【2017年9月新刊情報】
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中国古代化学 新しい技術やものの発明がいかに時代をつくったのか
産後リハにおける腹部・骨盤へのアプローチ 腟・会陰部のケア、尿失禁、骨盤臓器脱、会陰・骨盤痛の予防のためのエクササイズ
耳科学アトラス 第4版  形態と計測値
47都道府県・妖怪伝承百科
ジョン・ロックの道徳哲学
科学を伝え、社会とつなぐ サイエンスコミュニケーションのはじめかた
構造物性物理とX線回折
風景にさわる ランドスケープデザインの思考法
ミュオグラフィ ピラミッドの謎を解く21世紀の鍵
サイエンス・パレットSP-035 対称性  不変性の表現

◆中国古代化学 新しい技術やものの発明がいかに時代をつくったのか
趙 匡華 著  廣川 健 監修  尾関 徹・  凌峰 訳・B6 278頁 ISBN 978-4-621-30184-5 C1043 2017年9月発行
定価 本体1,500円+税
新石器時代以前から清代に至る中国の化学技術の発展の歴史を、今日の科学的知見をもとに紹介。 化学の立場から、現代科学の基礎概念の発展に古代中国が関わってきた役割を知ることができます。内容には、青磁・唐三彩・天目釉に代表される窯業、青銅・黄銅・白銅・鋼等の冶金、種々の丹薬の開発と物質に関する古代概念の形成、火薬の発明、さらに、製塩技術や、糖・酒・酢・味噌・醤油という発酵・醸造技術、藍・茜・紫・黄檗などによる染色や、織物の洗浄技術の発展の経緯が含まれます。

亜鉛は西洋科学史では18世紀に発見されたとされていますが、実は中国では6世紀(随の時代)にすでに発見されていました。
西洋科学史では古代エジプトから17世紀までを「錬金術の時代」と呼びますが、中国では「金をつくる錬金術」は完成していたといえるかもしれません。その理由は、金と同じくらい錆びにくく同じ色と輝きをもち、実用に耐えうる、銅と亜鉛の合金、黄銅(真鍮)が発明されていたからです。
【目次】
1章 中国古代の製陶と製磁における化学的成果
   1 中国製陶技術の進歩と化学的成果
   2 中国の古磁器(古瓷)とその化学的成果
   3 中国古代に独自に作り出されたガラス(玻璃)

2章 中国古代の冶金における化学的成果
   1 銅と青銅の製錬における化学
   2 中国古代に始まった胆水による冶銅
   3 黄銅と金属亜鉛の製錬
   4 中国古代の独特な2種類の白銅
   5 中国古代における多種多様な鋼鉄製錬技術
   
3章 中国煉丹術と製薬学における化学的業績
   1 中国煉丹術の理論的な考え方について
   2 中国煉丹術中の実験設備
   3 中国古代丹薬化学の成果
   4 硝石、硫黄と火薬の発明

4章 中国古代の塩と糖の化学技術
   1 中国古代の製塩
   2 中国古代の飴糖と蔗糖の加工

5章 中国古代の醸造における化学的成果
   1 中国古代の酒造化学
   2 中国古代の酢と味噌の醸造化学

6章 中国古代の染料と染色における化学的成果
   1 古代中国の染料
   2 染料技術の進展
   3 漂染技術の進歩

付録
   中国における量の単位
   中国王朝年表
   地図

索引

◆産後リハにおける腹部・骨盤へのアプローチ 腟・会陰部のケア、尿失禁、骨盤臓器脱、会陰・骨盤痛の予防のためのエクササイズ
Kathe Wallace  田舎中 真由美 訳  木野 秀郷 監修・A5 150頁 ISBN 978-4-621-30196-8 C3047 2017年9月発行
定価 本体4,000円+税
ウィメンズヘルス(女性健康医学)の中でも、妊娠中および産後の女性リハビリテーションに対する関心が近年高まっています。産後は赤ちゃん中心の生活になり、後回しになりがちなお母さんの体ですが、出産で骨盤底の筋肉や繊維組織が大きく押し広げられると、筋肉の一部や繊維が断裂したり、伸びたまま元の状態に戻らず、「骨盤底の損傷」と呼ばれる状態になります。ですが、損傷を受けた会陰部などの骨盤底筋群のケアや、ゆるんだ骨盤のケアはまだ十分に普及しているとはいえず、医師や助産師、理学療法士による連携介入は、現状ではほとんどなされていません。

本書は、このような産後の痛みや症状に悩む女性のケアのために書かれています。米国のセラピスト、キャシー・ウォレスの豊富な経験を元とした、ウィメンズヘルスを専門とする理学療法士、助産師の患者指導に役立つ臨床書です。産後女性の社会復帰や、高齢者女性の尿失禁のケアにも有用な一冊となっています。もちろん、専門家だけでなく、これから分娩をされる方、すでに分娩をされた方、そのパートナーの方にもおすすめです。
【目次】
序 論 エミリーの日常的なお話
用語集 外陰・会陰部の解剖用語/状態
概 観 出産は女性の体をどう変え、性的能力を試そうとしているのか、
    それが変わると何が起こるのか?

第1章 洗浄、衣服とケア 出産直後とその後の外陰・会陰部の変化
第2章 骨盤各部の名称 チェックポイント
第3章 乾燥や疼痛をともなう部位 出産後の腟の潤い
第4章 解放 リラックス・アンド・リリース呼吸
第5章 性的活動時の課題 骨盤底筋群リリースエクササイズ
第6章 分娩時の裂傷への対処方法 会陰切開や会陰裂傷
第7章 腟挿入時の痛み 腟と骨盤底筋群、発痛点(トリガーポイント)と
    瘢痕組織をリリースするための経腟ストレッチ
第8章 腟の緩みや違和感 骨盤底筋群エクササイズ
第9章 Pelvic Floor Play(TM)
     性的欲求を高めるための呼吸法と動きのテクニック
第10章 コアの回復 体幹強化と帝王切開創の柔軟性のためのエクササイズ

まとめ
女性のための情報

◆耳科学アトラス 第4版  形態と計測値
野村恭也・原田勇彦・平出文久・小林一女  ・木村百合香  著・B5 304頁 ISBN 978-4-621-30191-3 C3047 2017年9月発行
定価 本体19,000円+税
本書は、1974年に初版が刊行されて以来、耳科学分野の解剖学アトラスとして永らく医学生、研修医、専門医の間で「座右の書」として読まれています。今回は9年ぶり、4度目の改訂版です。

著者の野村恭也医師(国際耳鼻咽喉科学振興会理事長、東京大学名誉教授、昭和大学客員教授)は、国内外で広く知られており、本書に収載される側頭骨構造の線描図は野村医師監修のオリジナルであり、メディカルアートとしての希少価値も高いです。副題の「形態と計測値」のとおり、側頭骨構造を数値で計測する本としても、世界で類もなく、今改訂では、新たに17章「系統発生」が新設、40点に及ぶイラストの修正・追加、文献の刷新など、最も新しい「耳科学の古典」としてアップデートを遂げています。
【目次】
Chapter01 側頭骨( I )
Chapter02 側頭骨( II )
Chapter03 耳介・外耳道
Chapter04 鼓 膜
Chapter05 耳小骨・耳小骨筋
Chapter06 鼓 室
Chapter07 耳 管
Chapter08 顔面神経
Chapter09 迷路骨包
Chapter10 内耳道
Chapter11 蝸 牛
Chapter12 耳石器
Chapter13 半規管
Chapter14 内耳液
Chapter15 内耳血管
Chapter16 発 生
Chapter17 系統発生


◆47都道府県・妖怪伝承百科
小松和彦・常光 徹 監修  香川雅信・飯倉義之 編著・四六 374頁 ISBN 978-4-621-30158-6 C0539 2017年9月発行
定価 本体3,800円+税
ファンタジー世界の中に現れる「妖怪」。
それらの多くは、長い歴史をもった日本の奥深く豊かな妖怪文化からやってきています。もともとは妖怪=「身の回りの不思議・怪異をもたらす現象、現象をもたらす存在」のことですが、江戸時代ごろより妖怪図鑑が作られるなど、姿かたちが描かれるようになり、1つのキャラクターとなっていきました。
このような日本の妖怪の温床は、全国各地で伝わる数多くの民間伝承です。

本書では、民俗学的視点から各地の生活文化・歴史に息づいた妖怪=鬼、天狗、海の怪、川の主、人魂、入道、小豆とぎ、座敷童子、狐、ムジナ、人魚など、地域の自然現象や史実から生み出された特徴的な妖怪たちを、民俗学的視点から都道府県の切り口で紹介しています。畏怖、あるいはユーモラスで不思議、非日常的な存在でありながら、どこか身近でもあるような妖怪たちの魅力とエピソードを知ることができます。
都道府県別に紹介される各地の妖怪を拾い読みする事もできますし、民間伝承や民俗社会における妖怪に関心のある方々にとって興味深い1冊ともなっています。
【目次】
第 I 部 概説
1. 妖怪とは何か
民間伝承のなかの妖怪/概念としての妖怪/妖怪「によって」考える/伝説としての妖怪、世間話としての妖怪/妖怪図鑑の登場と妖怪のキャラクター化/妖怪の三つのカテゴリー/「自然」の象徴としての妖怪

2. 妖怪の歴史
古代の「神」と「鬼」/邪しき神、荒ぶる神/不定形の「鬼」たち/「天狗」の登場/「妖怪バブル」の時代/動物としての妖怪/「幽霊」の近代

3. 妖怪出現の時間と場所
妖怪は時や場を定めて−−柳田國男の妖怪論/妖怪は境界に出る−−宮田登の「境界論」/妖怪の「場所のセンス」と「偏在化」

4. 妖怪研究の歴史と現在
妖怪研究事始め−−井上円了の「妖怪学」/妖怪愛好者の源流−−江馬努と風俗史学/民俗学の妖怪研究−−柳田國男の登場/妖怪研究再始動−−宮田登・小松和彦/これからの妖怪研究に向けて

第 II 部 都道府県別 妖怪伝承とその特色

章別・都道府県別参考文献リスト

◆ジョン・ロックの道徳哲学
佐々木 拓 著・A5 312頁 ISBN 978-4-621-30200-2 C3310 2017年9月発行
定価 本体5,200円+税
十七世紀英国の哲学者、ジョン・ロック(John Locke, 1632-1704)。
彼の名声に比して、その道徳論はこれまで正確に評価されてこなかったように思えます。 本書は、道徳論の核心を、主著『人間知性論』の中に見出し、これまでは道徳との関係から論じられてこなかった、ジョン・ロックの自由論、人格同一性論を道徳論の中で解釈し、これまで光の当たらなかったサンクションの視点から捉え直すことを目指しまとめられました。

本書は、序章を除き全7章で構成されています。
第2章では、道徳の論証可能性テーゼの理解の確認、第3章と第4章では、ロックの自由(意志)論に突きつけられた問題の解決を目指します。第5章では、ロックの動機付け理論、第6章では、ロックの人格同一性論を批判から擁護し、その整合性を示すこと、ロックの理論が実際の基準として問題なく機能することを示しています。最後の第7章では、これまでの議論をふまえ、ロックの自由論を道徳の領域の中に積極的に位置づける理由が示されています。
これら論考は奥深く魅力的なロック哲学への誘いであり、また、現代の道徳哲学を解きほぐす道標となる一冊といえます。
【目次】
序章 ロック道徳哲学の背景と本書の目的
本書の目的
理論上の経緯―ロック道徳論の拡張
研究上の背景―ロック道徳論における伝統的な論点
本論の構成

第一章 ロック哲学への誘い、自由論、そして人格同一性論
 第一節 ロック哲学の魅力
 第二節 ロックの生涯
 第三節 自由意志問題
 第四節 人格の同一性論
 第五節 なぜ今ロックなのか

第二章 道徳の論証はいかにして可能か
 第一節 知識の分類―絶対的知識と蓋然的知識
 第二節 観念の分類
 第三節 行為、法、サンクションの関係としての道徳
 第四節 道徳の論証可能性

第三章 ロック自由論における内在的矛盾とその解消
 第一節 ロックの意志決定理論
 第二節 ロック自由論の研究背景
 第三節 自由の定義
 第四節 欲求保留原理
 第五節 チャペルのロック批判
 第六節 ヤッフェの自由意志実在論的アプローチ
 第七節 二つの解釈の中庸
 第八節 本章のまとめと位置づけ

第四章 有意的でありながら自由ではない行為は可能か
 第一節 自由論における「閉じ込められた男」の例の位置づけ
 第二節 ロウによるロック批判
 第三節 ロウの議論の検討
 第四節 フランクファート型事例としての「閉じ込められた男」問題

第五章 ロック哲学における動機づけの力―幸福、欲求、そして落ちつかなさ
 第一節 意志決定の基本構造
 第二節 マグリ説における動機づけの力
 第三節 何が動機づけの力をもたないのか―マグリ説の検討
 第四節 ロック研究の今後に向けて
第六章 帰責の観点から眺める人格同一性
 第一節 同一性と人格の定義
 第二節 ロック人格同一性論への批判
 第三節 反論
 第四節 人格同一性の規範的な役割
 第五節 人格同一性と道徳の論証可能性

第七章 サンクションの帰属要件としての自由
 第一節 前章までの議論の要約
 第二節 力能再考―人格同一性の場合
 第三節 サンクション帰属の条件としての自由
 第四節 自由の規範的意味―抗弁理由としての自由
 第五節 ロック道徳哲学の持つ現代的意義
 おわりに

◆科学を伝え、社会とつなぐ サイエンスコミュニケーションのはじめかた
独立行政法人 国立科学博物館 編・A5 192頁 ISBN 978-4-621-30197-5 C0040 2017年9月発行
定価 本体1,800円+税
サイエンスコミュニケーションとは、「科学の専門家と一般の人びとをつなぐ」「科学と社会をつなぐ」活動です。科学への興味関心をどのようにもってもらうか?社会的課題の解決に科学がどのような役割を果たせるのか?多くの人びとと共に考えるにはどうすればいいのか?など、今、さまざまな場面でサイエンスコミュニケーションが求められています。

国立科学博物館は、2006年からサイエンスコミュニケータの養成に取り組んできました。 本書は、その10年以上にわたる経験を集約させたテキストです。本書には、研究機関やメディア、企業など、各分野の第一線で活躍しているコミュニケータの考え方やノウハウがこの一冊に凝縮されています。
研究者や学生、学芸員や理科教員、マスコミ関係者など、科学に関係する方に広くお薦めしたい一冊です。
【目次】
序章 サイエンスコミュニケーションのはじまり

第 I 部 サイエンスコミュニケーションの広がり
1 私たちの身の回りにあるサイエンスコミュニケーション
2 研究機関や企業のサイエンスコミュニケーション
3 地域や社会でのサイエンスコミュニケーション

第 II 部 はじめよう サイエンスコミュニケーション!
4 国立科学博物館の考えるサイエンスコミュニケータ
5 科学を「深める」
6 科学を「伝える」
7 科学と社会を「つなぐ」

終章 知の循環型社会に向けて

◆構造物性物理とX線回折
若林裕助 著・A5 290頁 ISBN 978-4-621-30195-1 C3042 2017年9月発行
定価 本体3,800円+税
あらゆる物質は、原子の組み合わせでできています。原子が物質の中でどのように配置されているかを知り、その物質が持つ伝導性や磁性といった性質との関係を深く理解できれば、より高度な機能を持つ物質を設計することも可能になります。

“普通の物質の普通の性質”を明確にすることで、個々の研究で問題になるような特殊な性質を浮かび上がらせることを目標とし、伝導性や磁性と原子配置がどう関係するかまで解説しています。
本書は2部構成となっています。第 I 部では、格子系に注目して固体物理を整理します。物性と構造の関係を概観し、重要項目をまとめます。 第 II 部では、X線回折での構造観測法を解説します。理想的な回折理論だけでなく、試料によるX線の吸収、多重散乱などの現実的な現象についても述べています。実験を進めるために必要な知識が身に付く一冊です。
【目次】
第 I 部 構造に着目した物性物理
第1章 原子間に働く力
1.1 原子とイオン/1.2 イオン結合/1.3 ファンデルワールス力/1.4 共有結合/1.5 金属結合/1.6 水素結合

第2章 熱的性質
2.1 熱振動とフォノン/2.2 動力学行列を用いた表記/2.3 格子比熱/2.4 熱膨張/2.5 固体の融解

第3章 電気的性質
3.1 結晶に対するバンド理論/3.2 バンド構造と結晶構造/3.3 イオンの価数が構造に及ぼす影響/3.4 飛び移り積分/3.5 金属と非金属/3.6 誘電性

第4章 磁気的性質
4.1 軌道角運動量と原子の変形/4.2 結晶場/4.3 遍歴電子の磁性/4.4 交換相互作用/4.5 さまざまな磁気構造/4.6 磁気秩序由来の格子歪み

第5章 相転移
5.1 ランダウの自由エネルギー/5.2 二次相転移/5.3 秩序変数の空間依存性と相関長/5.4 一次相転移/5.5 二相共存状態/5.6 相境界の動き/5.7 実験との対応

第6章 構造に対する摂動
6.1 加圧/6.2 化学置換/6.3 薄膜化


第 II 部 構造観測法 X線回折理論
第7章 結晶からのX線の回折
7.1 電子によるX線の散乱/7.2 結晶からのX線の散乱. /7.3 逆格子/7.4 エヴァルト球/7.5 原子散乱因子と構造因子/7.6 畳み込みとフーリエ変換の積/7.7 結晶の外形によるブラッグ反射形状の変化/7.8 運動学的回折理論と動力学的回折理論

第8章 現実の結晶に対する回折実験
8.1 現実の結晶に対する単純なモデル/8.2 多重散乱/8.3 消衰効果/8.4 吸収/8.5 装置分解能/8.6 ローレンツ因子/8.7 偏光因子/8.8 コヒーレンス

第9章 構造解析
9.1 三次元周期構造/9.2 構造解析で用いる回折データ/9.3 構造解析からわかること・わからないこと/9.4 熱振動・原子位置の乱れ/9.5 双安定構造と構造の乱れ/9.6 構造解析の結果に基づく物性物理の議論

第10章 超格子反射
10.1 周期的な原子変位(位相変調) /10.2 化学的な変調(強度変調) /10.3 逆格子点に対して強度が非対称に出る超格子反射/10.4 ピーク幅と相関長/10.5 超格子反射の測定に基づく物性物理の議論

第11章 表面構造解析
11.1 表面からの散乱−−−CTR散乱/11.2 表面構造とCTR散乱の定性的な関係/11.3 表面構造の解析法/11.4 表面構造解析に基づく物性物理の議論

第12章 散漫散乱
12.1 結晶の乱れからの散乱/12.2 フォノンからの散乱(熱散漫散乱) /12.3 点欠陥に由来する散乱(ホアン散乱) /12.4 化学的な濃度揺らぎに起因する散乱/12.5 解析の手法/12.6 散漫散乱測定に基づく物性物理の議論

付録A CDWと格子変調の相互作用
付録B 実空間と逆空間との接続
B.1 ミラー指数/B.2 ブラッグの法則

参考文献
索引

◆風景にさわる ランドスケープデザインの思考法
長谷川浩己 著・A5 142頁 ISBN 978-4-621-30204-0 C3052 2017年9月発行
定価 本体2,600円+税
「世界とはいろんなことの関係性の網み目のようなもので、その現れようがそれぞれ固有の風景であり、ランドスケープデザインは、それらの関係がまさしくかたちとして現れ、その場に立ち会うことができる。それが面白いし、難しい。」著者はそのように述べています。 また、ランドスケープデザインについて、「一つの考え方、ものの見方で、明晰に語られる考え方ではなく、おぼろげな輪郭とともに浮かび上がってくる多面体のような考え方である」とも述べています。

本書は、そのような「ランドスケープデザイン」のイメージを伝えることを目指して刊行されました。 数多くのランドスケープデザインを手掛け、醸成された著者独自の思考をスケッチやイラスト、図面とともに紹介し、読者に建築、風景、社会を考えるきっかけを与える設計手引き風読み物となっています。
それぞれが独立したキーワードになっており、それらが互いに緩やかに関係しあっています。ランドスケープデザインを「風景を構成する膨大な他者たちとの関係を模索するデザイン」と捉え、そのディテールから風景までを言葉で描き切る一冊です。
【目次】
I 思考の手がかり
01 風景に気づく
02 関係性に参加する
03 場所を設える
04 風景は公共空間である

II デザインの手がかり
01 風景を再編集する
02 場所が生まれる契機をデザインする
03 体験をデザインする
04 時間を生きるデザイン

◆ミュオグラフィ ピラミッドの謎を解く21世紀の鍵
田中宏幸・大城道則 著・四六 352頁 ISBN 978-4-621-30194-4 C0040 2017年9月発行
定価 本体3,000円+税
「ミュオグラフィ」とは、素粒子ミュオンを用いて巨大物体の内部を描き出す最先端の科学技術のことをいいます。
フォトン(光子)を使って物体を映し出す技法を、日本語では写真といいますが、英語ではフォトグラフィといいます。その理由は、ギリシャ語で「光」を表すフォトス(PHOTOS)、「描くこと」を表すグラフィ(GRAPHE)を併せて作られた言葉だからです。2009年にそれと同じ理屈で、「MUON」と「GRAPHE」を併せた言葉「ミュオグラフィ(MUOGRAPHY)」という言葉が作られました。

本書は、最新の科学技法である「ミュオグラフィ」を用いて、最終的にはクフ王のピラミッドと並ぶ大ピラミッド「カフラー王のピラミッドの重さを計る」とう前例のない問題に挑戦しています。そこで得られた新たな知見・情報から、ピラミッド研究に対する新たな可能性、ミュオグラフィ自体が持つさらなる可能性が指し示された興味深い内容の一冊といえるでしょう。
【目次】
《第1部 ピラミッド》 
第1章 ピラミッドは「墓」なのか?
 1.1 古代エジプトにおける埋葬
 1.2 古代エジプトにおける墓の発展過程 
 1.3 ミイラの誕生と身代わり人形シャブティ
 1.4 ピラミッドとミイラ

第2章 ピラミッドの持つ意味について
 2.1 カノポス容器にみる古代エジプト人の死生観
 2.2 古代エジプト人の死生観とミイラ製作
 2.3 カノポス壷とはなにか
 2.4 ピラミッドの中のカノポス容器
 2.5 ピラミッドは王の墓である

第3章 ピラミッド両墓制論からの視点
 3.1 ケントカウエス王妃はエジプト王となったのか?
 3.2 シェプセスカフ王とマスタバ・ファラウン
 3.3 ケントカウエス王妃と第5王朝の誕生
 3.4 ケントカウエス王妃とギザの第四のピラミッド
 3.5 ケントカウエス王妃とアブ・シールのピラミッド

第4章 ピラミッドはどのようにしてつくられたのか?
 4.1 古代エジプトにおけるピラミッドに関する記
 4.2 古代ギリシア・ローマ人たちの記述
 4.3 21世紀以前のピラミッド学
 4.4 21世紀以後のピラミッド学とネオ・ピラミッドロジー(Neo Pyramidology)の提唱

第5章 ピラミッドの重さ
 5.1 ピラミッドは重いか軽いか
 5.2 メイドゥムの崩れピラミッド
 5.3 ダハシュールの屈折ピラミッド
 5.4 ダハシュールにある赤ピラミッド
 5.5 ラフーンのピラミッドの持つ意味
 5.6 ピラミッドと地震と耐震構造
 5.7 文明は自然災害で進歩する

《第2部 ミュオグラフィ》
第1章 宇宙からの素粒子ミュオンで巨大物体を視る
 1.1 ミュオグラフィの黎明
 1.2 ミュオグラフィとは
 1.3 ミュオグラフィの試み

第2章 ミュオグラフィの原理
 2.1 銀河系起源のミュオン
 2.2 物質を透過するミュオン
 2.3 透視画像作成の流れ
 2.4 ミュオグラフィ観測技術の発展
 2.5 ミュオグラフィ観測技術の新たな展開

第3章 ミュオグラフィ研究の加速
 3.1 世界におけるミュオグラフィ
 3.2 ピラミッドから火山へ、そして再びピラミッドへ

サイエンス・パレットSP-035 対称性  不変性の表現
Ian Stewart 著  川辺治之 訳・新書 180頁 ISBN 978-4-621-30203-3 C0341 2017年9月発行
定価 本体1,000円+税
一般に“対称性”という言葉は、左右対称(線対称)や点対称として使用され、視覚的なイメージが先行しますが、数学者は、対象のある種の性質が変わらないような変換として対称性を特徴づけています。

日常生活に関する対称性の簡単な例から始め、平行移動、回転、鏡映、置換などの対称変換の考察から、対称性の本質に迫ります。また、結晶、水の波、砂丘、地球の形状、渦巻銀河、動物の模様、貝殻、動物の歩容、オウムガイの貝殻といった自然のパターン、特に日常生活に馴染みあるもの中に潜む対称性とその表現や、ノーベル物理学賞などでもキーワードとなる対称性の破れという概念など、対称性に関する広大な世界をイワン・スチュアートが描きます。
【目次】
はじめに
第1章 対称性とは
第2章 対称性の起源
第3章 対称性の分類
第4章 群の構造
第5章 群とパズル
第6章 自然のパターン
第7章 万物の法則
第8章 対称性の原子