応用数学ハンドブック

藤原毅夫・平尾公彦・久田俊明・広瀬啓吉 編   発行:丸善株式会社

A5判・784頁 本体25,000円  ISBN 4-621-07529-2

研究分野の細分化が進む一方で複合領域の研究も活発になり、研究者でも専門外分野の知識、こと数学の知識が必要になってきている。本書は、専門外の数学を必要とするとき、それは数学でいうとどの領域に属し、何を学べばいいかを示す、利便性の高い、マップ的なハンドブック。

編集委員
藤原毅夫 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻
平尾公彦 東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻
久田俊明 東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻
広瀬啓吉 東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻

本書の特徴
分野に関係なく必要となる「共通項目」と、構造解析等、専門的に扱われる「専門項目」の2部構成。
「専門項目」では、実用面から『工学一般』、『物性』、『応用力学』、『電気電子情報』の4本柱に分野を大別し、それぞれで使用される数学について記述。
応用・実用面を重視して用語を選択。

序 文
 近年、工学それ自身の高度な進展とコンピュータの急速な発達に伴い、数学あるいは数理的な技術の利用の場が、従来の微分積分に代表される連続系の数学のみならず離散系の数学にも著しく広がってきた。そのため工学の研究者、工学に携わる技術者にとって、広い範囲にわたり数学の知識を身につけておかなければならないという状況になってきた。言い換えれば、コンピュータの発達に伴い数学的処理をこれに任せればよくなったのではなく、むしろ数学の基礎的な知識・能力が必須のものとなってきている。
 しかし、そのような立場から新たに数学を再編して提示するテキストが手近にあるわけではなく、また現在の大学専門学部の数学講義が、工学全般を見渡してかつ数学としての基礎に及ぶものに編成されているわけでもない。実際に、工業の現場で日々新たな問題に直面している技術者にとって、また先端科学技術の進展に携わる研究者にとって、数学、数理技術を概観できるテキスト、ハンドブックがないか、という要求に答えたいという思いで編成されたのが、本書である。
 本書は、工学の広い分野にわたり現在、広く役立っている数理技術をなるべく網羅的に含み、かつ近い将来に重要性を増すと思われるものまで加えるように努力した。個々の項目の詳細に関しては、より詳細を当たれるように参考文献を挙げ、レベルを落とすことなく読者が全体観を得られるように配慮した。執筆は、工学の個別分野の第一線で活躍されている研究者にお願いした。上に述べた、工学における数理技術の全体観を得るという目的を、いささかでも満たすことができたという評価を読者諸兄姉からいただければ、編集の任に当たったものとしてこれにまさる喜びはない。
2005年2月 編者ら記す


丸善(株)出版事業部