体濃度が高い.神経性無食欲症と非熱帯性スプルーでもケトン体濃度が上がる. 13-B.脂肪組織のトリアシルグリセロールは最大の貯蔵エネルギー. 14-D.筋グリコーゲンは激しい運動のためのエネルギー源. 15-C.1夜絶食時の血糖は肝グリコーゲンの分解で維持する. 16-A.タンパク分解産物アミノ酸の窒素が尿素になって尿に排泄される. 17-B.3〜5日の絶食で血中ケトン体濃度が上り始めと,脳はケトン体を利用し始める. 18-C.脂肪組織由来の脂肪酸から肝臓でケトン体が合成され,筋肉がこれを酸化する. 19-D.脂肪酸の酸化はミトコンドリアで起こるが,赤血球にはミトコンドリアがない. 20-A.肝臓はアミノ酸からの糖新生で血中グルコースを供給する. 21-A.筋肉の運動で乳酸が生成,これを肝臓が糖新生でグルコースに変える.血中グルコースは赤血球その他の細胞でエネルギー源として利用される. 2 章 1-B.このグルコース分子で最も酸化した基はC1のアルデヒドである.他の官能基はアルコールである. 2-A.結合Aは酸無水物結合で,カルボン酸とリン酸が反応し,脱水されたときに生ずる. 3-C.結合Bのリン酸エステルはリン酸がアルコールと反応し,脱水されたときに生ずる. 4-A.β-ヒドロキシ酪酸がアセト酢酸に変わるとき,アルコールはケトンに酸化される.化合物は酸化前も酸化後もケトン体である. 5-E.pH=7.4ならば log[H+]=−7.4,したがって [H+]=10−7.4=100.6 ×10−8=4×10-8 6-C.平衡定数は生成物濃度の積を反応物濃度の積で割った値だから,Ka=[H+][A−]/[HA]. 7-B.ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式 pH=pKa+log10 [A−]/[HA] より,pH=pKa のとき log10 [A−]/[HA]=0,したがって [A−]/[HA]=1. 8-B.タンパク中のアミノ酸残基の側鎖には異なるpKa の官能基が多数含まれるので,いろいろなpHでプロトン授受を行い,広いpH範囲で緩衝能をもつ.一方,ポリペプチド当たり,pKa =9のN末端とpKa =3のC末端アミノ酸は1個ずつである.また,ペプチド結合は簡単には加水分解せず,加水分解しても緩衝作用は生じない.水素結合には緩衝作用はない. 9-D.ペプチドはN末端を左,C末端を右に書くのが習慣.したがってC末端はアルギニンである. 10-B.N末端のアスパラギン酸はN末端アミノ基が+1価,側鎖のカルボキシ基が−1価をもち,グルタミン酸は側鎖のカルボキシ基が−1価,C末端アルギニンのC末端カルボキシ基が−1価,側鎖のグアニジニウム基が+1価.全部で +2と−3,正味の電荷は−1価となる. 11-C.ジスルフィド結合が共有結合である. 12-A.HbAの6番目のグルタミン酸がHbSではバリンに置き換わっているので,HbSはHbAよりも1個だけ疎水性アミノ酸を多くもち,負電荷側鎖が1個少ない.HbA,HbSはともにpKa =6のヒスチジン側鎖をもつ.また,両方に含まれる第6番のプロリン残基は環状構造で,αへリックス構造を中断する. 13-B.[H+],BPG,CO2の増加によりHbAのO2親和性は減少する.胎児ヘモグロビン(HbF=α2γ2)は成人ヘモグロビン(HbA=α2β2)よりもO2 親和性が高い.BPGが増加すると酸素の放出が促進される. 14-B.壊血病はビタミンCの欠乏で引き起こされる.コラーゲンのプロリン残基,リシン残基のヒドロキシ化にはビタミンCと酸素が必要である.グロビン合成は影響を与えるとしても間接的である.腸からの鉄吸収がビタミンCで促進されるから,ビタミンCはグロビン合成に間接に影響を及ぼしている.つまり鉄はヘム合成に必要であり,よってグロビン合成を調節する. 15-D.酵素が三次元コンホメーションを形成するとき,アミノ酸の一次構造では離れた残基が集まって活性部位を形成することも多い.基質分子は活性部位と結合し,競合阻害剤は基質と活性部位を競合する.アロステリック阻害剤は活性部位以外の部位に結合する. 16-D.ミカエリス-メンテン式,v=Vmax[S]/(Km+[S]) で,[S]=4,v=0.25 Vmax.,したがって,0.25 Vmax=4 Vmax/(Km+4) よりKm=12 mM. 17-C.酵素触媒反応の反応速度は基質濃度の増加と共に増加し,酵素が基質で飽和されたときが最大である.そのとき,vと最大反応速度Vmax は等しくなる.また,反応速度はKmに依存し,Kmとは1/2 Vmax を与える基質濃度である.さらに酵素は活性が最大となる至適pHをもつ. 18-B.反応速度25μmol/minはVmaxの1/2,そこで[S]=Km,つまり[S]=5μM 19-B.基質濃度が2 mMから1 mMに下がったとき,反応速度はわずかに減少する.[S] とKmを同じ単位mMで表せば,[S]=2 mMのときv=2 Vmax/(0.005+2)=0.998 Vmax,1 mMのとき,v=1 Vmax/(0.005+1)=0.995 Vmax. 20-C.絶食時にはv=5 Vmax/(7+5)=42%.摂食後にはv=20 Vmax/(7+20)=74%.グルコキナーゼは絶食時より摂食後に活性化される. 21-A.競合阻害剤は酵素の活性部位を基質と競合し見かけのKmが増す.基質濃度が増加すると基質が阻害剤と競合し阻害効果に打ちかって正常なVmax 値に近づく. 22-A.X軸との交点,−1/Km=−2,そこでKm=0.5 mM. 23-C.Y軸との交点,1/Vmax =0.1,そこでVmax =10μmol/min/mg. 24-A.この阻害剤はVmax を変えないが,見かけのKm を大きくするから,競合阻害剤である. 25-B.この阻害剤はVmax を低くするが,Km は変えないから,理想的な非競合阻害剤である. 26-E.Km は1/2 Vmax 時の基質濃度で,曲線xより曲線yの方がKmは低い.基質濃度が増加すると両曲線は最大値(Vmax )に近づき,反応速度は等しくなる. 27-D.アロステリック化合物は基質低濃度のとき反応速度を増加させる,つまり活性化する. 28-D.ADPのないとき曲線はシグモイドで,ミカエリス・メンテン型ではない.どのADP濃度でもVmax は等しい.1/2 Vmax での基質濃度はADP濃度の増加とともに減少する.つまり,ADPはKm を減少させ,酵素を活性化する(反応速度はADPがあると,基質低濃度で高くなる). 29-C.二つのシステインのスルフヒドリル(-SH)基が反応し,シスチン(化合物C)のジスルフィド結合を形成する. 30-B.フェニルアラニン(化合物B)は芳香族フェニル環を含む. 31-A.グルタミン酸(化合物A)の側鎖は負電荷のカルボキシ基をもち,静電的相互作用をもつ. 32-A.この中でグルタミン酸は正味の負電荷をもつ唯一のアミノ酸で,正電極(陽極)へ移動する. 33-C.コラーゲンのプロリン残基とリシン残基はビタミンCを要求する反応でヒドロキシ化される. 34-B.ミオグロビン分子は1本のポリペプチド鎖と1分子のヘムをもち1個のO2分子と結合する.ヘモグロビン分子は4本のポリペプチド鎖と4分子のヘムより成り,4個のO2分子と結合する. 35-A.ヘモグロビン分子はヘム分子を4個もつが,ミオグロビン分子は1個しかもたない. 36-C.コラーゲンはその合成中にトリプル(三重)へリックスを形成する. 37-D.インスリンはA鎖,B鎖より成り,この2本の鎖はジスルフィド結合で結ばれている. 3 章 1-A.DNAはアデニンとチミン,シトシンとグアニンを等モル含むが,ウラシルはもたない. 2-B.互いに相補的な配列が逆向きに塩基対合:5'-AAGTCCGA-3' は3'-TTCAGGCT-5' と塩基対合する.5' 側を左に置いて書けば 5'-TCGGACTT-3'.(RNAなら3'-UUCAGGCU-5') 3-C.DNA鎖は3',5'-リン酸ジエステル結合で結ばれたヌクレオチドから成り,個々のヌクレオチドはリン酸基-デオキシリボース-窒素塩基から成る.互いに反対方向に向いた2本のDNA鎖は互いに塩基対を形成,できた塩基対は互いに積層(スタッキング)し,よじれ合って分子の中心軸で“らせん階段” (二重らせん)を形成,その外側に負電荷のリン酸と糖の主鎖が巻きつく. 4-C.hnRNAは転写のとき5' 末端にキャップ構造がつく.hnRNAがmRNAになってもキャップの7-メチルグアニンは残る. 5-D.tRNAにはTΨCループのリボチミジンがチミン塩基をもつ. 6-D.DNAポリメラーゼは前駆体(合成原料)として,この原料分子を延長鎖の3' 末端の3'-ヒドロキシ基に付加する. 7-A.複製は細胞周期のS期に行われる.親DNAに生じたバブル(複製バブル)は,両方向に同時に進行する複製の起点となる.DNAの鋳型鎖は常に3' から5' 方向にコピーされ,新しい鎖は5' から3' に合成される.娘DNA鎖の1本は親鎖で,もう1本が新しく合成された鎖である.これを半保存的複製という. 8-D.RNAにはチミンの代わりにウラシルが含まれる.ウラシルがアデニンと塩基対をつくる. 9-E.セグメントCは5' から3' 方向に合成される.Cの合成が始まるときEの合成も始まる. 10-B.セグメントCは5' から3' 方向に,複製フォークに向かって合成される. 11-C.セグメントEは複製フォークから離れる方向に,鋳型の3' から5' に沿って5' から3' 方向に合成される.セグメントDの前にセグメントEが合成される.そこで,個々のラギング鎖は複製フォークから離れる方向だが,全体としては複製フォークに向かう.合成された個々の短いフラグメントは最終的に結合する. 12-D.DNAリガーゼはDNA鎖同士を結びつける.ポリメラーゼは延長鎖の3' 末端に一度に1個のヌクレオチドを加えるだけである.エンドヌクレアーゼはDNA鎖を切断する. 13-B.合成開始のヌクレオチドはアデニンと塩基対を形成するが,DNAポリメラーゼはDNA鎖の合成を開始できない.RNAポリメラーゼ(プライマーゼ)が短いプライマーをつくり,それをもとにDNA鎖を延長する.そこでアデニンと塩基対をつくれるリボヌクレオシド三リン酸,すなわちUTPが合成開始のヌクレオチドである. 14-D.岡崎フラグメントはラギング鎖で合成される.RNAポリメラーゼが合成する短いリボヌクレオチド鎖にDNAポリメラーゼがデオキシリボヌクレオチドを加えて合成する. 15-E.42 ℃で新規に合成され蓄積した短いDNAセグメントは岡崎フラグメントである.岡崎フラグメントは通常DNAリガーゼでつながるが,この変異体ではDNAリガーゼが温度感受性で機能せず,岡崎フラグメントがつながらずに短いフラグメントが蓄積した.エンドヌクレアーゼとエキソヌクレアーゼはそれぞれDNA鎖の中央と末端を切断し,結合はしない.DNAポリメラーゼもDNA断片を結合しない.DNAほどきタンパクはDNAを1本鎖にほどく. 16-C.ヌクレオソームはクロマチンのサブユニットで,核のDNA-タンパク複合体である.4種のヒストン(H2A, H2B, H3, H4)を2個ずつ含むコアの表面に140塩基対のDNAが巻きついた構造である.ヒストンH1はヌクレオソーム同士を結ぶリンカーDNAに結合する. 17-B.図はアデニン(右)-ウラシル(左)の塩基対である.ウラシルはRNAにありDNAにはない. 18-B.核小体ではrRNA遺伝子が転写される.まず45S rRNA前駆体が生産され,修飾や切断の後タンパクと複合体をつくりリボソームサブユニットになる.核小体がなければrRNA合成が最も影響を受け,受精卵は発生に至らないであろう. 19-B.真核生物の遺伝子は転写開始点の5' 上流領域にTATA ボックスを含みCAAT ボックスもよくみられる.この遺伝子を転写してhnRNA を産生するのはRNA ポリメラーゼII,hnRNAの修飾とプロセッシングでmRNAができる.5' 末端のキャップ構造や,3' 末端のポリ(A)尾部はDNAにはコードされず,転写後修飾により付けられる,遺伝子にはイントロンが含まれるがhnRNAのプロセシングで除去される. 20-D.RNAは逆平行に相補的に並び,AはT,UはA,GはC,CはGと塩基対合する.したがって転写されるRNAは3'-UCGGUUAA-5' = 5'-AAUUGGCU-3' である. 21-B.毒キノコの毒成分はαアマニチンで,真核生物RNAポリメラーゼ(特にRNAポリメラーゼII)の阻害剤である. 22-C.障害が速やかに修復されれば形質転換は起こらない.大きなDNA障害分子の除去はヌクレオチド除去修復による.障害のあるヌクレオチドの短いセグメントが切り取られ,障害のない鎖が鋳型となって新しい鎖が合成される. 23-B.UV光によりDNA中にピリミジン二量体が形成する. 24-D.紫外線によって生じたDNAの障害(ピリミジン二量体)はヌクレオチド除去修復系で修復する.いくつかの場合,欠損酵素はおそらく修復エンドヌクレアーゼであろう. 25-A.複製で鋳型DNA鎖のUは娘鎖ではAと対合し,以降の複製でTA塩基対となる. 26-C.ここに挙げた酵素はすべてDNAの修復に関与するが,グリコシダーゼだけがN-グリコシド結合を切断して塩基を除去できる. 27-D.アミノアシル-tRNAシンセターゼはATPとアミノ酸の反応で酵素[アミノアシル-AMP]複合体をつくり,アミノ酸をtRNAの3' 末端に転移する酵素で,標準アミノ酸それぞれに一つずつ対応して存在し,アミノ酸に対してもtRNAに対しも特異性が高い.mRNAのアミノ酸に対するコドンはtRNAのアンチコドンに相補的である. 28-C.UCAはセリンのコドンである.Aでは終止コドン,Bではプロリン,Dではトレオニン,Eではアラニンに変異する.CのUCUだけがセリンのコドンでタンパクは変化しない. 29-D.この構造は2',5'-ホスホジエステル結合で DNAまたはRNAの3',5'-ホスホジエステル結合ではない.この化合物2',5'-オリゴ(A)はインターフェロンに対応してつくられ,mRNAを分解するヌクレアーゼを活性化する. 30-A.メチオニンはタンパクの合成開始アミノ酸で,合成後にタンパクから切り出される.メチオニンのコドンは開始もタンパク内部も同じAUGコドンが使われる.細菌やミトコンドリアでは,開始メチオニル-tRNAはホルミル化される. 31-D.細菌には70Sリボソームが含まれ,クロラムフェニコールに感受性がある.タンパク合成はホルミル化メチオニンで開始される.細菌には核がないため,リボソームは転写中のmRNAに結合してタンパク合成を開始する. 32-A.メチオニル-tRNA (ホルミル-Met用tRNAは不可),真核細胞の開始因子eIF-2,GTPが40Sリボソームに結合,ついでmRNAのキャップが結合するとリボソームサブユニットはmRNAに沿ってMet-tRNAのアンチコドンが最初のAUGコドンと対合するまで移動する.ここで60Sサブユニットが加わりタンパク合成が始まる.EF-2は延長因子,IF-2は原核細胞の開始因子である. 33-A.mRNAはコドンを供給,アミノアシル-tRNA とGTPがエネルギーを提供し,ペプチジルトランスフェラーゼがペプチド結合の形成を触媒する.真核延長因子 2 (EF-2,またはeEF-2という)はペプチジル-tRNAを転移する.ホルミルメチオニル-tRNAは原核細胞のタンパク合成開始に必要.EF-Tuは原核延長因子である.また,hnRNAはmRNAの前駆体である. 34-D.タンパク合成は通常,放出因子(原核細胞ではRF,真核ではeRF)で終了する.放出因子を終結因子ともいう.ヌクレアーゼのmRNA切断やP部位にペプチジル-tRNAが結合しないことではない.UGAとUAGは終止コドンだがAUGは開始コドンで,ペプチド途中のメチオニンのコドンでもある. 35-C.分泌される予定のタンパクはN末端にシグナル配列をもち,リボソーム上で合成されながら粗面小胞体(RER)に結合する.できた分泌タンパクはRERの内腔に入り,開始メチオニンを含むシグナル配列は切取られる.糖鎖はRERまたはゴルジ体で付加される.ゴルジ体から分泌顆粒が出芽し,タンパクはエキソサイトーシスで細胞から分泌される.もしタンパクの疎水配列が膜に埋ったままなら分泌されない.糖鎖がリソソームの受容体に結合すればタンパクはリソソームに残る. 36-C.これらの抗生物質は原核生物のタンパク合成を阻害するので細菌感染の治療に使える.ミトコンドリアリボソーム(原核と同じ70S型)のタンパク合成も阻害するため副作用がある. 37-A.AUGは開始コドンのメチオニン,以下3塩基ずつ配列を読むと,終止コドンのUAA以外すべてフェニルアラニンとなる. 38-C.翻訳開始と最初のペプチド結合形成は影響されてない.したがって,阻害されたのはA,B,Dのプロセスではなく,トランスロケーションと思われる. 39-D.誘導では,調節遺伝子は活性型リプレッサをつくるが誘導物質との結合で不活性化される.誘導物質が遺伝子とRNAポリメラーゼの結合を促進するのではなく,誘導物質はリプレッサと結合しリプレッサをオペレータと結合できなくする.構造遺伝子は同調して発現される.転写産物は単一のポリシストロン性mRNAで,数種の異なるタンパクを産生する. 40-B.cAMPはカタボライト抑制に働く.細菌細胞はグルコースを優先的に代謝する.グルコース濃度が低くなるとcAMPが上昇する.cAMPはCAPタンパクと複合体を形成,この複合体がlacプロモータの近くに結合するとRNAポリメラーゼの結合が促進される.オペロンが発現するためにはラクトースがリプレッサを不活化する必要がある. 41-C.メチル化された遺伝子は,メチル化されない遺伝子より転写されにくい.抗体産生能のあるリンパ球になる細胞では,抗体産生遺伝子を再構成してV-D-J領域を形成し,成熟細胞の抗体となる遺伝子に再編する.赤血球は核をもたずmRNAをつくれない.ポリアデニル化部位はmRNAの3'末端である.ヒストンは遺伝子発現の非特異的抑制物質である. 42-C.グルココルチコイド処理でmRNAの分解速度が変化しなければ,mRNAの増加は転写速度の増加を反映するはずである.しかしmRNAレベルの増加率の方が大きいのでmRNAの安定性が増加した,つまりヌクレアーゼによる分解速度を減少したと考えられる.RNAポリメラーゼIIの活性(転写速度)も翻訳速度(mRNAのリボソームへの結合)も増加している. 43-C.配列はゲル底から上に向かって読む.この領域でCF遺伝子と正常遺伝子の配列は始めの8個まで同じで,正常遺伝子の12〜15番とCF遺伝子の9〜12番が同一である.つまり正常遺伝子の9〜11番に対応するCF遺伝子の配列が削除されている. 44-B.染色体はすべて相同な対をなし,そこでゲノムのすべてのDNA配列は2コピーずつある.子供C2は母親から9 kbの,父親から8.5 kbの制限断片を得ている.このテストによれば,子供C1は母親にも,父親にも遺伝的に関係ない. 45-B.配列Dの3'-TAC-5' が転写されればmRNAの開始コドン5'-AUG-3' となるが,この開始コドンの次の次が終止コドン5'-UAA-3' に転写される.配列AとCを鋳型にしては開始コドンができない.配列Bの5'-CAT-3' を鋳型にすれば開始コドンが転写され,終止コドンはできない. 46-D.逆転写酵素がRNAを鋳型としてDNAをつくる. 47-B.UTPはRNAポリメラーゼの基質である. 48-B.RNAポリメラーゼだけがDNA鎖の合成を開始できる. 49-C.ポリメラーゼや逆転写酵素がDNA鎖やRNA鎖を延長するときはヌクレオシド三リン酸からピロリン酸を生じる.原核DNAリガーゼならば2本のポリヌクレオチド鎖をつなぐときNAD+ を分解して無機ピロリン酸を生じない(真核DNAリガーゼはピロリン酸を生じる). 50-B.hnRNA,mRNAともにキャップ構造をもつが,イントロンを含むのはhnRNA. 51-A.hnRNA,mRNAともにポリ(A)尾部をもつが,hnRNAはイントロンを含み,これが除去されてmRNAになる. 52-B.hnRNAはプロセシングでmRNAになった後,始めて核から細胞質に移行する. 53-C.RNA ポリメラーゼIは大きなrRNA前駆体をつくる.ポリメラーゼIIはhnRNAをつくり,これがmRNAになる.ポリメラーゼIIIはtRNAと5S rRNAをつくる. 54-A.細菌遺伝子は一般にイントロンをもたない. 55-A.イントロンはRNA転写産物hnRNAからスプライシングにより除去される. 56-B.エキソンがタンパクのアミノ酸をコードし,イントロンではない.TGAとTAAはmRNAの終止コドンである. 57-D.ストレプトマイシンは原核生物でmRNAの誤読させ,開始複合体の形成を阻止する. 58-A.リファンピシンは原核生物のRNAポリメラーゼに結合し,転写開始を阻止する. 59-C.エリスロマイシンは原核生物のタンパク合成でトランスロケーションを妨害する. 60-B.5-フルオロウラシルはdUMPのdTMPへの変換を阻害する.チミンヌクレオチドが不足してDNAが合成されないので,この化合物は癌の治療に使われる. 61-E.テトラサイクリンはリボソームのA部位へのアミノアシル-tRNAの結合を阻止する. 62-A.有糸分裂では,紡錘体は細胞周期中最も短い有糸分裂期(M期)に機能する. 63-C.複製はS期に起こる. 64-A.凝集した染色体はM期(有糸分裂期)に顕微鏡で観察できる. 65-B.非分裂期(G0)の肝細胞は細胞周期のG1 期に戻れる. 66-D.子供3はCFである.変異プローブだけがその子供のDNAに結合する. 67-B.子供1は正常である.正常プローブだけがその子供のDNAに結合する. 68-C.子供2はキャリアーである.一方の対立遺伝子は正常,もう一方はCFである. 4 章 1-C.ΔG0'=−RT ln Keq=−(8. 3145 J/K) (298 K) (ln 10) (log Keq)=−5700 log Keq (J) =−1360 log Keq (cal).ここで log Keq =0よりKeq=1と計算できる.[この問題は温度(T) が与えられなくてもKeq=1 と計算できるが,25℃ (T=298 K) における ΔG0' と log Keq の関係式を J (ジュール)単位と cal (カロリー)単位で誘導しておく.] 2-C.Keq=1=[リンゴ酸]/[フマル酸]=X/(20−X),そこで 20−X=X,X=10 (μM) 3-D.TCAサイクルでは3 NADH (3×53=159 kcal),1 FADH2 (41 kcal),1 GTP (8 kcal) がつくられ,(159+41+8=) 208 kcal分がこれら補因子に回収された.酢酸酸化に対する回収率は208/243=0.86=86%. 4-C.TCAサイクルでは約12 ATPがつくられる(12×8=96 kcal).酢酸酸化に対しATPとして回収されるエネルギーの割合は96/243=0.40=40%. 5-B.酵素は化学反応が平衡に達するまでの速度を速めるが,平衡における反応物と生成物の濃度は変えず,したがってKeqは変えない. 6-A.ナイアシン欠乏によるペラグラの症状は英語で4D (diarrhea下痢,dermatitis皮膚炎,dementia精神錯乱,death死) といわれる.他の症状は,チアミン欠乏:脚気,ビタミンC (化学名: アスコルビン酸)欠乏:壊血病,ビタミンD欠乏:くる病. 7-B.TCAサイクルはCO2とオキサロ酢酸を生じ,熱も発生するが,おもな目的ではない.過剰なピルビン酸や脂肪酸を無意味に処理するのではなく,エネルギー生産のため制御下に酸化する.このサイクルのおもな目的は電子をNAD+ とFADに渡してNADHとFADH2 を生じ,電子伝達系の電子の流れと共役してATPを生産することにある. 8-B.イソクエン酸(化合物A)をフマル酸(化合物B)に変換する間に2 CO2,2 NADH (ナイアシン誘導体),1 GTP,1 FADH2がつくられる.これからつくられるATPは約9 (2×3+1+1×2=9)分子である.この変化を触媒する酵素は1酵素を除きすべてミトコンドリアマトリックスに局在し,コハク酸デヒドロゲナーゼだけが内膜にある.GTPはTCAサイクルの反応は一切駆動せず,スクシニル-CoAからコハク酸を生じる反応の生成物である. 9-D.FADはコハク酸をフマル酸に酸化する反応の補因子,NAD+ はリンゴ酸をオキサロ酢酸に酸化する反応の補因子である.ATPは約5個生産される.異性化反応は関与せず,CoAも必要ない.GTPは1ステップ前,スクシニル-CoAからコハク酸を生じる反応で生産される. 10-C.チアミン二リン酸はα-ケトグルタル酸のα-炭素と共有結合中間体を形成する. 11-E.NADHは運動中に減少する(もし増加すればサイクルが減速する).フマラーゼはADPで活性化されない.C4中間体はサイクルで再生し濃度は減少しない.クエン酸シンターゼの生成物阻害はサイクルを減速させる.運動中にTCAサイクルが加速されるのはNADH/NAD+ 比が低下し,イソクエン酸デヒドロゲナーゼ,α-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ,リンゴ酸デヒドロゲナーゼを通して代謝流量が増加するためである. 12-A.α-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼのVmが減ればTCAサイクルの代謝は減速されCO2発生も減る.イソクエン酸デヒドロゲナーゼのKmが増加すればサイクルを回すのに高濃度のイソクエン酸が必要になり,やはり減速する.O2はいつも過剰にあり律速要因ではない.ADPはイソクエン酸デヒドロゲナーゼをアロステリックに活性化するから,ADP濃度が増加すればTCAサイクルによるCO2発生も速くなる. 13-B.ピルビン酸デヒドロゲナーゼはピルビン酸をアセチル-CoAに変える.この酵素は多サブユニット複合体で,ピルビン酸を酸化的に脱炭酸するピルビン酸デヒドロゲナーゼ成分(E1といわれる),アセチル基をCoAに転移するジヒドロリポアミドS-アセチルトランスフェラーゼ(別名: ジヒドロリポイルトランスアセチラーゼ,E2ともいわれる),還元型リポ酸を酸化するジヒドロリポアミドデヒドロゲナーゼ(E3といわれる)の3成分よりなる.チアミン二リン酸,リポ酸,CoA,NAD+,FADが反応の補因子である.さらに,複合体に含まれるキナーゼがピルビン酸デヒドロゲナーゼ成分をリン酸化して不活性化する.アセチル-CoAとNADHはこのキナーゼを活性化してピルビン酸デヒドロゲナーゼを失活させ,ホスファターゼが脱リン酸して再活性化する. 14-A.α-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼだけがチアミン(チアミン二リン酸として)を要求する.ほかにリポ酸,CoASH,FAD,NAD+ も必要. 15-C.パントテン酸は補酵素A (CoA,またはCoASHと略記)の合成に必要.CoAはピルビン酸をアセチル-CoAに変換するピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体の補因子である.アセチル-CoAがTCAサイクルでCO2とH2Oに酸化されるときも,TCAサイクルのα-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼがCoAを必要とする. 16-A.シトクロムは電子だけを受取る.他の電子伝達体(電子キャリアー)は水素イオン(プロトン)と電子を受取る. 17-C.シトクロムcが機能しないと,電子伝達系のシトクロムcとO2 の間の全成分は酸化型にとどまり,シトクロムcより前方(NADH側)の全成分が還元型になる.電子伝達系が働かず,O2 は消費されない.プロトン濃度勾配もつくれず,ATPも生産されない.NADHは再酸化されずTCAサイクルは極端に減速してCO2発生も低下する. 18-D.ATPが加水分解されればADP濃度が上がりATP合成速度が上がる.その結果膜のプロトン濃度勾配(pH勾配)が低下しO2への電子伝達速度が上がる.NADHはより速やかに酸化され,発熱も増加する. 19-D.脱共役剤はミトコンドリア内膜を隔てたプロトン濃度勾配を解消するから,ATPは合成されず,エネルギーは熱として失われる.プロトン濃度勾配が低いので電子伝達速度は加速され,O2消費も増加する.NADHは速やかに再酸化されCO2発生も増加する. 20-C.血流が減りO2供給も減って電子伝達系も減速する.そこでNADH濃度が上がり,TCAサイクルは減速,CO2発生も減る.ATPはADPに変わるが,プロトン濃度勾配が低いので再生されない. 21-C.NAD+ はナイアシンを含む. 22-A.FADはリボフラビンを含む. 23-B.CoAはパントテン酸を含む. 24-A.FMNはリボフラビンを含む. 25-D.ピリドキサルリン酸はビタミンB6 の誘導体である. 26-D.ビタミンAは視覚に働く色素タンパク,ロドプシンの合成に必要. 27-C.ビタミンCはコラーゲン前駆体タンパクのプロリン残基,リシン残基をヒドロキシ化するのに必要.欠陥コラーゲンの生成が壊血病の原因で,歯肉からの出血が特徴である. 28-B.ビタミンDは小腸からのカルシウム取込みと,骨,尿からの再吸収を促進する. 29-A.ビタミンKは血液凝固に必要. 30-B.α-ケトグルタル酸はイソクエン酸をスクシニル-CoAに変える経路の中間体. 31-C.クエン酸はアコニターゼによりイソクエン酸に変わる. 32-A.リンゴ酸はフマル酸の二重結合に水和して生じる. 33-A.リンゴ酸はリンゴ酸デヒドロゲナーゼの作用でオキサロ酢酸に酸化される. 34-D.TCAサイクルでは,コハク酸はGTPを生じる反応でスクシニル-CoAから生成する. 35-C.ピルビン酸デヒドロゲナーゼは,チアミン二リン酸,リポ酸,CoA,FAD,NAD+ (ナイアシン誘導体),の5補因子を必要とする. 36-B.リンゴ酸デヒドロゲナーゼはナイアシン由来のNAD+ を必要とする. 37-D.ピルビン酸カルボキシラーゼの補因子はビオチン. 38-C.α-ケト酸デヒドロゲナーゼはピルビン酸デヒドロゲナーゼと同じ5補因子を必要とする. 39-D.コハク酸デヒドロゲナーゼにはFADが必要. 40-A.イソクエン酸デヒドロゲナーゼはADPでアロステリックに活性化される. 41-A.イソクエン酸デヒドロゲナーゼはイソクエン酸からCO2を放出しα-ケトグルタル酸を生成する. 42-C.イソクエン酸デヒドロゲナーゼとリンゴ酸デヒドロゲナーゼはNADHを生産,これが電子伝達系に電子を渡す. 43-D.イソクエン酸デヒドロゲナーゼもリンゴ酸デヒドロゲナーゼもFADを必要としない. 5 章 1-D.グルコースとガラクトースはC4のヒドロキシ基の立体配置(向き)だけが違うエピマーで,鏡像体ではない.両方ともD-型の単糖アルドヘキソースであって,ケトースではない. 2-E.この糖はスクロースである.グルコースとフルクトースのアノマー炭素同士が結合した二糖なので還元糖ではなく,したがって変旋光を行わない. 3-A.グリコサミノグリカンはヘキソサミンとウロン酸からなる二糖を繰返し単位とする長い線状糖鎖で,硫酸基を含むことも多い.ウロン酸残基と硫酸基のため負電荷を帯びる.枝分かれがなく,N-アセチルノイラミン酸を含まない. 4-D.糖タンパクは分枝オリゴ糖鎖を含む.糖鎖はタンパクのセリン側鎖かトレオニン側鎖のOに糖残基が付加して合成されるか,ドリコールリン酸の上で組立てられた糖鎖がタンパクのアスパラギン側鎖のNに転移してつくられる.正電荷は帯びない.RERかゴルジ体で合成され,細胞外に分泌されるか,細胞膜上にとどまるか,リソソームに取込まれる.最終的にはエンドサイトーシスで細胞に取込まれリソソームの酵素で分解される. 5-C.グリコサミノグリカン(以前はムコ多糖といった)はプロテオグリカンの長い直鎖多糖で,合成後に分泌される.最終的にはエンドサイトーシスで細胞に取込まれリソソームの酵素で分解される.この分解に関わるどのリソソーム酵素が欠損してもムコ多糖症(Hurler's症候群,Hunter's症候群など)になる. 6-E.ケーキに含まれるデンプンはグルコースを生じる,ラクトースはラクターゼによる分解でガラクトースとグルコースを,スクロースはスクラーゼによる分解でフルクトースとグルコースを生じる. 7-A.この患者ではデンプンは唾液や膵液のα-アミラーゼによる消化で小さなオリゴ糖やマルトースに分解されるが,小腸上皮細胞の刷子縁の二糖水解酵素の欠損により,マルターゼ,イソマルターゼ,スクラーゼ,ラクターゼなどの二糖が分解しないため,グルコース産生は健常人よりも少ない.そこで便中のマルトース,スクロース,ラクトースは増加し,血液や組織の単糖が減少する.血中グルコースが低いからインスリンレベルも低くなる. 8-B.フルクトースとグルコースは還元糖テストで陽性だが,グルコースオキシダーゼテスト陰性なのはフルクトースであろう.マルトースとラクトースも還元糖だが,二糖だから酸加水分解で還元糖量は2倍になるはずである.ソルビトールはアルデヒドやケトンをもたず還元糖ではない.この幼児はおそらく良性のフルクトース尿症か,危険なフルクトース不耐性であろう.ガラクトースオキシダーゼテストをすれば,問題の糖がガラクトースの可能性を調べられる. 9-B.ホスホリラーゼはα-1,4結合のグルコース残基からグルコース1-リン酸を生成する.遊離のグルコースは分岐点のα-1,6結合グルコースからα-1,6-グルコシダーゼによりつくられる.グリコーゲンの分解ではグルコース1-リン酸とグルコースが約10:1の割合で生成する. 10-C.グルカゴンは肝細胞内の,エピネフリンは肝細胞と筋細胞内のcAMP上昇を起こしてプロテインキナーゼAを活性化,これがホスホリラーゼキナーゼをリン酸化して活性化し,その結果ホスホリラーゼがリン酸化で活性化される.リン酸化にはATPが必要である. 11-D.絶食後,分枝が短くなった以上,ホスホリラーゼはグルカゴンで正常に活性化されたはずであり,分枝がある以上,分岐酵素(4:6トランスフェラーゼ)も正常である.多量のグリコーゲンが合成され貯蔵されたのだからグリコゲニンも存在していたはずである.もし脱分岐酵素(例えばα-1,6-グルコシダーゼ)が欠損すれば,ホスホリラーゼは分岐点までグリコーゲンを切断し,枝を切れず短い分枝が残る.短い分岐が1グルコース単位ならば欠陥酵素はα-1,6-グルコシダーゼ,もし4グルコース単位ならば欠陥は4:4 トランスフェラーゼである. 12-C.この患者は筋グリコーゲンホスホリラーゼ欠損によるグリコーゲン貯蔵病のMcArdle病である.患者は筋収縮のエネルギーを生み出すためのグリコーゲン分解ができないから,健常人に比べて急激に疲労し,筋グリコーゲンレベルは高くて血中乳酸は低くなる.エネルギーはおもに血中グルコースを消費して産生するのでグルコース濃度は低くなる. 13-C.解糖反応はすべてサイトゾルで起こる. 14-A.C1位のカルボン酸がリン酸と反応し,H2Oを失って酸無水物をつくる.解糖の次のステップでこの結合は切れ,ADPにリン酸基を与えてATPをつくるに十分なエネルギーをもつ. 15-A.ジヒドロキシアセトンリン酸(化合物I)はグリセルアルデヒド 3-リン酸に異性化後,一連の反応でピルビン酸(化合物II)に変わる.その一つ,グリセルアルデヒド 3-リン酸デヒドロゲナーゼの反応では基質1分子あたり1個の無機リン酸が取込まれる.1分子のピルビン酸ができるまでにATP 2分子が産生され,ホスファターゼは必要ない. 16-A.肝臓ではグルコキナーゼがグルコースをグルコース6-リン酸に変える.ホスホフルクトキナーゼ-1はフルクトース 6-リン酸をフルクトース1,6-ビスリン酸に変える.解糖ではグルコース1分子から各2分子のピルビン酸とNADHを生じ,炭素はCO2として失われない. 17-A.解糖では1モルのグルコースをグルコース6-リン酸に変えるのと,フルクトース6-リン酸をフルクトース1,6-ビスリン酸に変えるのに,各1分子,合計2分子のATPを使う.フルクトース1,6-ビスリン酸の切断で2分子のトリオースリン酸がつくられ,おのおのがピルビン酸になるまでに,ホスホグリセリン酸キナーゼとピルビン酸キナーゼのステップでそれぞれ1分子のATPを生産する.合計4分子のATPができるが,使用した分を差引いて正味2分子のATPが得られる.ピルビン酸キナーゼが完全に欠損すれば, ATP生産量は2分子少ないから正味0となる.この酵素が完全に欠損していては胚は生存できまい. 18-C.ホスホフルクトキナーゼ-1はAMPとフルクトース2,6-ビスリン酸により活性化される.ATPとクエン酸では阻害され,アセチル-CoAとADPでは直接の影響を受けない.肝臓ではフルクトース2,6-ビスリン酸が主要な活性剤である. 19-B.ヘキソキナーゼはその産物であるグルコース6-リン酸により阻害される.PFK-1はAMPとフルクトース2,6-ビスリン酸(F-2,6-P)で活性化される.F-2,6-Pはグルコキナーゼを阻害しない.アルドラーゼはその基質フルクトース1,6ビスリン酸で阻害されず.ピルビン酸キナーゼはグルカゴンが仲介するリン酸化により不活性化される. 20-D.化合物(A)〜(D)はすべてピルビン酸より生産できるが,NADH高濃度NAD+ 低濃度ではピルビン酸が乳酸デヒドロキナーゼにより乳酸に還元され,飲酒で乳酸アシドーシスが進む. 21-D.cAMPを分解するホスホジエステラーゼが阻害されcAMPレベルが上昇すると,肝臓と筋肉のプロテインキナーゼAが活性化し,ピルビン酸キナーゼは不活性化,グリコーゲンシンターゼ活性は減少する. 22-D.糖新生の起こる条件では,グルコキナーゼ,ホスホフルクトキナーゼ1,ピルビン酸キナーゼは不活性化され無益サイクルは起きない.解糖,糖新生ともに働くのはアルドラーゼの肝アイソザイム,アルドラーゼBである. 23-A.ミトコンドリアで二酸化炭素がピルビン酸に付加してオキサロ酢酸(OAA)をつくる.この反応を触媒する酵素,ピルビン酸カルボキシラーゼはビオチンとATPを必要とする.OAAはリンゴ酸やアスパラギン酸に変化してミトコンドリアからサイトゾルに移りOAAに戻る.OAAはGTPを使ってホスホエノールピルビン酸に変わるとき,ミトコンドリアで付加した二酸化炭素を放出する.反応の残りはサイトゾルで行われる. 24-D.アラニンはアミノ転移で,乳酸はNAD+ による酸化で,ピルビン酸になる.他の化合物はアラニンまたは乳酸から1反応ではつくれない. 25-D.この中で共通の中間体はグルコース6-リン酸だけである.グリセロールはジヒドロキシアセトンリン酸として糖新生に入るので,他の化合物を経由しない. 26-A.ピルビン酸はミトコンドリアでリンゴ酸に変わってミトコンドリア内膜を通りサイトゾルに出る.オキサロ酢酸とアセチル-CoAは内膜を通れない.乳酸はサイトゾルでピルビン酸から生じ,糖新生ではその逆が起こる.グルタミンはピルビン酸からつくられない. 27-E.エタノール代謝でNADH濃度が高くなってもグリコーゲン分解は阻害されず,糖新生が阻害されて貯蔵グリコーゲンは急激に枯渇する.アラニンはアミノ転移でピルビン酸になるがNADH濃度が高くてピルビン酸/乳酸の平衡が乳酸側に傾き,ピルビン酸を経る糖新生は妨害される.乳酸濃度が上昇して乳酸アシドーシスとなる.グリセロールは,正常ならばグリセロール3-リン酸からジヒドロキシアセトンリン酸に酸化され糖新生経路に入るが,NADH高濃度のため酸化が妨害される.したがって糖新生の主な3前駆体(アラニン,グリセロール,乳酸塩)からグルコースはつくれず,貯蔵グリコーゲンが枯渇して低血糖症となる. 28-B.フルクトースは肝臓でリン酸化されフルクトース1-リン酸を生じ,アルドラーゼBによる切断で,ジヒドロキシアセトンリン酸とグリセルアルデヒドになる. 29-D.スクロースはスクラーゼで加水分解されるから大便には排泄されない.フルクトースは正常に代謝されないので,血中や尿中で上昇する.フルクトース1-リン酸が欠陥アルドラーゼBで切断されないので肝細胞内レベルが上昇し,グリセルアルデヒドは生成しない. 30-A.ガラクトースはガラクトキナーゼによるリン酸化でガラクトース1-リン酸となり,ウリジルトランスフェラーゼによりUDPグルコースと反応してUDPガラクトースとグルコース1-リン酸をつくる.エピメラーゼがUDPガラクトースをUDPグルコースに変える.ホスホグルコムターゼはグルコース1-リン酸とグルコース6-リン酸の相互変換を触媒する.ヘキソキナーゼはグルコースをグルコース6-リン酸にする.ガラクトース1-リン酸濃度が低く,ガラクトースとガラクチトール濃度が高いのはガラクトキナーゼの欠陥である. 31-B.UDPガラクトースとグルコースの反応でラクトースができるのは乳腺細胞のみ,乳腺のα-ラクトアルブミンがガラクトシルトランスフェラーゼの性質を修飾しグルコースに対するKmを下げるからである.グルコースはUDPグルコースを経てエピマー化され,ラクトース合成に必要なUDPガラクトースを形成するから,食餌のガラクトースは必要ない. 32-C.彼女はラクトースを合成できるから授乳は可能.純粋ガラクトースやラクトースを食べる必要もない.グルコース→グルコース6-リン酸→グルコース1-リン酸→UDPグルコース→UDPガラクトースの反応で生じるUDPガラクトースがグルコースとの反応でラクトースをつくる.α-ラクトアルブミンはガラクトシルトランスフェラーゼがラクトース合成反応を触媒できるように基質特異性を修飾するタンパクである. 33-B.ウリジルトランスフェラーゼ欠損(古典的ガラクトース血症)の人はガラクトースをリン酸化できるが,UDPグルコースとガラクトース1-リン酸を反応させ,UDPガラクトースとグルコース1-リン酸を生成できない.そこで,彼女はガラクトースをUDPガラクトース,肝グリコーゲンや血中グルコースへ変換できない.もし彼女がガラクトースやラクトースを消費すれば,細胞内ガラクトース1-リン酸や血中ガラクトースは上昇する. 34-B.ペントースリン酸経路の最初の3反応で,グルコースはリブロース5-リン酸と二酸化炭素に不可逆に変わりNADPHを生産する.リボース5-リン酸とキシルロース5-リン酸はリブロース5-リン酸から非酸化反応でつくられる.リボース5-リン酸はATPなどのヌクレオチドを合成するのに使われる.トランスケトラーゼやトランスアルドラーゼにより解糖系中間体のフルクトース6-リン酸やグリセルアルデヒド3-リン酸をつくる.ヒトではグルコースは糖新生でつくられる. 35-D.トランスケトラーゼは補因子としてチアミン二リン酸が必要なので活性が低い.他の酵素はNADP+ を必要とする二つのデヒドロゲナーゼを除けば,補因子を必要としない. 36-D.インスリンはグルコースの筋肉や脂肪細胞への取込みを促進する.脳,肝臓や赤血球細胞では促進しない. 37-D.絶食12時間後に肝臓の貯蔵グリコーゲンはなお十分ある.グルカゴンが分泌され,アデニル酸シクラーゼが活性化してcAMPができるとプロテインキナーゼを活性化し,ホスホリラーゼキナーゼ,ピルビン酸キナーゼ,グリコーゲンシンターゼをリン酸化する.その結果ホスホリラーゼが活性化されてグリコーゲン分解が進み,グリコーゲンシンターゼとピルビン酸キナーゼは不活性化される.糖新生は絶食18〜20時間後まで血中グルコースを維持する主要プロセスとはならない.肝グリコーゲンは約30時間後に枯渇する. 38-A.グルコース摂取のあと,グリコーゲンシンターゼはホスファターゼにより脱リン酸されて活性化される.ホスホリラーゼa/ホスホリラーゼb比はホスファターゼにより減少しグリコーゲン分解は減少する.赤血球はグルコースを使い続け通常の速度で乳酸を生じる. 39-A.グルコース-6-ホスファターゼが欠損すると糖原病(グリコーゲン貯蔵病のvon Gierke病)になる.肝グリコーゲンや糖新生前駆体(アラニンとグリセロール)からグルコースをつくる最終ステップ(グルコース6-リン酸→グルコース)の酵素欠損で血中グルコースを維持できない.筋肉にはもともとグルコース-6-ホスファターゼがないから筋グリコーゲンは血中グルコースを維持しない. 40-B.インスリンは筋肉や脂肪細胞へのグルコース輸送や,肝臓でのグルコースからのグリコーゲン合成やトリアシルグリセロール合成を促進して血中グルコースを減らす.ケトン体は血中グルコースからはつくられない.絶食時の肝臓がケトン体をつくるときは,グルコースもつくる.ケトン体合成の炭素は脂肪酸に由来する.インスリンはグリコーゲン合成を促進し,グリコーゲン分解は促進しない.筋グリコーゲンは血中グルコースに変わらない. 41-A.ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼはオキサロ酢酸をホスホエノールピルビン酸に変える酵素である.アラニンと乳酸はこの酵素によりホスホエノールピルビン酸を経てグルコースになるが,グリセロールはそれ以降のステップで糖新生に合流する.脂肪酸酸化で生じるアセチル-CoAはグルコースに変換されない. 42-A.高炭水化物食をとって2〜3時間後では,患者のグリコーゲン貯蔵は十分なレベルで,グルカゴンはグリコーゲン分解を促進し血中グルコース濃度は上昇する. 43-C.食後30時間では,ふつうは肝グリコーゲンは枯渇し,血中グルコースは糖新生で維持されている.しかし糖新生の鍵をにぎる酵素がエンドトキシンで阻害されているので,糖新生は正常な速度で起きず,貯蔵グリコーゲンはふつう以上に欠乏している.絶食30時間後にグルカゴンを投与しても,血中グルコースレベルに顕著な変化はない. 44-B.メアリー・スミスの現在の血中グルコースレベルは正常レベル(80〜100mg/dL)より高い.彼女のHbA1cが正常値6%を超えていることは,過去6週間にわたって血糖値が高すぎた証拠で,彼女の血糖値コントロールは現時点も過去6週間もよくなかった. 45-B.ホスホリラーゼキナーゼはホスホリラーゼbをリン酸化し活性の高いホスホリラーゼaに変換,グリコーゲンをグルコース1-リン酸に分解する. 46-A.グリコーゲンシンターゼはcAMP依存プロテインキナーゼ(プロテインキナーゼA)によりリン酸化され,不活性型になる. 47-C.グルカゴンは細胞膜表面の受容体に結合し,グルカゴン-受容体複合体はGタンパクを刺激,細胞膜内面のアデニル酸シクラーゼを活性化して,ATPをcAMPに変える. 48-A.cAMP依存プロテインキナーゼ(プロテインキナーゼA)はホスホリラーゼキナーゼをリン酸化し,活性化する. 49-A.A,BともにNADPHをつくるが,Aのみ6-ホスホグルコノラクトンをつくる. 50-B.6-ホスホグルコン酸の酸化的脱炭酸でリブロース 5-リン酸,NADPH,CO2 ができる. 51-D.トランスアルドラーゼ,トランスケトラーゼともにグリセルアルデヒド3-リン酸をつくるが,チアミン二リン酸を必要とするのはトランスケトラーゼのみ. 52-C.ピルビン酸デヒドロゲナーゼはNADHとアセチル-CoAにより阻害される. 53-C.ピルビン酸デヒドロゲナーゼはチアミン二リン酸を必要とする. 54-E.ピルビン酸カルボキシラーゼはアセチル-CoAにより活性化される. 55-E.ピルビン酸カルボキシラーゼはビオチン,CO2,ATPを必要とする. 56-D.アラニンアミノトランスフェラーゼ(トランスアミナーゼ)はピリドキサルリン酸を必要とする. 57-A.ピルビン酸キナーゼはプロテインキナーゼAで不活性化される.ピルビン酸デヒドロゲナーゼもリン酸化で不活性化するが,酵素複合体のサブユニットにあるキナーゼによる. 58-B.NADH濃度が高いと,乳酸デヒドロゲナーゼはピルビン酸を乳酸に変える. 59-A.食餌グルコースは食後2時間,血中グルコースを供給する. 60-B.食後4時間,糖の消化と吸収は完了し,肝グリコーゲンが血中グルコースを供給する. 61-C.食後2日間,肝グリコーゲンは枯渇し糖新生が血中グルコースの唯一の源である. 62-C.絶食後6週間,糖新生はなお,血中グルコース供給の主要プロセスである. 63-D.ラクターゼが欠損するとラクトース不耐症となり,ラクトースを摂取すると,ガス発生,膨張,下痢の症状を示す. 64-B.グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼが欠損するとペントースリン酸経路がブロックされ,適正なNADPH濃度を保てず,溶血性貧血となる.NADPHは細胞の酸化的障害を予防するグルタチオンの還元に必要である. 65-A.非古型的ガラクトース血症はガラクトキナーゼの欠損で起こる.ガラクトースが蓄積してガラクチトールを形成し,白内障になる. 66-C.アルドラーゼBの欠損がフルクトース不耐症の原因である.フルクトース1-リン酸の開裂反応が起こらず蓄積し,低血糖症となる.アルドラーゼBにる解糖反応は影響されない. 67-E.McArdle病では,筋グリコーゲンホスホリラーゼに欠陥がある.筋グリコーゲンが分解しないため,激しい運動ができない. 68-A.古型的ガラクトース血症では,ウリジルトランスフェラーゼに欠損がある.ガラクトースを摂取するとガラクトース,ガラクチトール,ガラクトース1-リン酸が蓄積する.白内障と低血糖症になる. 6 章 1-C.肝臓で合成され,胆嚢より分泌される胆汁酸塩は食物由来のトリアシルグリセロールを乳化する.トリアシルグリセロールは膵リパーゼによるエステル結合の加水分解で,脂肪酸と2-モノアシルグリセロールを生成.これらの生成物は小腸の上皮細胞により吸収され,(グリセロール3-リン酸を必要としない経路により)トリアシルグリセロールに再変換され,キロミクロンとしてリンパ管に分泌される(VLDLは肝臓でつくられる). 2-C.膵臓は胃酸を中和する炭酸水素塩と消化酵素(食物由来の脂質を分解するリパーゼを含む)を生成する.炭酸水素塩の分泌が低下すれば小腸のpHは下がる.膵リパーゼ濃度が下がれば食物由来トリグリセロールの消化も低下し,胆汁酸塩ミセルの形成も減少する.小腸細胞はキロミクロン形成の基質を失い,脂溶性ビタミンの吸収も下がる.多くの食物由来脂質は糞便に排泄される. 3-C.アセチル-CoAカルボキシラーゼ反応は,基質のアセチル-CoAにCO2を付加して(カルボキシル化反応)マロニル-CoAを生成する酵素で,ビオチンを必要とする.この反応はサイトゾルで起こる.マロニル-CoAは脂肪酸合成酵素複合体上で脂肪酸鎖の延長のため2炭素を供給する.脂肪酸鎖が延長するとき,マロニル-CoAは脱炭酸される. 4-B.グルコースからの脂肪酸の合成はサイトゾルで起こるが,ピルビン酸からクエン酸への変換だけはミトコンドリアで起こる.ビオチンはピルビン酸をオキサロ酢酸に変える反応と,アセチル-CoAカルボキシラーゼ反応に必要である.オキサロ酢酸はアセチル-CoAと結合してクエン酸を生成する.イソクエン酸ではなくクエン酸はアセチル-CoAカルボキシラーゼを調節し,阻害でなく活性化する.パントテン酸はホスホパンテテイニル残基の一部として脂肪酸シンターゼ複合体に共有結合している.この複合体による還元反応中,成長する脂肪酸鎖はこの残基に結合する.ペントースリン酸経路だけでなくリンゴ酸酵素もNADPHを生成する. 5-A.脂肪酸シンターゼ複合体による反応の生成物は16炭素の飽和脂肪酸,パルミチン酸(16:0)であるが,別酵素系により2炭素の延長でステアリン酸(18:0)を生成するか,パルミトレイン酸(16:1,Δ9)生成のため酸化される.ステアリン酸はオレイン酸(18:1,Δ9)に酸化される.アラキドン酸(20:4,Δ5,8,11,14)は必須脂肪酸のリノール酸(18:2,Δ9,12)から合成され,パルミチン酸からは合成されない.肝臓で合成される脂肪酸はトリアシルグリセロールに変換され,超低密度リポタンパク(VLDL)に取込まれて血中に分泌される.LDLではない. 6-C.肝臓では,2分子のアシル-CoAがグリセロール3-リン酸と反応し,ホスファチジン酸を生成,その加水分解で無機リン酸を遊離し,ジアシルグリセロールを生成する.ジアシルグリセロールはアシル-CoAと反応し,トリアシルグリセロールを生成する. 7-A.リポプロテインリパーゼの働きでキロミクロンとVLDLのトリアシルグリセロールから遊離される脂肪酸は脂肪細胞に入り,補酵素A(CoA)と反応してアシル-CoAを生成する.グルコースはジヒドロキシアセトンリン酸を経てグリセロール3-リン酸に変わり,アシル-CoAとの反応でホスファチジン酸を生成する(脂肪組織にはグリセロールキナーゼがないので,グリセロールを使えない).ホスファチジン酸の加水分解で無機リン酸がとれ,残りのジアシルグリセロールに他のアシル-CoAが反応し,トリアシルグリセロールを生成して脂肪細胞に貯蔵される(2-モノアシルグリセロールは小腸細胞でのみ中間体となる). 8-B.血中リポタンパクの中で,キロミクロンはトリアシルグリセロールを最も多く含み,最も軽い.VLDLはキロミクロンよりタンパクが多く,キロミクロンより重い.LDLはVLDLのトリアシルグリセロールが分解して生成されるので,VLDLより重い.HDLはタンパク含量が最も多く,トリアシルグリセロールが最も少ない.したがって最も重い. 9-B.ケトン体でなくコレステロール合成で,HMG-CoAはNADPH + H+ によりメバロン酸に還元される.酵素のHMG-CoAレダクターゼは高度に調節され,コレステロールと胆汁酸塩により阻害され,インスリンにより誘導される.メバロン酸はイソペンテニルピロリン酸に変換され,コレステロール(とその誘導体),ユビキノン,ドリコール,1,25-ジヒドロキシコレカルシフェロール,およびゲラニル基あるいはファルネシル基をもつ化合物の合成のためのイソプレン単位を供給する. 10-E.スタチンといわれる一群の薬(例えば,ロバスタチン)は,コレステロール合成の鍵となる調節酵素,HMG-CoAレダクターゼを阻害して血中コレステロールレベルを低下する. 11-A.この化合物は胆汁酸塩のグリココール酸である.合成のときコレステロール環はヒドロキシ化と還元を受け,側鎖はカルボン酸に酸化されグリシンと抱合する.コレステロールはステロイドホルモンにもなるが,これは違う.ビタミンD3の合成ではコレステロールは開環する.コレステリルエステルには3位のヒドロキシ基と脂肪酸のエステル結合がある. 12-C.コレステロールが胆汁酸塩へ変わるとき,C8位ではなくC7位がヒドロキシ化される.コール酸では,C12位もヒドロキシ化される.ヒドロキシ基の立体配置はC3位も含めてコール酸のOH基はすべてα-型である.二重結合は還元され,側鎖は酸化されてグリシンまたはタウリンと抱合する. 13-B.タウロコール酸はこの中でpKa =2と最も酸性が強い.pH 3でタウロコール酸の−1価型イオンと無電荷型分子の比は約10:1である. 14-A.腸内細菌は胆汁酸塩を脱抱合,脱ヒドロキシして二次胆汁酸塩にする.したがって胆汁酸塩は水に不溶になり界面活性剤としての働きが落ちるため容易に吸収されず,肝臓で再利用されずに糞便に排泄されやすい.ミセル形成は減少し食物由来の脂質(脂溶性ビタミンを含む)は吸収されにくくなる.胆汁酸塩の肝臓への戻りが少なくなれば胆汁酸塩の合成が増える.胆汁酸塩は自身の合成に関与する7α-ヒドロキシラーゼを阻害する.しかし食餌成分によっては胆汁酸合成が増えないかもしれない. 15-D.ロバスタチンはHMG-CoAレダクターゼの阻害剤で,コレステロール合成速度を減少させる.細胞内コレステロール濃度が低下し,コレステロールを貯蔵するためコレステリルエステルに変えるACAT反応が減少し,LDL受容体の産生を増加させる.受容体数が増加すれば多量のLDLが細胞に取込まれリソソームで分解され,血中コレステロール濃度は減少する.血中トリアシルグリセロール濃度も減少するが,LDLのトリアシルグリセロール含量は少ないので顕著ではない. 16-B.HDLは肝臓で生成され,リポプロテインリパーゼを活性化するアポリポタンパクCIIをキロミクロンとVLDLに輸送する.HDLは細胞膜からコレステロールを取上げLCAT反応でコレステリルエステルに変え,コレステリルエステル輸送タンパク(CETP)により他のリポタンパクに輸送する.最終的に,これらのリポタンパクとHDLはエンドサイトーシスで肝細胞に取込まれリソソームの酵素で消化される.ホルモン感受性リパーゼは脂肪細胞に貯蔵されたトリグリセロールを分解する. 17-B.VLDLは主に食餌の糖から生成し,VLDLからLDL,食餌のトリアシルグリセロールからキロミクロンが生成する.HDL濃度の上昇は望ましいもので,脂質障害とは考えない. 18-A.血中リポタンパクのうち,LDLはコレステロール濃度が最も高く,トリアシルグリセロール濃度が最も低い.LDLのエンドサイトーシスによる取込みが減って血中LDL濃度が上がれば,血中コレステロール値は上がるがトリアシルグリセロール値は比較的正常である.VLDL生成能の上昇,キロミクロンのトリアシルグリセロール分解能低下,またはVLDLをIDLへ変える能力の低下はすべてトリアシルグリセロール濃度を上昇させる.HDLはコレステロールを末梢細胞から肝臓へ輸送するから, HDL濃度が高けばコレステロール値は低くなる. 19-A.キロミクロンは食餌の脂肪に由来するので,血中で最も増加するのはこれであろう.VLDLは食餌の糖などの要因に依存するので,高脂肪食で増えるとはかぎらない.LDLはVLDLに由来する.高脂肪食餌でHDL濃度が上がるとは思えない.コレステロールは食餌の動物性脂肪にも含まれるから,コレステロール濃度も増加していると思われる. 20-C.絶食中,脂肪組織のホルモン感受性リパーゼはグルカゴン上昇(インスリン減少)に応答し,cAMPとプロテインキナーゼAの関与する機構で活性化される.トリアシルグリセロールは分解され脂肪酸とグリセロールが血中に放出される.肝臓では,グリセロールからグルコースが,脂肪酸からケトン体がつくられる.これらの燃料分子は血中に放出され,いろいろな組織のエネルギー源になる.絶食中,肝臓は十分量のVLDLを産生しない. 21-C.脂肪酸は極めて水に不溶で,血清アルブミンにより血液中を輸送される.脂肪酸は細胞膜を通り,CoASHとATPによりアシル-CoAに変換されるときATPはAMPに変わるので脂肪酸の活性化は2 ATPを使うのに相当する.脂肪酸はカルニチン輸送システムを介してミトコンドリア膜を通る.この過程の鍵となる酵素カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼIは,脂肪酸合成中マロニル-CoAにより阻害される.ミトコンドリアで脂肪酸はCO2とH2Oに酸化されるが,赤血球にはミトコンドリアがないから脂肪は酸化されない. 22-A.β酸化では,脂肪酸アシル-CoAのα炭素とβ炭素との間に二重結合が形成されFADはFADH2 に還元される.この二重結合に水が付加してβ-OH (3-OH)が生じ,β炭素(C3位)のヒドロキシ基がケト基に酸化されるときNAD+ はNADH + H+ に変わる.最後に,チオラーゼによる開裂で1分子のアセチル-CoAを遊離する.このアセチル基は2炭素原子をもつ. 23-C.この14炭素脂肪酸が飽和脂肪酸ならば6回のβ酸化で6 FADH2+6 (NADH + H+ )+7 アセチル-CoAを産生する.FADH2は2個,NADHは3個,アセチル-CoAはTCAサイクルで12個のATPを生産するから6×2+6×3+7×12=114 ATPを生成するはずである.しかしは脂肪酸の活性化に2 ATP必要なのと,二重結合1個の不飽和脂肪酸でFADH2 の生成が1個少ないので,正味のATP産生は114−2−1×2,約110分子である. 24-D.ケトン体は肝臓で血液由来の脂肪酸から合成される.サイトゾルにおける脂肪酸の活性化ではATPはAMPに変わる.カルニチンは脂肪酸のアシル基がミトコンドリア膜を透過するのに必要で,脂肪酸自身の膜透過ではない.ミトコンドリアで脂肪酸は酸化されてアセチル-CoAとアセトアセチル-CoAを生じ,両者の反応でHMG-CoAができる.HMG-CoAはHMG-CoAリアーゼによる分解でアセチル-CoAとケトン体のアセト酢酸になる. 25-B.この化合物のアセト酢酸は血中インスリンレベルが低い絶食時,肝臓で合成される.HMG-CoAシンターゼは合成の鍵となる酵素で,酸化する酵素ではない.アセト酢酸は筋肉などの組織に輸送され,(ATPではなく)スクシニル-CoAで活性化されアセトアセチル-CoAになる.この分子は2分子のアセチル-CoAに分解され,TCAサイクルで酸化される.TCAサイクルでは,α-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼの補酵素であるチアミン二リン酸が要求され,ビオチンは要求されない. 26-D.β-ヒドロキシ酪酸がアセト酢酸に酸化されるときに生じるNADHから3 ATPが生じる.アセト酢酸をアセトアセチル-CoAに変換するスクシニル-CoAシンテターゼ(コハク酸チオキナーゼ)反応でスクシニル-CoAを消費しGTPの生産と共役しないので,1 ATP相当の損失がある.2分子のアセチル-CoAはTCAサイクルで24 ATPを生産する.以上を総計して3−1+24=26 分子のATPが産生される. 27-B.一晩絶食した後,脂肪組織から遊離される脂肪酸が他組織のエネルギー源となる.肝臓ではβ酸化でアセチル-CoAをつくりケトン体(アセト酢酸と3-ヒドロキシ酪酸)合成の原料とする.カルニチンはβ酸化とケトン体合成のため脂肪酸をミトコンドリアに輸送するのに必要だから,カルニチン欠損で血中脂肪酸濃度は上昇しケトン体は減少する.その結果,身体はエネルギー源としてグルコースを使うので,グルコ−ス量は減少する. 28-C.サイトゾルで脂肪酸を合成するときマロニル-CoAを生じ,マロニル-CoAがカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼIを阻害する.この酵素は脂肪酸のアシル基をミトコンドリア(β酸化が起こる)に輸送するプロセスに関与している. 29-D.インスリン濃度が減少すると脂肪酸合成は減少し,クルガゴン濃度が上昇する.脂肪組織のトリアシルグリセロールは分解され,脂肪酸が遊離する.遊離脂肪酸は肝臓でケトン体に変わりケトーシスになる.アセト酢酸の非酵素的脱炭酸で生じるアセトンが糖尿病性ケトーシスに伴う臭いの原因となる. 30-C.リン脂質は膜の重要な構成成分である.その他,血中リポタンパクと肺のサルファクタント(界面活性剤)にも存在する.リン脂質は両親媒性物質でエネルギー貯蔵には関与せず,脂質と水の界面にある.リン脂質は負荷電したリン酸基をもち,また生理的pHで正荷電したコリンまたはエタノールアミン,または正荷電と負荷電のあるセリン残基をもつので水に可溶である. 31-D.CDPコリンはジアシルグリセロールと反応しホスファチジルコリンを生成する.UDPガラクトースはセラミドと反応しガラクトセレブロシドを生成する.シトシンヌクレオチドはホスファチジン酸やセラミドの合成には必要ない. 32-C.パルミトイル-CoAとセリンの反応で生じるセラミドの前駆体とアシル-CoAの反応でアミドを生成,これがセラミドに変換される.セラミドはグリセロール部分をもたない.セラミドはホスホコリン残基を付加してスフィンゴミエリンを生じ,UDP糖との反応でセレブロシド,UDP糖やCMP-NANAとの反応でガングリオシドになる. 33-D.ガングリオシドの蓄積は合成の増加ではなく,リソソームによる分解の減少に起因する.ホスホリパーゼA2 は細胞膜リン脂質のC2位の脂肪酸を遊離する酵素で,リソソームの酵素ではない. 34-D.呼吸逼迫症候群は肺のサルファクタント(界面活性剤)の欠損が原因である.肺のサルファクタントは主にジパルミトイルホスファチジルコリンから成る. 35-C.プロスタグランジンはアラキドン酸から合成され,アラキドン酸は必須脂肪酸のリノール酸から合成される.グルコース,アセチル-CoA,オレイン酸からは合成されない.ロイコトリエンはアラキドン酸から誘導される物質で,前駆体ではない. 36-D.プロスタングンラジンは炭素原子20個と,3〜5個の二重結合をもつ多不飽和脂肪酸から合成される.この前駆体脂肪酸をシクロオキシゲナーゼが5員環をもつ化合物に変える.続いて,種々のケト基やヒドロキシ基をもつ一連のプロスタグランジンが生成する. 37-A.アラキドン酸はリノール酸(必須脂肪酸)から一連の延長と不飽和化反応で生成する.アラキドン酸は膜リン脂質に貯蔵され,遊離されるとシクロオキシゲナーゼにより酸化される.このプロセスがアスピリンで阻害される.続いてプロスタグランジン,プロスタサイクリン,トロンボキサンなどが合成される.アラキドン酸からのロイコトリエン合成にはシクロオキシゲナーゼではなく,リポキシゲナーゼを必要とする. 38-D.食餌由来のトリアシルグリセロールのC1位に結合するパルミチン酸残基は,膵リパーゼにより遊離され,小腸管腔から腸管上皮細胞に胆汁酸塩ミセルとして運ばれる. 39-B.パルミチン酸は小腸細胞に吸収され,トリアシルグリセロールに合成される.トリアシルグリセロールはできたてのキロミクロンに取込まれ,リンパ管を経て血中に分泌される. 40-B.パルミチン酸を含むキロミクロンはHDLからタンパクを受け取ることにより,血中で成熟し,脂肪細胞に運ばれる. 41-C.キロミクロンのトリアシルグリセロールはリポプロテインリパーゼで分解され,パルミチン酸は脂肪細胞に入ってトリアシルグリセロールとして貯蔵される.貯蔵トリアシルグリセロールからパルミチン酸が遊離すれば,アルブミンと複合体を形成して血液で筋細胞に運ばれ,酸化される. 42-B.アセト酢酸などのケトン体は,飢餓状態が長びくと脳で酸化される. 43-C.ほとんどの細胞はコレステロールを生成する. 44-D.肝臓から分泌される胆汁酸塩の95%は腸管から肝臓に戻る. 45-B.絶食時,肝臓はアセト酢酸などのケトン体を合成する. 46-B.膵臓のリパーゼは2-モノアシルグリセロールを生成する. 47-A.毛細血管壁の細胞膜に結合しているリポプロテインリパーゼは,キロミクロンやVLDLのトリアシルグリセロールを分解する. 48-C.ホルモン感受性リパーゼは,cAMPに応答してプロテインキナーゼA反応によりリン酸化され,活性化される. 49-B.嚢胞性線維症は塩化物チャネルを形成するタンパクの遺伝的欠損の結果起こり,分泌能の低下が特徴である.膵臓からの分泌が阻害される結果,食物は適切に消化されない. 50-C.膵リパーゼが欠損すると腸管から脂肪の消化吸収が減少し,リポプロテインリパーゼが欠損したとき脂肪組織への脂肪の沈着が減少する.ホルモン感受性リパーゼの欠損では,脂肪組織からトリアシルグリセロールを動員する能力が低下し,貯蔵脂肪が増加する. 51-D.グルココルチコイドはホスホリパーゼA2を阻害し,エイコサノイド合成に必要なアラキドン酸を遊離させない.ロイコトリエンには気管支狭窄を起こすものがあり,その合成を阻害することで喘息の症状を軽減できる. 52-A.脂肪組織によるリポプロテインリパーゼ(LPL)の合成と毛細血管への分泌はインスリンにより刺激される.インスリンを生成せず治療もしないI型 糖尿病患者,あるいはインスリン抵抗性(不感性)のII型糖尿病患者では,キロミクロンやVLDLのトリアシルグリセロールに働くLPL量は少ない.インスリンが減少すると脂肪細胞のホルモン感受性リパーゼが活性化されるため,遊離された脂肪酸とグリセロールは肝臓に移送されVLDLを生成する.したがって,糖尿病ではVLDLやキロミクロン値が高くなる(高脂血症). 7 章 1-A.トリプシンは膵キモトリプシノゲンを活性型キモトリプシンに,プロカルボキシペプチダーゼを活性型カルボキシペプチダーゼに変え,トリプシノゲンからのトリプシン自身への自己触媒的活性化も行う(エンテロロペプチダーゼもトリプシノゲンをトリプシンに変える). 2-E.これらのトランスアミナーゼは可逆的にアミノ酸を対応するα-ケト酸に変える.α-ケト酸/アミノ酸ペアの一方がα-ケトグルタル酸/グルタミン酸,ALTではもう一方のペアが解糖系最終産物のピルビン酸/アラニンのペア,ASTではTCAサイクル中間体のオキサロ酢酸/アスパラギン酸ペアである.補因子はピリドキサルリン酸である. 3-D.カルバモイルリン酸はNH4+,CO2とATPから合成される.オルニチンと反応してシトルリンとなり,さらにアスパラギン酸と反応してアルギニノコハク酸となる.アルギニノコハク酸からフマル酸が遊離してアルギニンになる.尿素はアルギニンのアミノ基からではなく,側鎖のグアニジノ基からつくられ,オルニチンが再生する.N-アセチルグルタミン酸はカルバモイルリン酸シンテターゼのアロステリック活性化因子である. 4-A.アルギニノコハク酸が分解されアルギニンになるとき,アスパラギン酸に由来する炭素はフマル酸として遊離し,アスパラギン酸の窒素がアルギニンに取込まれる. 5-B.尿素サイクルの欠損では,尿素は正常な速度で合成できず血中尿素窒素値は低い.アルギニンも低く,遮断される前の化合物(欠損酵素の基質)シトルリンが上昇,アンモニアも同様に上昇する. 6-D.グルコースは解糖を経てTCAサイクルに入り,イソクエン酸デヒドロゲナーゼの反応でイソクエン酸から生じるα-ケトグルタル酸を経て,グルタミン酸デヒドロゲナーゼやトランスアミナーゼ反応によりグルタミン酸が生じる.グルコースからセリン,アラニン,アスパラギン酸,システインの合成ではイソクエン酸デヒドロゲナーゼのステップは通らない. 7-D.セリンはグルコースから合成される.解糖系の3-ホスホグリセリン酸で分岐し,酸化,アミノ転移,ホスホセリンホスファターゼによる脱リン酸反応によりセリンとなる. 8-B.セリンはホモシステインと反応してシスタチオニンとなる.シスタチオニンの分解でシステイン,NH4+とα-ケト酪酸になる.メチオニンはホモシステインを介して硫黄を供給する. 9-C.セリンとトレオニンは共にヒドロキシ基をもつ.セリンデヒドラターゼはセリンからピルビン酸とアンモニアを生じる.セリンはグルコースから解糖系の中間体3-ホスホグリセリン酸を経てつくられ,したがって非必須アミノ酸である.テトラヒドロ葉酸(FH4)はセリンと反応してグリシンと5,10-メチレン-FH4となる. 10-C.グルタミン酸はグルタミン酸セミアルデヒドに還元され,アミノ転移でオルニチンとなり,尿素サイクルの酵素でアルギニンに変わる.グルタミン酸セミアルデヒドは閉環してプロリンになるが,ヒトはヒスチジンを合成できない.アミノ転移反応ではアスパラギン酸とα-ケトグルタル酸からオキサロ酢酸とグルタミン酸を生じる.グルタミン酸デヒドロゲナーゼはNADHかNADPHを必要とし,α-ケトグルタル酸とNH4+ からグルタミン酸をつくる. 11-B.グルコースからの合成で,セリンは解糖中間体3-ホスホグリセリン酸から分岐して合成される.アルギニンは解糖を経てTCAサイクルに入り,中間体α-ケトグルタル酸から合成される.アスパラギン酸はオキサロ酢酸のアミノ転移で合成される.したがって解糖系の3-ホスホグリセリン酸の前駆体であるグリセルアルデヒド3-リン酸が,このリストで唯一の共通中間体である. 12-D.バリン,イソロイシン,ロイシンは分枝アミノ酸で,アミノ転移の後チアミン二リン酸,補酵素A,FAD,NAD+ とともにリポ酸を必要とするα-ケト酸デヒドロゲナーゼにより酸化される.バリンとイソロイシンの4個の炭素はスクシニル-CoAになり,イソロイシンからはアセチル-CoAもできる.ロイシンはHMG-CoAを経てアセト酢酸とアセチル-CoAを生じる. 13-A.メープルシロップ尿症(MSUD)ではバリン,ロイシン,イソロイシンなどの分枝アミノ酸はアミノ転移で分枝α-ケト酸を生じるが,分枝α-ケト酸デヒドロゲナーゼの欠失により酸化的に脱炭酸されず,分枝α−ケト酸と平衡にあるアミノ酸の濃度も上昇する.フェニルケトンが上昇するのはMSUDではなくフェニルケトン尿症(PKU)である.チロシン値はMSUDでは正常である. 14-D.ピリドキサルリン酸はアミノ転移反応に必要である. 15-A.アラニンとグルタミンは筋肉から遊離される主なアミノ酸である.グルタミンはさらに腸管と腎臓で代謝される.肝臓でグルコースに変換される主なアミノ酸はアラニンである. 16-A.グルタミナーゼはグルタミンに作用しアンモニアを放出,NH3は尿でNH4+ として緩衝作用を示す.腎臓はホスホクレアチンの非酵素環化で生じるクレアチニンを排泄する.腎臓はグルタミンを取込み血中にセリンとアラニンを放出する.腎臓で排出される尿素の大部分は肝臓でつくられる. 17-C.ドーパミンをノルエピネフリンに変えるのはヒドロキシ化反応で,ノルエピネフリンからエピネフリンへのメチル化にSAMが関与する.クレアチンの合成にはSAMが必要だがホスホクレアチンは非酵素反応でクレアチニンに変わる.dUMPをdTMPに変えるにはテトラヒドロ葉酸が使われ,ホモシステインからメチオニンへの変換にはビタミンB12 とメチルFH4が要る.ホスファチジルエタノールアミンからホスファチジルコリンへの変換に3個のSAMが必要である. 18-C.ピリミジン合成で葉酸を必要とするのはチミン(dUMP→dTMP)だけである.プリン合成ではC2とC8位の取り込みに葉酸誘導体が必要である.ホスホクレアチンとホスファチジルコリンの合成には葉酸を必要としない.妊娠中に葉酸が欠乏すると胎児は神経管損傷,例えば二分脊椎(spina bifida)となるおそれがある. 19-C.プロピニオニル-CoAからメチルマロニル-CoAの変換にビオチンが必要,メチルマロニル-CoAからスクシニル-CoAへの変換にはビタミンB12 が必要である.FH4は関与しない. 20-A.悪性貧血はビタミンB12 の吸収に必要な内因子が胃で産生されない場合に起こる.ビタミンB12 はメチルマロニル-CoAをスクシニル-CoAに,ホモシステインをメチオニンに変える酵素の補因子で,欠乏すれば尿へのメチルマロン酸排泄と,食餌中のメチオニン要求が増す.5-メチルテトラヒドロ葉酸のメチル基がビタミンB12からホモシステインに転移されメチオニンとなるが,ビタミンB12 が欠乏すれば5-メチルテトラヒドロ葉酸が蓄積し,遊離の葉酸が減少してFIGLU値は上昇し,プリン合成低下といった葉酸欠乏症状も示す. 21-D.クレアチンはグリシン,アルギニン,SAMから合成される.クレアチンは筋肉でホスホクレアチンに変わり,非酵素的に環化してクレアチニンとなる.1日に腎臓から排泄されるクレアチニンの量は体内の筋肉量に依存する.腎不全では尿中へのクレアチニン排泄量は少ない. 22-A.テトラヒドロビオプテリンはフェニルアラニンからチロシンに,チロシンからドーパミンに,トリプトファンからセロトニンに変換するヒドロキシ化に関与するが,ドーパからメラニン,セロトニンからメラトニンへの変換には関与しない.テトラヒドロビオプテリンの欠損症ではフェニルアラニンはチロシンに変換されずフェニルケトンになる. 23-B.PKUはフェニルアラニンをチロシンに変換するフェニルアラニンヒドロキシラーゼの欠損である.アルカプトン尿症ではチロシン分解経路のホモゲンチジン酸が分解せず尿に排泄されて褐色となる.白子症ではチロシンが皮膚の色素メラニンに変換されない. 24-A.メチオニンの硫黄はシステインの合成に使われるので食餌中のシステイン量が増すとメチオニンの要求量がへる.グルタミン酸デヒドロゲナーゼはα-ケトグルタル酸にアンモニアを付加してグルタミン酸をつくる.クレアチン合成ではグリシンとSAMのほか,オルニチンではなくアルギニンが要る.FIGLUはヒスチジンの分解でできる. 25-C.プリン塩基のアデニン(A)とグアニン(G)がヒポキサンチンを経て尿酸に酸化され,尿に排出される.尿酸の過剰産生は痛風の原因になる. 26-C.AとBはプリン合成にあてはまり,ピリミジン合成にはあてはまらない.ピリミジン合成ではアスパラギン酸の全分子が環に取込まれる.ピリミジン生合成に関与するカルバモイルリン酸シンテターゼIIの基質はグルタミンで,NH4+ ではない.NH4+ は尿素サイクルのカルバモイルリン酸シンテターゼIの基質である.グリシンはプリン合成で1個の窒素を供給する. 27-B.反応Aを阻害するのはメトトレキセート,反応Bを阻害するのが5-FUである.残りの反応は5-FUに直接影響されない.反応Cはプリン生合成の最初の反応で,反応Dはホモシステインからのメチオニン合成のさいメチル基を供給する. 28-C.ヘム合成の出発点で律速段階の反応はグリシンとスクシニル-CoAを縮合してδ-ALAを合成する反応である.鉄はフェリチンとして蓄えられ,トランスフェリンとして血中を運ばれる.鉄はFe2+としてプロトポルフィリンIXに取込まれヘムとなる.ヘムがビリルビンに分解されおもに腸管に排出されるとき,鉄は体内の鉄の貯蔵庫に戻され排出されない.出血は鉄が体内から失われる唯一の方法である. 29-C.ヘムの鉄がとれ,次に酸化される反応で,COとともにビリルビンができる.ビリルビンジグルクロニドはグルコースではなくグルクロン酸を2分子含み肝臓から胆汁に排出される. 30-E.グリシンはヘム合成の初発段階でスクシニル-CoAと反応し,クレアチン合成の初発段階でアルギニンと反応する.プリン合成ではグリシン分子がそっくりプリン塩基に取込まれる. 31-A.ペプシンは胃で働く. 32-D.エンテロペプチダーゼは小腸細胞で産生され,トリプシノゲンをトリプシンに切断する. 33-B.トリプシンはアルギニンとリシン残基でペプチド結合を切るエンドペプチダーゼである. 34-C.カルボキシペプチダーゼAとBは膵臓のエキソペプチダーゼで,ポリペプチド鎖のC末端から1度に1個のアミノ酸を切断する. 35-A.ペプシンはペプシノゲン(チモーゲン)として産生され,HClに触れると自己触媒的に分解してペプシンとなる. 36-D.バリン,ロイシン,イソロイシンの分枝アミノ酸はアミノ転移されたのち,チアミン二リン酸,リポ酸,補酵素A,FAD,NAD+ を必要とする酵素により酸化的に脱炭酸される. 37-B.5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸(5,10-メチレンFH4)はdUMPとの反応でdTMPをつくり,ジヒドロ葉酸(FH2)になる,FH2 はジヒドロ葉酸レダクターゼによりFH4 に還元される. 38-B.5,10-メチレンFH4はグリシンからセリンへの変換に関与する. 39-A.ビタミンB12 はメチルマロニル-CoAからスクシニル-CoAへの変換に関与する. 40-E.アミノ酸の脱炭酸反応はピリドキサルリン酸を要求する. 41-A.チロシンはドーパ,ドーパミン,ノルエピネフリン,を経てエピネフリンに変換される. 42-B.トリプトファンの環を形成しない炭素骨格は切取られてアラニンになる. 43-A.チロシンは必須アミノ酸のフェニルアラニンがヒドロキシ化されて合成される. 44-B.トリプトファンはテトラヒドロビオプテリンとO2を要求するオキシゲナーゼ(混合機能オキシダーゼ)によりヒドロキシ化される.反応産物の5-ヒドロキシトリプトファンの脱炭酸でセロトニンになる. 45-B.NAD+ のニコチンアミド環はトリプトファンの環構造に由来するが,ビタミンのナイアシンからも合成される. 46-D.dUMPのウラシル部分がdTMPのチミンになる 47-D.NAD+ のニコチンアミド部分はトリプトファンに由来する. 48-A.ロイシンはHMG-CoAとなり,その分解でアセチル-CoAとアセト酢酸になる. 49-C.プロリンはグルタミン酸から合成され,分解のときもグルタミン酸を経る. 50-B.メチオニンはATPと反応してS-アデノシルメチオニン(SAM)となる.SAMはメチル基を供与してS-アデノシルホモシステインになり,これがアデノシンを遊離してホモシステインになる.ホモシステインはビタミンB12 からメチル基をもらいメチオニンになる.B12のメチル基はメチルFH4 に由来する. 51-C.食餌の葉酸欠乏やB12の欠乏による二次的な葉酸欠乏により巨赤芽球性貧血となる. B12 が欠乏するとメチルFH4 として葉酸が捕捉され利用できない.赤血球前駆体(赤芽球)はDNAの複製に必要なdTMPをつくれず,細胞分裂できずに巨赤芽球となる. 52-B.B12 欠乏は問題51にも述べたように巨赤芽球性貧血をひきおこす.ビタミンB12 はメチルマロニル-CoAからスクシニル-CoAへの変換にも必要なので,B12 の欠乏では脱髄による神経症状が生じる. 53-C.食餌の葉酸欠乏やビタミンB12 欠乏による二次的な葉酸欠乏(問題51)により,ホモシステインからメチオニンへの変換が減少し,血中のホモシステイン値が上昇して冠心疾患を伴う. 54-D.非古典的フェニルケトン尿症はテトラヒドロビオプテリン産生能の低下によるものであり,葉酸やB12 の欠乏にはよらない.古典的PKUはフェニルアラニンをチロシンに変換するフェニルアラニンヒドロキシラーゼの遺伝的欠失である. 55-D.胆管が閉塞されると,抱合型ビリルビンは肝臓から胆管に入れず血液に逆流する.便の茶褐色はステルコビリンによるもので,これは腸内細菌がビリルビンを酸化して生産する.腸管に入るビリルビンの量が正常より少ないため便の色は薄くなる. 56-B.赤血球の溶解が亢進すると血中ビリルビン値が上昇する.肝臓でビリルビンが抱合され腸管に排泄される.これは腸管でステルコビリンになり,便を褐色にする. 57-C.鉄欠乏性貧血ではプロトプルフィリンから合成されるヘムの量が減少し,赤血球は白っぽく小さい. 58-A.肝炎では,NH4+ から尿素をつくる能力とビリルビンを抱合して排出する能力が低下する. 59-B.痛風では,尿酸の結晶が関節に析出し,激しい痛みを引き起こす 60-C.心筋が損傷を受けると細胞内酵素が血中に漏れ出す.クレアチンキナーゼ(CK)は主に筋肉そして少しは脳に存在する.CKのMBアイソザイムが血中に存在することは心臓発作を示唆する. 61-A.ビリルビンは肝臓で抱合され,排泄される.肝疾患ではビリルビンが血液や組織に蓄積し,黄疸になる. 62-D.腎臓は尿素を排泄する.腎疾患では尿素が血中にたまる.尿酸もたまるが,その程度はずっと低い. 63-C.ペラグラ(4D=下痢,皮膚炎,痴呆,死)はナイアシンかトリプトファンの欠乏により生じる. 64-D.プリンサルベージ経路の酵素HGPRTの欠損でLesch-Nyham症候群となる. 65-E.ある種の必須アミノ酸を腸管から吸収できないとHartnup病となる. 66-B.シスチン尿症では,腎での再吸収障害により尿中にシスチン結石を形成する. 67-A.ドーパミンを合成する脳細胞の欠落でパーキンソン(Parkinson)病になる. 8 章 1-B.プレグネノロンとプロゲステロンは両方ともコレステロールからステロイドホルモン合成の中間体である.7-ヒドロキシコレステロールはコレステロールから胆汁酸塩になる中間体である.アルドステロンはミネラルコルチコイドで副腎ステロイドホルモンと性腺ステロイドホルモン合成の分岐点を超えた後で合成される.レチノイン酸はステロイドホルモンと同様に作用するが,ビタミンAから合成される. 2-B.エピネフリンはチロシンから合成される.エピネフリンはポリペプチドホルモンと同様に細胞膜表面の受容体と結合して機能し,cAMPを上昇させる. 3-A.テストステロンはより活性の強いジヒドロテストステロン(DHT)に還元される.テストステロンはステロイドホルモンの1種で遺伝子を活性化する.テストステロンhaE2 の前駆体であり,またGnRHの合成を阻害する. 4-C.1,25-DHCはコレステロール合成の中間体,7-デヒドロコレステロールから合成される.この物質のB環は紫外線を必要とする反応で開環し,その後肝臓でC25位に,腎臓でC1位にヒドロキシ基が付加する. 5-B.ホスファチジルイノシトールビスリン酸はIP3 とDAGに分解される.IP3 は小胞体からCa2+ を遊離させ,DAGはプロテインキナーゼCを活性化する.PTHは骨からCa2+ の遊離を促し,1,25 -DHCは小腸からCa2+ の吸収を促す. 6-B.食餌のヨウ素が欠乏すると甲状腺は正常量の甲状腺ホルモンを合成できない.その結果,TRHとTSHの産生と分泌のフィードバック阻害が減少する.甲状腺ホルモン値の低下で熱産生が減る. 7-C.ACTHとコルチゾールが最初に上昇しているので,最も考えられる原因はACTHを過剰産生する下垂体前葉の腫瘍である.ACTHは副腎のコルチゾール過剰産生を引き起こす.この結論は,非常に高用量のグルココルチコイド(デキサメタゾン)の投与で血漿コルチゾール値が低下するという事実に支持される.グルココルチコイドはACTHの放出を抑制する.患者の高血糖は上昇したコルチゾールによる. 8-E.GnRHは2つの下垂体ホルモンLHとFSHの放出を促す.GSHは成長ホルモンの放出を,TSHはT3とT4 の放出を,PRHはプロラクチンの放出を促す.IGFは成長を刺激する. 9-C.15%の放射性T4 が抗体と結合したので,標準曲線より患者血清中のT4 量は0.015μg/0.1mLとなり,15μg/dL (1dL=100 mL)と換算される. 10-C.患者のT4レベルは正常値以上なので患者は甲状腺の機能が亢進している. 11-C.甲状腺ホルモンは下垂体前葉のTSH分泌を抑制する.もし甲状腺ホルモン値が上昇するとTSH値は正常値以下となる.この患者はおそらくバセドウ病(Graves' disease)で甲状腺を刺激する抗体が甲状腺のT3 とT4 の産生を促している.これらの甲状腺ホルモンは下垂体前葉からのTSHの遊離を抑制する. 12-D.税理士はプロラクチンを分泌する下垂体前葉の腫瘍(プロラクチノーマ)による乳汁漏出症(galactorrhea)である.プロラクチン分泌の主な制御因子ドーパミンは下垂体前葉でのプロラクチンの産生と分泌を阻害する.ブロモクリプチン(bromocriptine)はドーパミンと同じくプロラクチンの分泌阻害薬である.オキシトシンは乳腺から乳汁分泌を促進するが,乳腺での乳汁産生にはプロラクチン必要である. 13-C.コルチゾール値が低いので,下垂体でのACTHの過剰産生はコルチゾールによるフィードバック阻害の欠如による.ACTHの前駆体POMCを産生する腫瘍ならばACTHもコルチゾールも高値となる.コルチゾールによる抑制がないのでCRH値はおそらく高く,その結果ACTH値も高くなる.障害は副腎髄質ではなく皮質にあり,ACTHに応答して適切量のコルチゾールを産生できない.コルチゾール合成経路の酵素欠損により,コルチゾール前駆体から男性ホルモンが過剰に産生され,患者は二次的な男性化症状を示す. 14-B.この女性患者の症状は下垂体の損傷によるホルモン産生の低下によってすべて説明される.バソプレッシン(ADH)の低値は尿崩症(diabetes insipidus)となる.LHとFSHの低値は無月経となり,TSHの低下は甲状腺ホルモンレベルの低下をまねき,基礎代謝率の低下と熱産生の低下をひきおこす.成長ホルモンの欠如は成長を遅らせる.下垂体前葉と後葉のホルモンは小さなペプチドで経口投与すれば小腸のタンパク分解酵素によって消化される.チロキシンとグルココルチコイドは女性患者の症状をいくらかは改善するが,エストロゲンだけでは生理を回復させることはできない.水分の摂取は増やすべきで,制限すべきでない. 15-C.チロキシンは下垂体前葉のTSHの分泌を抑制する. 16-A.LHはLeydig細胞上の受容体と結合し,テストステロンの遊離を促す. 17-D.GHは肝臓や他の組織からのIGFの遊離を促す. 18-B.プロラクチンは乳汁タンパクの合成を促す. 19-A.LHは黄体でのプロゲステロン産生を促す. 20-E.FSHは卵胞の成熟と,卵胞によるエストラジオール産生を促す. 21-D.ステロイドホルモンは二次メッセンジャーを介さずに作用する.ステロイドホルモンは細胞に入り,遺伝子を活性化する. 22-C.ステロイドホルモンはコレステロールから合成される.コルチゾールとアルドステロンは副腎皮質で合成される. 23-C.ステロイドホルモンは受容体と結合し,ホルモン-受容体複合体がDNAと結合して遺伝子を活性化する.1,25-DHC,甲状腺ホルモン,レチノイン酸も同様な方法で作用する. 24-A.コルチゾールなどのグルココルチコイドはPEPCK遺伝子を活性化する. 25-B.アンギオテンシンIIはアルドステロンの合成と分泌を促す. 26-D.オキシトシンとバソプレッシンは視床下部で合成され下垂体後葉で貯蔵,分泌される. 27-D.オキシトシン,バゾプレッシンは共にニューロフィジンと結合して存在する. 28-D.バソプレッシンは抗利尿ホルモンで,どちらも利尿作用はない. 29-D.POMCは下垂体前葉で合成される. 30-C.末端肥大症では,身長は正常だが,あご,手足や軟組織が大きくなる.GHは糖新生を促進するが,腫瘍のためグルコースはGHの放出を抑制できないのでしばしば糖尿病を伴う. 31-D.コルチゾールの過剰産生により筋タンパクが分解し(結果として細い手足),顔や腹部に脂肪が沈着する.タンパク分解による透き通る皮膚,赤血球の増加による赤い顔つきやコルチゾールの糖新生促進作用により血糖値が上昇する. 32-A.腎動脈のアテローム性粥状斑によりレニンの分泌が促され,そのためアルドステロンが増加して血圧が上昇する.アテローム性粥状斑はおそらく心臓病の原因にもなる. 33-B.プロラクチンを産生する下垂体前葉の腫瘍は乳汁の産生をひき起こし,LHとFSHの産生を抑制して無月経となる.腫瘍が大きくなって視神経を圧迫すると目のかすみが生じる. 包括テスト 1-A.脂肪のエネルギー9 Cal/gに対し,炭水化物は4 Cal/g,したがって患者が炭水化物を同量の脂質に変えれば多くのカロリーを取ることになり,運動量が同じなら体重は増加する. 2-B.患者の体重は80 kgである.基礎代謝率(BMR)は大体24 kcal/kg/日 なので,BMRは24 kcal/kg/日×80 kg=1920 kcal/日,坐りがちな生活では30%余分にエネルギーが必要なので1920×1.3=2500 kcalとなる(日本の標準では,この女性が30台として: BMR=(22 kcal/kg)×80 kg(体重)=1760 kcal,これに加える係数が異なるが,近い値になる). 3-E.ナイアシンはビタミンだが,ある程度は必須アミノ酸のトリプロファンから合成できる. 4-C.リシンは厳格なケト原性アミノ酸で糖新生には使えない.筋グリコーゲンは筋収縮のときにATPをつくるために筋肉で使われ,血糖の維持には使われない.脂肪組織の貯蔵トリアシルグリセロールに由来するグリセロールは糖新生の基質となるが,偶数炭素脂肪酸はアセチル-CoAに分解されてグルコースの産生には使えない. 5-D.ガラクトースはUDP糖誘導体とグルコース1-リン酸を経てグルコース-6-リン酸になる.グルコース-6-リン酸はグルコース-6-ホスファターゼによりグルコースとなり血中に出る.乳酸とフルクトースが血糖となるにはフルクトース-1,6-ビスホスファターゼが必要である.筋グリコーゲンは血糖にならない. 6-E.フルクトースとガラクトースはどちらもホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼの反応を経ずに血糖に変われるが,乳酸が血糖となるにはこの酵素が必要である.筋グリコーゲンは血糖にならない. 7-C.pHとpKの関係式は.pH=pK + log ([A−]/[HA]).したがって弱酸とその共役塩基の濃度が等しければ [A−]=[HA] で,pHはpKと等しくなる. 8-C.HMG-CoAはアセチル-CoAとアセトアセチル-CoAから合成される.グルタミン酸ではない.筋肉ではロイシンの分解でもつくられるがバリンではない.HMG-CoAはアセチル-CoAとアセト酢酸に分解する.HMG-CoAの還元で生じるメバロン酸からコレステロールが合成される. 9-E.反応速度(v)と基質濃度[X]の関係を表すMichaelis-Mentenの式は: v=Vmax[X]/(Km+[X]).したがって4=(10×2)/(Km+2).4Km + 8=20.4Km=20−8=12.Km=12/4=3 μM. 10-D.Y軸の切片(1/Vmax)は健常人と患者の酵素で同じ,したがってVmax値も等しい.しかしX軸の切片(−1/Km)は異なる.健常人の酵素がKm=1μMに対し,患者の酵素はKm=5μMである.したがって患者の酵素をチアミン二リン酸で飽和するにはより多量が必要となり,チアミンの生体レベルを上昇させれば患者の酵素をより活性型にすることができる. 11-A.アセチル-CoAはクエン酸シンターゼの基質で,CoA分子はパントテン酸を含む. 12-D.赤血球はミトコンドリアを欠きTCAサイクルがないのでグルコースの解糖系が唯一のエネルギー源である.それ以外の組織はミトコンドリアをもち他の燃料も利用できる. 13-C.ヘモグロビンは2個のα鎖と2個のβ鎖から成る四量体で,各サブユニットは1個のヘムをもつ.各ヘムが1個の酸素を結合するから,1個のHbAは4個の酸素を結合する.β鎖の6番残基グルタミン酸がHbSではバリンに置換し,HbSはHbAより疎水性である. 14-B.リシン残基やプロリン残基のヒドロキシ化にはビタミンCが必要である.ヒドロキシ化が起きるのは,これらのアミノ酸がポリペプチド鎖に取込まれた後で,細胞から分泌される前である.ヒドロキシリシン残基の酸化によりコラーゲン分子間が架橋され,会合する. 15-C.一晩絶食の後,脂肪組織から放出された脂肪酸は筋肉で酸化され,肝臓ではケトン体になるが,脳では使われない.グルコースは偶数炭素脂肪酸からは合成されず,赤血球にはミトコンドリアがないのでケトン体は酸化されない. 16-C.A,B,Eは原核細胞の話しで,真核細胞ではない.真核細胞の80Sリボゾームは分泌タンパクの合成時にRERに結合している.ペプチジルトランスフェラーゼは必要である. 17-D.hnRNAにはmRNAになるときに除去されるイントロン配列がある.UAGとUAAは共に終止コドンである.ゲノム内に多数コピーをもつ遺伝子もある.免疫グロブリン産生細胞の分化時にみられるように,遺伝子配列が生殖細胞の分化のさいに再編成されることがある. 18-C.変異体遺伝子は9〜12位の4塩基挿入(TATC)をもつ結果フレームシフトを起こし,変異体遺伝子はこの点より先は異なるアミノ酸配列をコードする.挿入の結果22位からのフレームにきたTGAがmRNAの終止コドンUGAに対応し,変異タンパクは正常タンパクより短かくなる.この塩基配列ではアルギニンはCGUコドンを用いAGAではない. 19-A.RNAポリメラーゼIIが転写を触媒し,TATAボックスを含むプロモーター領域に結合したタンパク(TATA結合タンパク)と結合する.DNAの鋳型鎖はヒストンとは共有結合しない.一次転写物(hnRNA)は5' 末端にキャップ構造をつけ,3' 末端にポリ(A)尾部を付加する. mRNA形成時にスプライシングで取り除かれるのはイントロンである. 20-B.グルコース非存在下,ラクトース存在下ではlacリプレッサーは不活性でcAMPは上昇し,CAPタンパクはlacプロモーターに結合してオペロンの転写を促進する.細胞内のトリプトファンレベルは低く,trpオペロンのリプレッサーは不活性でオペロンはRNAポリメラーゼにより転写される.このオペロンのアテニュエーションは低下する. 21-E.塩基の除去修復では,最初に損傷塩基をグリコシラーゼで除去しAP部位(プリンまたはピリミジンのとれた部位)をつくる.次にエンドヌクレアーゼがAP部位を切断,旧ヌクレオチドをDNAポリメラーゼが除去し,修復されたヌクレオチド鎖と残りのDNA鎖をDNAリガーゼがつなぐ.逆転写酵素はRNA鋳型からDNAを合成する酵素で修復には関与しない. 22-D.遺伝子の塩基配列はゲルの下から上に向かって5'→3' と読む.正常と変異体の配列はAをTに変えた点変異以外は同じである.この結果変異体遺伝子に生じた5'-GAATTC-3' 配列がEcoRIで切断されるが正常遺伝子は切断されない.KpnIは大きなDNA断片からこれらの配列を切断するのに用いられた酵素で,ゲルに示す塩基配列は切断しない. 23-D.岡崎フラグメントは5' から3' 方向のラギング鎖上で合成され,複製フォークから遠ざかるように動いて親DNA鎖を3' から5' 方向にコピーする.合成はRNAプライマーで始まりそれにDNA前駆体が付加する.その後,RNAは除去され,DNAに置換され,断片はリガーゼでつながれる.DNAポリメラーゼだけでなく,一群の酵素がこの過程に関与する. 24-C.解糖ではジヒドロキシアセトンリン酸(化合物I)はグリセルアルデヒド3-リン酸に異性化し,無機リン酸とNAD+ を使う反応で酸化され1,3-ビスホスホグリセリン酸を生じる.これから3-ホスホグリセリン酸(化合物II)とATPがつくられる. 25-B.絶食後2時間はグリコーゲン分解により血糖を維持し,その後は糖新生が補う.しかし絶食1日後に肝グリコーゲンは枯渇し,糖新生のみが血糖の維持に関わる. 26-C.一晩絶食後,健常人ではグリコーゲン分解と糖新生が血糖の維持に使われる.どちらの経路もグルコース6-リン酸をつくり,グルコース-6-ホスファターゼがグルコースの生産に必要である.もしグルコース-6-ホスファターゼが阻害されると血糖値は低くなり肝グリコーゲンの貯えは健常人より高くなる.遺伝的なグルコース-6-ホスファターゼ欠損でも同じような状況が起こり,糖原病(グリコーゲン貯蔵病の von Gierke 病)になる. 27-B.各人のゲノムには2コピーの遺伝子(対立遺伝子)があるのでこの遺伝子から2個の制限断片が得られる.これら2個の制限断片の一方は母親由来,他方は父親由来で,互いに異なる数のタンデムリピートをもつ.子供は9 kb断片を母親から得ている.もう一方の85 kb断片をもつ男性はF2のみなので,F2が父親である可能性が最も高い. 28-D.ほとんどすべての脂肪酸はβ酸化でアセチル-CoAを生じ,肝臓でケトン体に変えられるが,グルコースにはならない.酸化経路ではC2−C3エノイル中間体を経る.多くの組織で脂肪酸が主なエネルギー源になるが,脳と赤血球では使われない. 29-A.膵リパーゼは食餌中のトリアシルグリセロールを遊離脂肪酸と2-モノアシルグリセロールに分解するが,この過程は食餌中の脂質の消化に重要である.プロスタグランジンは食用植物中(植物油)のトリアシルグリセロールに含まれる必須脂肪酸,リノール酸から合成されるので膵リパーゼが欠損すればプロスタグランジンも欠乏する.膵臓からの炭酸水素イオンは腸内pHを上昇させ胆汁酸塩のミセル形成を促す. 30-A.酸素がないと電子伝達系が止まる.NADHが増加し,TCAサイクルが阻害される.したがってTCAサイクルの中間体コハク酸は酸化されない.無酸素でATPはつくれない. 31-D.一連の共役反応系で,個々の反応のΔGO' を加えると全反応のΔGO' 値が得られる. 32-C.ΔGO'=−2.303 RT log pKeq.イソクエン酸からリンゴ酸への変換はΔGO'=+ 0.9 kcal/mol>0,log pKeq<0,したがってpKeqは1以下である. 33-B.ピルビン酸カルボキシラーゼはピルビン酸(化合物A)をオキサロ酢酸(化合物B)に変える酵素で脳や肝臓にあるが,赤血球や筋肉にはない.この酵素はグルコースや脂肪酸の生合成に関与する.アセチル-CoAで活性化され,ビオチンとATPを要求するこの酵素はTCAサイクルの補充反応を触媒し,サイクルの4炭素中間体(オキサロ酢酸)をつくる. 34-C.ATP濃度が低下するとATP産生過程が刺激される.ミトコンドリア内膜のプロトン勾配は減り,電子伝達系によるNADHの酸化は増し,燃料分子の利用も増加する.ATPが減るとAMPは増し,AMPによりホスホフルクトキナーゼ-1が活性化されるので解糖が増す.パルミチン酸の酸化も促進される. 35-D.シトクロム系が阻害されると,ATP産生,電気化学ポテンシャル,NADHの酸化による熱産生とコハク酸の酸化はすべて減る. 36-D.解糖系のピルビン酸キナーゼはATPとピルビン酸を生成する.ピルビン酸キナーゼが欠損すれば解糖が遅く,ATP産生が減る.ピルビン酸を乳酸に還元してNADHからNAD+ を再生する反応も止まりNADH/NAD+ 比は上昇する.ピルビン酸キナーゼ以前の解糖系中間体が蓄積し,グルコース6-リン酸はヘキソキナーゼを阻害する.ATP欠乏のため赤血球の寿命は減る.赤血球にはミトコンドリアがないので脂肪酸はエネルギー源として使えない. 37-E.筋ホスホリラーゼ欠損症(McArdle痛)による糖原病では運動中に筋グリコーゲンを酸化できず,乳酸値は低い.この患者は血液で運ばれるグルコース,脂肪酸やケトン体などの燃料をエネルギー源とするので,短期間の激しい運動には耐えられないが,血中からこのようなエネルギー源を得るので軽い運動を長期間することができる.肝臓はホスホリラーゼの異なるアイソザイムをもつので影響を受けず,グルカゴンに応答してグリコーゲンを分解できる. 38-B.cAMPレベルは上昇したままである.ピルビン酸キナーゼはリン酸化で不活性化される.ホスホリラーゼキナーゼとホスホリラーゼはリン酸化で活性化される.プロテインキナーゼAは調節サブユニットがcAMPと結合して解離し,活性化されたままになる.この酵素の調節はリン酸化によるのではない. 39-D.A,B,Cは糖新生によるグルコース産生を減らす.cAMPはプロテインキナーゼを介してピルビン酸キナーゼを不活化し,グルコース産生を促す. 40-C.ラクターゼはラクトースをガラクトースとグルコースに分解する消化酵素である.しかしガラクトースは食餌中には必要としない.ガラクトースはグルコースから産生され,正常に代謝される.この女性は乳製品の摂取量が少ないのでカルシウムの欠乏を生じ,ガラクトース1-リン酸は低値である. 41-A.インスリンはピルビン酸キナーゼ,ピルビン酸デヒドロゲナーゼ,ホスホフルクトキナーゼ-2 (PFK-2)の活性化を促す.PFK-2はフルクトース2,6-ビスリン酸(F-2,6-P)の生成を触媒する.F-2,6-PはPFK-1の活性化剤であり,糖新生の酵素フルクトース-1,6-ビスホスファターゼの阻害剤である. 42-D.プロテオグリカンのグリコサミノグリカンはタンパクに共有結合した反復二糖単位の長い鎖をもち,硫酸化は単糖類がグリコミサノグリカン鎖に取込まれた後で起こる.プロテオグリカンはリソソームの酵素で分解される.これらの酵素の欠損はムコ多糖症として知られる. 43-D.糖タンパクに含まれる糖鎖はUDP糖やCMP-NANAから合成される.合成はERとゴルジ体で行われる.糖タンパクは細胞から分泌されるか,リソソームに行くか,糖鎖を細胞外に向けて細胞膜に埋め込まれる.糖タンパクはリソソームの酵素で分解される. 44-B.ラクトースとスクロースは小腸上皮細胞刷子縁のジサッカラリダーゼ(ラクターゼやスクラーゼ)により消化される.デンプンは唾液と膵臓のα-アミラーゼにより消化されるが,脂肪は主に膵リパーゼで消化されるので,デンプン消化の方が膵液欠如の影響が少ない.嚢胞性線維症(cystic fibrosis)の共通症状は脂肪便である. 45-D.胆管上部が遮断され胆汁酸塩は消化管に入らないので,胆汁酸塩の再利用と排泄,脂肪の消化,キロミクロンの生成はすべて減少する.増加するのは糞便の脂肪である. 46-B.呼気のアセトン臭と尿のケトン体はこの患者が糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)であることを示す.アセトンはアセト酢酸の脱炭酸で生じる.患者のインスリンレベルが低すぎて筋肉や脂肪組織へのグルコース輸送能を高めたり,肝臓でのグリコーゲンやトリアシルグリセロールの合成を促進できず血糖値が高い.インスリンを投与すれば血糖値を下げ,脂肪組織のトリアシルグリセロールからの脂肪酸の放出が減るであろう.グルカゴン投与は血糖値やケトン体値を増加させ患者の状態をさらに悪化させる. 47-C.脂肪酸合成は食後のインスリン上昇時が一番高い.グルコースはクエン酸に変えられミトコンドリアからサイトゾルに移り,オキサロ酢酸とアセチル-CoAに分解される.律速段階を触媒する調節酵素アセチル-CoAカルボキシラーゼはビオチンを要求する反応でアセチル-CoAをマロニル-CoAに変える.脂肪酸シンターゼ複合体に結合した脂肪酸のアシル基はマロニル-CoAからの2炭素単位の付加を繰返し,NADPHが還元当量を供給する.主な生成産物はパルミチン酸である. 48-C.クエン酸がミトコンドリアからサイトゾルにアセチル単位を輸送する.NADPHはペントースリン酸経路とリンゴ酸酵素により供給される.肝臓はグリセロールキナーゼがあり血中グリセロールを利用できる.中間体はホスファチジン酸である.2-モノアシルグリセロールは小腸細胞でのみつくられる. 49-E.脂肪細胞はグリセロールキナーゼをもたず,ホルモン感受性リパーゼをもつ.脂肪細胞や筋細胞のグルコース輸送系はインスリンにより活性化される.インスリンレベルが上昇すると,肝細胞はVLDLを分泌し,脂肪細胞はリポプロテインリパーゼを分泌する.リポプロテインリパーゼはキロミクロンやVLDLのトリアシルグリセロールを加水分解する. 50-D.キロミクロンは食餌中の脂肪からつくられる血漿リポタンパクである.VLDLは主として食餌中の炭水化物からつくられる.IDLとLDLはVLDLからつくられる. 51-A.脂肪組織のホルモン感受性リパーゼはグルカゴンによりcAMPを介して活性化される.アポリポタンパクCII はリポプロテインリパーゼの活性化因子である. 52-C.インスリンが減少し,グルカゴンが上昇して脂肪組織の脂肪分解が亢進するのでVLDLレベルが上る.脂肪酸とグリセロールはトリアシルグリセロールとしてVLDLに詰め込まれ肝臓から分泌される.したがってトリアシルグリセロールとコレステロールは血中で上昇する.脂肪細胞によるリポプロテインリパーゼの合成と分泌はインスリンにより刺激されるので,インスリンが投与されないと減少する. 53-A.食餌にコリンがなくてもPCはグルコースからde novo合成できる.その最終ステップはSAMによるホスファチジルエタノールアミンのメチル化である.PCの一種ジパルミトイルホスファチジルコリンは肺サルファクタント(肺の界面活性剤)として働く.PCはレシチンとも呼ばれるが,HDLのLCATはレシチンのアシル基をコレステロールに移し,コレステリルエステルをつくる. 54-E.アラキドン酸はホスホリパーゼA2により細胞膜リン脂質から切り出される.この反応はグルココルチコイドで阻害される.アラキドン酸の合成には必須脂肪酸が必要である.アラキドン酸はアスピリンで阻害されるシクロオキシゲナーゼによりプロスタグランジンやトロンボキサンにも変換される.ロイコトリエンもアラキドン酸からつくられる. 55-C.HMG-CoAのメバロン酸への還元がコレステロール合成の出発段階で,これを阻害すれば細胞内のHMG-CoAレベルは増加しスクワレンとコレステロールは減る.細胞内コレステロールレベルが低下するとACAT活性も減り,(健常人の場合は) LDL受容体の合成が増える.受容体が多くなるとより多くのLDLを血中から取り込むので,血中コレステロール値は下がるが,血中トリアシルグリセロールはLDLに含まれないのでそれほど下がらない. 56-D.胆汁酸塩をコレステロールから合成するのは肝臓のみ.側鎖のカルボキシ基はグリシンまたはタウリンと抱合する.グリシン抱合体のpKは約4,タウリン抱合体のpKは2である.pK値以上のpHで負に荷電し(pK値と等しいpHでは−0.5価),乳化剤として最も効果的である.胆汁酸塩は胆汁に排出され,脂肪の消化に参加し,回腸で吸収され肝臓で再利用される. 57-C.尿素サイクルではアンモニアがカルバモイルリン酸合成の窒素源で,カルバモイルリン酸はオルニチンと反応してシトルリンになる.アスパラギン酸はシトルリンと反応してアルギニノコハク酸となり,フマル酸を遊離してアルギニンを生じる.アルギニンがアルギナーゼで加水分解され尿素とオルニチンになる.全体として4個の高エネルギーリン酸結合を消費する.カルバモイルリン酸シンターゼIはN-アセチルグルタミン酸で活性化される. 58-A.アルギニノコハク酸シンテターゼ活性が低いと,シトルリンのアルギニノコハク酸への変換が正常より少なくなり,シトルリンレベルは上昇して尿中に排出される.CPS Iやオルニチントランスカルバモイラーゼ(OTC)の欠損はシトルリンレベルを低下させる.ホルムイミノトランスフェラーゼの欠損症では尿中にFIGIUが増加する. 59-A.絶食中,アラニンの炭素はすべて肝臓でグルコースに,窒素はグルタミン酸に移される.この窒素はアスパラギン酸に転移されるかグルタミン酸デヒドロゲナーゼによりNH4+ になり,どの経路を経ても最終的には尿素になる.そこで絶食時にBUNは上昇する. 60-B.クレアチンはグリシン分子,アルギニンのグアニジウム基とメチオニンのメチル基からつくられる. 61-B.グルタミン酸セミアルデヒドはアミノ転移反応でオルニチンになる.グルタミン酸は窒素を提供しα-ケトグルタル酸になる.アミノ転移反応を触媒するトランスアミナーゼの補酵素はピリドキサルリン酸である. 62-B.ホモシステインはS-アデノシルホモシステインの分解でアデノシンを切離してつくられる.ホモシステインはシスタチオニンの合成に使われる.ホモシスティンはビタミンB12 を経てテトラヒドロ葉酸(FH4)からメチル基をもらいメチオニンになる.もしSAMからアデノシンを切離す酵素が欠損すれば,ホモシステインのレベルは低下する.他の欠損はホモシステインのレベルを上昇させる.レベルの上昇はアテローム性動脈硬化性血管病変を伴う. 63-D.チロシンは必須アミノ酸フェニルアラニンのヒドロキシ化反応により合成されるが,フェニルケトン尿症ではチロシンが十分量合成されず,食餌で補う必要がある. 64-A.S-アデノシルメチオニン(SAM)はクレアチンの合成時にメチル基を供与する.他の反応には関与しない. 65-C.これらの化合物の合成にはアミノ酸の脱炭酸反応が起こる.この反応は,アミノ転移反応と同様にピリドキサルリン酸を必要とする. 66-C.ピリミジン生合成では,グルタミン,CO2とATPから合成されるカルバモイルリン酸がアスパラギン酸と反応し,閉環,脱水素の後ホスホリボシルピロリン酸と反応してヌクレオチドを生成,さらに脱炭酸でUMPを生じる.糖の還元後,dUMPは5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸と反応してdTMPになる.プリン生合成では,塩基はリボース5-リン酸上で合成される.グリシンが前駆体に取込まれて,テトラヒドロ葉酸の誘導体からプリン環のC2位とC8位が供給される.グルタミンはプリン環合成でもピリミジン環合成でも窒素を供与する. 67-C.キサンチンオキシダーゼはプリン塩基が尿酸に変換する反応に関与し,ヒポキサンチンをキサンチンに,キサンチンを尿酸に酸化する反応を触媒する.キサンチンオキシダーゼを阻害するアロプリノールは,尿酸結晶が関節に析出する痛風を治療する薬として用いられる. 68-C.赤血球は溶解や貪食により破壊されると,ヘモグロビンは分解され,ヘムからのビリルビン合成速度は増加する.肝臓は速やかにビリルビンをグルクロン酸抱合して胆汁に排出する.小腸では,細菌がビリルビンをステルコビリンに変換し,便の色が褐色となる. 69-C.鉄は正常ではトランスフェリンとして血中を運ばれ,主に肝臓と脾臓にフェリチンとして貯えられる.もし異常に高濃度の鉄があるとヘモジデリンが産生される.ヘモグロビンはヘムとして鉄の錯体を含むが鉄の貯蔵体ではない. 70-B.NAD+ のニコチンアミド環は主に食餌中のナイアシンから合成されるが,トリプトファンからもつくられる. 71-B.グルタミン酸はグルタミン酸デヒドロゲナーゼによりα-ケトグルタル酸にアンモニアを付加するか,アミノ転移により合成される.ヒスチジンはFIGLUを経てグルタミン酸になる.アラニンはピルビン酸にトランスアミナーゼが働いて生じる.デヒドラターゼではない.ビタミンB12 はメチルマロニル-CoAの分子内転位によるスクシニル-CoAの生成に関与する. 72-E.ACTH値は低いのにコルチゾール値が上昇しているので,副腎皮質の分泌性腫瘍が最も考えやすい.コルチゾールの上昇は血糖の上昇をひき起こす. 73-D.経口避妊薬の使用によりエストロゲンが低値であるため,FSHやLHの遊離が抑制される.エストロゲン値が低いためエストラジオールはピークとならず,排卵が起きないので黄体も形成されない. 74-C.TSHの低値を補うためにチロキシンを経口投与する.TSHとACTHはペプチドホルモンでなので消化管で膵臓のタンパク分解酵素により消化される.バソプレッシン値が低いと水は腎臓で再吸収されず,尿として失われ尿崩症お起こすので,水の摂取は制限せず増加させる.コルチゾールは特にストレス時に必要である.GnRH,FSHとFHは成熟卵の産生に必要である.エストロゲンとプロゲステロンは単独で投与されると排卵を抑制する. 75-A.甲状腺ホルモンは下垂体前葉にフィードバックしてTSHの分泌を阻害する.この患者のTSH値は高いので,甲状腺ホルモンは不足しているから投与量を増やすべきである. 76-A.酸素の欠乏でプロトンポンプの働きが遅くなり,ATP産生が減少する.電子伝達系,クエン酸サイクル,グルコースからCO2への変換はすべて減少する.NADHはクエン酸サイクルを遅くするが,ADPはアロステリックにイソクエン酸デヒドロゲナーゼを活性化し,クエン酸サイクルを促進する. 77-A.セリン側鎖のヒドロキシ基は水と水素結合をつくる. 78-B.システイン残基の正荷電したα-アミノ基とセリン残基の負に荷電したα-カルボキシ基が静電相互作用を示す. 79-C.2個のシステイン側鎖はジスルフィド結合により共有結合する. 80-D.ペプチドでは隣り合うアミノ酸はペプチド結合で共有結合する. 81-A.インスリン投与を受けないI 型糖尿病患者の代謝行動は,血糖値が高いこと以外は飢餓時の人の代謝行動と似ている.インスリン値が低いとグルコースの筋肉や脂肪組織への取り込みが低下し,肝臓でのグルコースのグリコーゲンへの変換や脂肪組織でのトリアシルグリセロールへの変換が下がり,肝臓で糖新生やグリコーゲン分解によりグルコース産生が増加する. 82-A.インスリンが減るとグルカゴンが増えグリコーゲンの分解と糖新生が促進される. 83-A.インスリンが低くグルカゴンが高いと,筋タンパク由来のアミノ酸の炭素骨格が肝臓で糖新生によりグルコースに合成され,アミノ酸の窒素は尿素に変換される. 84-A.インスリン/グルカゴン比が低いときは,脂肪酸は脂肪組織から遊離され肝臓でケトン体に変換される. 85-B.アミノ酸と結合するCCA配列はtRNAの3' 末端にある. 86-E.DNAはS期に複製される. 87-A.rRNAは核小体で合成される.例外は5S rRNAで,核質で合成される. 88-E.DNAの約140塩基対はヒストンを芯に周りをとりかこみヌクレオソームを形成する. 89-D.核で合成されたhnRNAは核の中でmRNAに変わり細胞質に出る.DNAは核のほかにミトコンドリアにもある. 90-E.A-T塩基対はDNAのみに,A-U塩基対はRNAのみにある.G-C塩基対はDNAとRNAに存在する. 91-B.デオキシリボヌクレオシド三リン酸dTTP,dATP,dGTP,dCTPはDNA鎖を伸長(延長)する反応の前駆体である. 92-C.mRNAのポリ(A)尾部はATPから合成される. 93-D.GTPはhnRNAのキャップ構造の基質で,そのままmRNAのキャップになる. 94-B.伸長因子(延長因子)-2,(EF-2またはeEF-2と表記)はトランスロケーションに必要. 95-A.真核細胞の開始因子(eIF-2)は翻訳の開始に必要である. 96-C.開始メチオニル-tRNAの結合には開始因子(eIF)が必要だが,成長中のペプチド鎖の内部メチオニン残基を取込むには伸長(延長)因子が必要である.EF1 (eEF-1)はmRNA上の適切なコドンにアミノアシル-tRNAが結合するのに必要である. 97-B.テトラサイクリンは原核リボソームの小サブユニットとアミノアシル-tRNAの結合を阻害する. 98-A.ストレプトマイシンは転写開始複合体の形成を阻害する. 99-D.エリスロマイシンはトランスロケーションを阻害する. 100-D.ラクターゼ欠損症ではミルクのラクトースを分解できないので,ガラクトースとグルコース濃度が低い. 101-B. 古典的ガラクトース血症(ウリジルトランスフェラーゼ欠損症)ではガラクトースがリン酸化されてもそれ以上代謝されないので,ガラクトース1-リン酸とその前駆体ガラクトースが増加する. 102-C. 砂糖(スクロース)に由来するフルクトースはフルクトース1-リン酸に変換されないので血中にたまり,尿中に排出され良性のフルクトース尿症を生じる. 103-C.アルドースB欠損症(フルクトース不耐性)はフルクトース1-リン酸を開裂する能力が低下し,肝細胞で増加する.その前駆体フルクトースが血中で増加する. 104-B. NAD+ はリンゴ酸をオキサロ酢酸に変えるのに必要である. 105-A. ペントースリン酸経路のトランスケトラーゼはチアミン二リン酸を必要とする. 106-C. ペントースリン酸経路の最初の酵素グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼはNADP+を補酵素とする. 107-A. ヘム 108-D.尿素 109-B. プリン(プリンヌクレオチド) 110-B. 鉄欠乏性貧血は小さな白っぽい赤血球が特徴である. 111-A. 内因子は食餌のビタミンB12 の吸収に必要である.B12 (あるいは葉酸)の欠乏で巨赤芽球性貧血になる.B12 の欠乏では脱髄による不可逆な神経症状も出る.内因子が減るためB12 が欠乏すると悪性貧血になる. 112-B. ピリドキシンはヘム合成の出発反応のを触媒するALAシンターゼの補酵素ピリドキサルリン酸の合成に必要である. 113-A. B12 欠乏では巨赤芽球性貧血と神経の脱髄が起こる. 114-A. 葉酸欠乏ではプリン塩基の生産が低下し,ピリミジン塩基ではチミン生産が低下するので巨赤芽球性貧血が生じる.葉酸が欠乏すればDNA合成が低下する.B12 の欠乏と異なり葉酸欠乏では神経症状はでない. 115-C.グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼの欠損でペントースリン酸経路によるNADPHの産生が低下し,酸化的ストレス時に細胞膜成分が酸化され,溶血性貧血になる. 116-B. インスリン投与を受けないI 型糖尿病患者の代謝行動は,血糖値が高いこと以外は飢餓時の人との代謝行動と似ている.脂肪組織での脂肪分解により脂肪酸を産生し,肝臓でケトン体になる. 117-A. CKは筋肉に大量に含まれる.組織が損傷すると,細胞質の酵素は血中に漏れ出る.心筋は主にMBアイソザイムを含み,骨格筋はMM型,脳はBB型を多く含む. 118-E. 尿素は肝臓で合成される.肝臓の感染で肝炎になると,尿素の産生が減り,血中尿素窒素も減少する.そのためアンモニア値が上昇する. 119-C. 腎臓は尿素,アンモニア,クレアチニン,尿酸など窒素廃棄物を排泄する.もし腎不全であればこれらの老廃物は尿には出ない. 120-E.肝臓が長期間アルコールに曝露されると肝硬変をひきおこす.機能的肝組織が減り,尿素の産生がへる. 121-D.POMC遺伝子産物は一種の前駆体タンパクで,切断されてACTH,βリポトロピン,MSH,エンドルフィンを産生する. 122-A. LHはLeydig細胞の膜受容体に結合し,テストステロン産生を促進する. 123-C. 骨端板が閉じた後,成長ホルモンが過剰に分泌されると,あご,鼻,四肢や頭蓋骨の肥大を特徴とするる末端肥大症をひき起こす. 124-B. アルドステロンはナトリウムイオンの再吸収をひきおこし,その結果,水の再吸収も起こる.バソプレッシン(抗利尿ホルモン)は水の再吸収を促進する. 125-D.プロラクチンは乳汁タンパクのαラクトアルブミンを産生し,これがラクトース合成を促進する. 126-A. オキシトシンは分娩時に子宮を収縮させ,授乳中は乳腺の筋上皮細胞の収縮を起こす. 127-B. 甲状腺ホルモンの低値は下垂体前葉からTSHの分泌を上昇させる. 128-D.視床下部のソマトスタチンは下垂体前葉の成長ホルモンの産生と分泌を抑制する. 129-A. ドーパミンはプロラクチン(PRL)の産生と分泌を阻害する.したがってドーパミンが低いと下垂体前葉でPRLの産生と分泌が増す. 130-E. Addison病でみられるアルドステロンの低値は低血圧になる. 131-B. 血糖は脳の主な燃料である.絶食3〜5日後には血中ケトン体濃度が脳で利用できるレベルにまで上がる. 132-B. 赤血球はミトコンドリアを欠き,エネルギーをグルコースに依存する. 133-C. 脂肪酸は空腹時肝臓での主な燃料である. 134-A. ケトン体は絶食3〜5日後には脳で使われる. 135-D.筋肉,特に白色線維が多い(ミトコンドリアの少ない)筋肉では運動時に貯蔵グリコーゲンを利用する. 136-A. カルニチンはβ酸化が行われるミトコンドリアに脂肪酸を輸送するのに使われる.カルチニンが欠乏すると脂肪酸が蓄積する. 137-B. ケトン体は脂肪酸の酸化で生じるアセチル-CoAから肝臓でつくられる.カルニチンが欠乏すると,脂肪酸は酸化されず,ケトン体はつくられない. 138-B. 脂肪酸が使えないとエネルギー産生のためより多くのグルコースが使われる. 139-C. 細胞はエンドサイトーシスでLDLを取込み,リソソーム酵素がコレステリルエステルを加水分解してコレステロールを放出する. 140-B. VLDLは食事中のジェリービーンズに含まれる糖から肝臓で合成される. 141-D.HDLは細胞膜からコレステロールを除去する.コレステロールをコレステリルエステルに変えるレシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)反応はHDLで起こる. 142-A. キロミクロンは小腸上皮細胞で食餌中の脂肪から合成されるトリアシルグリセロールを含む. 143-B. コラーゲン合成またはプロセシング(翻訳後修飾)の欠損でEhlers-Danlos症候群になる. 144-C. Parkinson病ではドーパミンレベルが低い. 145-E. Tay-Sachs病ではヘキソサミニダーゼが欠損するので,部分分解されたスフィンゴ脂質(ガングリオシド)がリソソームにたまる. 146-A.McArdle病では筋ホスホリラーゼが欠損しグリコーゲンが蓄積する(糖原病). 147-D.メープルシロップ尿症では,バリン,イソロイシン,ロイシンなどの分枝アミノ酸の代謝に関与するα-ケト酸デヒドロゲナーゼが欠損する. 148-B. ペラグラは食餌のナイアシン欠乏による. 149-A. 壊血病はビタミンCの欠乏による. 150-E. 脚気は食餌のチアミンの欠乏による. 151-C. くる病は食餌のビタミンD欠乏による.