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丸善創業140周年記念出版

ストレス百科事典

ストレス百科事典翻訳刊行委員会 編  日本ストレス学会 編集協力
B5判・上製・3500ページ/5分冊(分売不可)・函入 本体価格200
,000円 ISBN978-4-621-08111-2


編集委員長
下光輝一
(東京医科大学、日本ストレス学会理事長)

編集幹事
石川俊男
(国立国際医療センター国府台病院)・島  悟(京都文教大学・神田東クリニック)
武田弘志(国際医療福祉大学)・角田 透(杏林大学)・村上正人(日本大学板橋病院)
小田切優子(東京医科大学)

編集委員
相澤好治
(北里大学)・飯森眞喜雄(東京医科大学)・大野 裕(慶應義塾大学)・川上憲人(東京大学)
久保千春(九州大学)・坂野雄二(北海道医療大学)・田中正敏(久留米大学名誉教授・堀川病院)
辻 稔
(国際医療福祉大学)・津田 彰(久留米大学)・坪井康次(東邦大学)・永田頌史(産業医科大学)
中村 賢(北里大学)・夏目 誠(大阪樟蔭女子大学)・成田 年(星薬科大学)・野村 忍(早稲田大学)
松野俊夫
(日本大学)・森本兼曩(大阪大学)・山崎久美子(防衛省)・六反一仁(徳島大学)



定評のあるリファレンス『Encyclopedia of STRESS, Second Edition』全4巻(Elsevier刊 George Fink 編集 2007年4月)を初めて翻訳
17領域、545項目、3,500ページの大著
不安神経症、うつ病、PTSDなどのストレス関連疾患から、日常生活で生じるストレスまで幅広くカバー
ストレス反応に関わるサイトカインなどの免疫学、中枢神経系の分子生物学、セロトニンの薬理作用等の基礎関連領域からテロリズムなど社会が抱える諸問題、さらには肥満や糖尿病などの関連分野にも言及

ストレス百科事典の刊行にあたって

 現代はストレスの時代である、と言われて久しい。現代社会における様々な出来事、国家間の戦争、国内における内戦と騒乱、宗教対立、貧困と飢餓、経済不況、職場における過重労働や失業の問題、学校、地域、家庭などの日常生活の場においても、人々は様々なストレス要因に曝されている。またうつ病や過労死などストレス関連疾患に陥っている人も多い。そして地域や職域などにおいてストレスやストレス関連疾患への対応が喫緊の課題となっているが、世界保健機関や国や地方自治体などの行政レベルから個人のレベルまで十分な科学的、系統的、包括的な対策が行われているとは言い難い。日々ストレスに曝される中で人々は出口なしの袋小路に陥っているといっても過言ではなかろう。その理由として考えられることは、ストレスにかかわる様々な現象や病態についての科学的な研究とそのメカニズムの解明が十分に進んでいないこと、また人々のストレスを評価する方法がいまだ確立していないことにあるだろう。これらは、人々がストレスに立ち向かい、ストレスを克服するための必要条件である。
 ここに紹介するストレス百科事典“Encyclopedia of Stress Second ed.”(Academic Press, 2007)は、1907年にハンガリーのブダペストで生を受けたハンス・セリエ博士により研究が開始されて以来深化し広がっていったストレス科学研究にかかわるあらゆる項目を、余すところなく網羅しエンサイクロペディアとしてまとめた大著である。第1版は2000年に出版されたが、大変好評であったため、新たに30%の項目に加筆、更新がなされ、9・11などのテロや暴動、分子生物学における新知見など2000年以降新たに加えられた100余りの項目が加わり、第2版として出版された。ストレス科学に関連する研究のこれまでのあらゆる知見が17領域、545もの項目、全4巻3500ページにまとめられたものである。この第2版が出版された2007年は、ハンス・セリエ生誕100周年に当たり、彼の生地ブダペストと研究所のあったカナダのモントリオールでセリエ追悼の記念シンポジウムが開催され、特にモントリオールではノーベル生理学賞受賞者のロジェ・ギルマン博士をはじめとする錚々たる高弟達が集い、セリエ博士を追悼した年でもあり感慨深いものがある。
 本書の内容は、ストレスの生理学、視床下部下垂体副腎系、交感神経系、免疫系のストレス反応のメカニズムから、心理社会的ストレス、分子生物学、神経薬理学、うつ病、強制収容所、魚や哺乳類のストレス、刑務所、警察のストレス、地震や災害とストレス、小児のストレス、テロリズムとストレス、原爆とストレス、原発事故とストレス、ホロコースト、湾岸戦争やベトナム戦争とストレス、職業性ストレスなど、実に社会のあらゆる場面におけるストレスと生体のあらゆる側面からのストレス反応メカニズムについての記述がある。各々の項目は当代一の執筆者が書き下ろしたもので、大変興味深く、また最新の科学的な情報が網羅されており、ストレスに関心を持つあらゆる人に役立ちうる書である。
 今回、丸善株式会社から創業140周年記念事業として翻訳を依頼された日本ストレス学会は、ストレス科学研究をキーワードとして多方面の研究者が一堂に会した世界でも珍しい学際的な学会であり、このような記念事業を担うのにふさわしい組織として、依頼をお受けした。翻訳に携わった人々は、主に日本ストレス学会の会員であり、分子生物学から社会医学までの多様な分野においてストレス科学研究を行う我が国のストレス科学の専門家である。また、学会員でカバーしきれない一部については、当該分野の第一級の専門家にご協力をいただいた。本事典が、我が国におけるストレス研究の飛躍ならびに、あらゆる分野のストレス対策と社会の健全な発展に役立つことを願ってやまない。
日本ストレス学会理事長 東京医科大学教授 下光輝一

翻訳者一覧



収載17領域

●動物実験とモデル ●闘争、戦争、テロリズム ●災害 ●日周的、季節的、超概日性のリズム ●薬物(作用)
●薬物(治療) ●一般概念とモデル ●遺伝学とゲノム科学 ●人間の認識力、情動、行動
●人間の健康と身体疾患 ●人間の精神保健と精神病理学 ●免疫学、感染、炎症 ●検査とテスト ●治療
●生理的、薬理学的、生化学側面 ●心理的治療 ●心理社会的、社会経済的側面

収載項目(抜粋)

アルコール,アルコール依存症とストレス:精神生物学的な観点、境界性パーソナリティ障害(BPD)、喘息、自己免疫、死別反応、βアドレナリン受容体遮断薬、血液脳関門とストレス、脳と脳領域、燃え尽き、心血管系とストレス、介護者とストレス、中枢ストレス神経回路、小児虐待、慢性疲労症候群、概日リズムの遺伝学、比較解剖学と生理学、コーピング・スキル、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)、犯罪被害者、危機介入、臨界温度限界、クッシング症候群(医学的側面)、サイトカイン、要求度‐コントロールモデル、うつ病とストレス(n-6およびn-3脂肪酸の役割)、災害症候群、疾患(ストレス誘発性疾患)、家庭内暴力、ドーパミン(中枢神経系)、薬物使用と薬物乱用、地震によるストレス影響、摂食障害とストレス、努力‐報酬不均衡モデル、ストレス反応の進化の起源と機能、家族療法、摂食回路と神経化学、ジェンダー(性差)とストレス、遺伝要因とストレス、グリアまたは神経膠細胞(グリア細胞)、記憶に対するグルココルチコイドの作用:促進と抑制作用、心臓病/心臓発作、海馬ニューロン、HIV感染症/AIDS、同性愛とストレス、視床下部‐下垂体‐副腎系(軸)、免疫能(ストレスによる増強)、免疫監視機構,癌,ストレスの影響、近親(相)姦、仕事不安定:心理社会的な仕事のストレッサーの健康への影響、統合医療(補完・代替医療)、白血球輸送とストレス、婚姻状況と健康問題、医療専門職とストレス、解離性同一性障害、神経内分泌系、深夜の交替制勤務、肥満,ストレスと、オレキシン、臓器移植のストレス、育児ストレス、パーキンソン病、平和維持、ペプチド、ストレスにおける薬理学的治療、下垂体調節の役割、妊娠(妊娠および周産期のストレス)の影響、月経前不快気分障害、血圧(極端に高圧または低圧の影響)、霊長類の社会階層とパーソナリティ、戦争捕虜、問題解決技能訓練、タンパク質分解酵素,原核生物および真核細胞小器官における、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)、回復,ストレスからの、定期航空便事故、宗教とストレス、生殖機能障害,行動学的誘導性,霊長類における、拘束ストレス、統合失調症、学校ストレスと不登校行動、季節的リズム、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、自尊感情,ストレスと情動、セロトニン、性機能障害、睡眠,睡眠障害とストレス、喫煙とストレス、ソーシャルネットワークと社会的孤立、ステロイド水酸化酵素、中枢神経系(CNS)興奮:ゲノム寄与,ストレスと、ストレスの定義と概念、テロリズム(テロ)、熱耐性,熱抵抗,温度感受性、近隣ストレスと健康、バソプレッシン、職場ストレス


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