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「ジョン・ロックの道徳哲学」
現代の道徳哲学を解きほぐす道標ともなる意欲的論考。
2017年9月発売

(2017/09/08)


ジョン・ロックの道徳哲学

十七世紀英国の哲学者、ジョン・ロック(John Locke, 1632-1704)。
彼の名声に比して、その道徳論はこれまで正確に評価されてこなかったように思えます。 本書は、道徳論の核心を、主著『人間知性論』の中に見出し、これまでは道徳との関係から論じられてこなかった、ジョン・ロックの自由論、人格同一性論を道徳論の中で解釈し、これまで光の当たらなかったサンクションの視点から捉え直すことを目指しまとめられました。

本書は、序章を除き全7章で構成されています。
第2章では、道徳の論証可能性テーゼの理解の確認、第3章と第4章では、ロックの自由(意志)論に突きつけられた問題の解決を目指します。第5章では、ロックの動機付け理論、第6章では、ロックの人格同一性論を批判から擁護し、その整合性を示すこと、ロックの理論が実際の基準として問題なく機能することを示しています。最後の第7章では、これまでの議論をふまえ、ロックの自由論を道徳の領域の中に積極的に位置づける理由が示されています。
これら論考は奥深く魅力的なロック哲学への誘いであり、また、現代の道徳哲学を解きほぐす道標となる一冊といえます。


■目次
序章 ロック道徳哲学の背景と本書の目的
本書の目的
理論上の経緯—ロック道徳論の拡張
研究上の背景—ロック道徳論における伝統的な論点
本論の構成

第一章 ロック哲学への誘い、自由論、そして人格同一性論
 第一節 ロック哲学の魅力
 第二節 ロックの生涯
 第三節 自由意志問題
 第四節 人格の同一性論
 第五節 なぜ今ロックなのか

第二章 道徳の論証はいかにして可能か
 第一節 知識の分類—絶対的知識と蓋然的知識
 第二節 観念の分類
 第三節 行為、法、サンクションの関係としての道徳
 第四節 道徳の論証可能性

第三章 ロック自由論における内在的矛盾とその解決
 第一節 ロックの意志決定理論
 第二節 ロック自由論の研究背景
 第三節 自由の定義
 第四節 欲求保留原理
 第五節 チャペルによるロック批判
 第六節 ヤッフェの自由意志実在論的アプローチ
 第七節 二つの解釈の中庸
 第八節 本章のまとめと位置づけ

第四章 有意的でありながら自由ではない行為は可能か
 第一節 自由論における「閉じ込められた男」の例の位置づけ
 第二節 ロウによるロック批判
 第三節 ロウの議論の検討
 第四節 フランクファート型事例としての「閉じ込められた男」問題

第五章 ロック哲学における動機づけの力—幸福、欲求、そして落ちつかなさ
 第一節 意志決定の基本構造
 第二節 マグリ説における動機づけの力
 第三節 何が動機づけの力をもたないのか—マグリ説の検討

第六章 帰責の観点から眺める人格同一性
 第一節 同一性と人格の定義
 第二節 ロック人格同一性論への批判
 第三節 反論
 第四節 人格同一性の規範的な役割
 第五節 人格同一性と道徳の論証可能性

第七章 サンクションの帰属要件としての自由
 第一節 前章までの議論の要約
 第二節 力能再考—人格同一性の場合
 第三節 サンクション帰属の条件としての自由
 第四節 自由の規範的意味—抗弁理由としての自由
 第五節 ロック道徳哲学の持つ現代的意義
 おわりに



ジョン・ロックの道徳哲学
佐々木 拓 著
A5判 312ページ ISBN978-4-621-30200-2
定価 本体5,200円 +税

2017年9月発売
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