カラー画像で学ぶ、宇宙科学の入門教科書
最新天文百科 宇宙・惑星・生命をつなぐサイエンス

Michael A. Seeds, Dana E. Backman 著
有本信雄 監訳   中村 理・高木俊暢・松浦美香子・小野寺仁人 訳

B5判・576頁 本体価格15,000円 ISBN978-4-621-08278-2
発行:丸善株式会社



地球上ではじめて生命が誕生してから、知性を持った人間が登場するまで、長い進化の旅がありました。
ビッグバンで宇宙が生まれてから、はじめての生命が誕生するまでには、
もっと長く険しい歴史がありました。

「私たちはいったい何者なのだろうか?」

その深遠な問いについて考えるための鍵が、本書には随所に散りばめられています。
 
私たちは、この途方もなく広い宇宙の中では、ほんの小さな存在でしかありません。
しかし、私たちは確かに地球の一部を担い、地球は宇宙の一部を担っています。
時間と物質を通して、宇宙、地球、私たち生命はつながっているのです。

本書は、宇宙・惑星・生命を一冊で学べる構成になっています。
天文学は、宇宙のしくみを知るだけでなく、
私たち自身について考える学問でもあるのです。

美しい天体画像とともに、
宇宙と私たちのはるかなつながりに思いをめぐらせてみましょう。



本書の特長

 カラー画像とイラストが豊富な天文学の教科書。空のしくみ、銀河系、恒星といった天文学の基礎的な事柄から、惑星における生命の誕生まで、宇宙科学のあらゆる分野を学ぶことができます。ブラックホールや活動銀河などの難しい内容も、高校生から読みこなせるよう易しく解説しています。また、すべての章にある「なぜわかったの?」「私たちは何なのか?」というコラムでは、科学のしくみや、宇宙・惑星・生命のつながりを考えるヒントを与えてくれます。
 章末の理解度確認のための問題、毎月の星図といった付録も充実。幾度も改訂を重ねた原書の翻訳で内容も洗練されており、宇宙科学全般を学びたい初心者のために最適の一冊です。


《 監訳者からのメッセージ 》

 夏の浜辺に腰を下ろして、星を見上げた経験は誰にでもあるだろう。暗い土地ならば、夜空に天の川が輝いているのが見える。無数の星ぼしと、その間をさまよう火星や木星、そして、宵の明星。天文学は、空に見えるあの光は何だろうという、人々の単純な好奇心からはじまった。
 天文学とは「私たちは何か」という問いに答える学問である。私たちの住む銀河系には1000億以上もの恒星が存在し、宇宙には銀河系と同じような銀河が、2000億も存在する。そこには無数の地球があり、無数の生命がいるだろう。それを思うと、「私たちは何か」という問いの持つ意味は限りなく深い。私たちは、なぜこの宇宙に生まれ、どうやってこの地球にたどり着き、これから、どこへ行くのか。それを考える手引きとなるのが天文学であり、天文学者の仕事である。
 本書は"Horizons : Exploring the Universe (第11版)"、Michael A。 SEEDS & Dana E。 BACKMAN著による、天文学の入門書である。本書には、メタンの雨が降る衛星や、原子すら潰れる超高密度の恒星、衝突する銀河、あるいは、日ごとスピードを上げながら膨張している宇宙など、もっとも新しい宇宙の姿が描かれている。本書を読みながら、新しい知識を得ることは楽しい。けれども、新しいページをめくるたびに、私たちは何であるか、科学はいかにして新しい知識を獲得したか、この二つの問いが執拗に繰り返される。
 本書は、夜空、恒星、銀河と宇宙、太陽系、そして、生命という五つの部から構成されている。生命の部では地球外の生命を扱う。宇宙がどのようになっているかを知りたいだけならば、この部は必要ないかもしれない。けれども、本書でここまで書いてきた内容のすべては、実はこの生命の部のための準備にすぎないと著者はあえて言う。
 本書は難しいといわれる天文学を親しみやすいものにしたいという工夫に満ちている。豊富な天体写真とイラストはすべてカラーである。実際、写真とイラストの間に本文がはさまっているという印象すらある。手に取るとずしりとくる本書の重みは天文学という学問の重みである。私は本書を、大学の学生はもちろんのこと、年輩の方々にもぜひとも読んでいただきたいと願う。夜空の向こう、天空の彼方はどうなっていて、何があるのだろうという、少年少女のときの疑問の答えがここにはある。
有本 信雄


◆ 監訳者 ◆

有本 信雄 自然科学研究機構 国立天文台 光赤外研究部 教授/総合研究大学院大学 教授

◆ 訳 者 ◆

中村 理 早稲田大学 政治経済学術院 助教
高木 俊暢 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙科学研究所 研究員
松浦 美香子 ロンドン大学 物理・天文学科/マラード宇宙科学研究所 特別研究員
小野寺 仁人 フランス原子力庁 基礎研究部門 研究員


目 次

第1部 空
第1章 ここという場所、今という時間
1-1 私たちはどこにいるのか? / 1-2 今とはいつか? / 1-3 なぜ天文学を学ぶのか?
第2章 空
2-1 恒星 / 2-2 空とその動き
第3章 空の周期
3-1 太陽の周期 / 3-2 天文現象の地球気候への影響 / 3-3 月の周期
第4章 現代天文学のはじまり
4-1 古典的な天文学 / 4-2 コペルニクス / 4-3 惑星の動き / 4-4 ガリレオ・ガリレイ / 4-5 アイザック・ニュートンと軌道運動
第5章 光と望遠鏡
5-1 放射:宇宙から届く情報 / 5-2 光学望遠鏡 / 5-3 観測装置 / 5-4 電波望遠鏡 / 5-5 宇宙の天文台

第2部 恒星
第6章 原子と恒星の光
6-1 原子 / 6-2 光と物質の相互作用 / 6-3 恒星のスペクトル
第7章 太 陽
7-1 太陽の大気 / 7-2 太陽内部の核反応 / 7-3 太陽活動
第8章 恒 星
8-1 恒星までの距離を測る / 8-2 恒星の絶対的な明るさ / 8-3 恒星の直径 / 8-4 恒星の質量 / 8-5 恒星の統計調査
第9章 恒星の誕生と構造
9-1 恒星の誕生 / 9-2 恒星の中の核融合 / 9-3 恒星の構造 / 9-4 主系列星
第10章 恒星の最期
10-1 巨星 / 10-2 主系列星の質量が低い恒星の死 / 10-3 連星系の進化 / 10-4 重い恒星の死
第11章 中性子星とブラックホール
11-1 中性子星 / 11-2 ブラックホール / 11-3 円盤とジェットを持つ高密度天体

第3部 銀河の世界
第12章 天の川銀河
12-1 私たちの銀河系の発見 / 12-2 天の川銀河の起源 / 12-3 銀河核 / 12-4 渦状腕と星形成
第13章 銀河
13-1 銀河という種族 / 13-2 銀河を測る / 13-3 銀河の進化
第14章 活動銀河と超巨大ブラックホール
14-1 活動銀河核 / 14-2 超巨大ブラックホール
第15章 現代宇宙論
15-1 宇宙への手引き / 15-2 ビッグバン理論 / 15-3 空間、時間、物質、そしてエネルギー / 15-4 21世紀の宇宙論

第4部 太陽系
第16章 太陽系の起源
16-1 偉大な起源の鎖 / 16-2 太陽系の概観 / 16-3 惑星形成の物語 / 16-4 ほかの星を回っている惑星
第17章 地球型惑星
17-1 地球型惑星への旅行ガイド / 17-2 地球:活動的な惑星 / 17-3 月 / 17-4 水星 / 17-5 金星 17-6 火星
第18章 木星型惑星、冥王星とカイパーベルト
18-1 太陽系辺境への旅行ガイド / 18-2 木星 / 18-3 土星 / 18-4 天王星 / 18-5 海王星 / 18-6 冥王星?最初の準惑星
第19章 隕石、小惑星、彗星
19-1 流星物質、流星、隕石 / 19-2 小惑星 / 19-3 彗星 / 19-4 地球への衝突

第5部 生命
第20章 宇宙における生命
20-1 生命の性質 / 20-2 生命のみなもと / 20-3 遠い文明との通信

付録 単位、天文データ、周期表、星図

用語集



組見本



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