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多くの銀河の中心には、太陽の質量の100万から10億倍もの「超巨大ブラックホール」が潜んでいると考えられています。その巨大な質量による重力エネルギーを源にして、ブラックホール周囲の星間ガスが加熱され、銀河全体にも匹敵する膨大なエネルギーを放射している不思議な天体を「活動銀河核、またはAGN(Active Galactic Nucleus)」と呼びます。
AGNは、宇宙の構造形成や、銀河そのものの形成・進化に大きく関係していると考えられていますが、まだまだ未知の多い領域です。
本書「ピーターソン 活動銀河核」では、AGN現象の観測的性質の基本から、AGNを理解する上で必要となる基本的な物理、AGNを用いた宇宙の進化の探査方法などを丁寧に解説し、超巨大ブラックホールと銀河との相関、宇宙の構造形成、進化の実像に迫ります。
また、日本語版では、豊富な訳注、引用文献および補遺を付し、原著の出版(1997年)以降の研究進展について読者が辿れるようにしています。
本書の著者 Bradley M. Peterson氏は、AGNの観測研究における第一人者です。Peterson氏が本書の原著である“An Introduction to the Active Galactic Nuclei”を著したのが1997年ですが、ブラックホールの研究が進展している今日にあっても「ピーターソンの教科書」と呼ばれるほど、本書はいまなお重要な文献として位置づけられています。
特に天文学や宇宙物理学を専攻する学生にとって、AGNは今や必須知識であり、本書は必読書ともいうべきものです。しかし、これまで英語でしか読むことのできなかった「ピーターソンの教科書」が、今回の翻訳により、日本語で読むことが可能になった意義は大きいといえるでしょう。
※本書の翻訳事業は、鹿児島大学と愛媛大学の宇宙物理学分野での提携の一環として行われたものです。
■目次 第1章 活動銀河中心核の基本的性質と歴史的概観
第2章 活動銀河中心核の分類
第3章 ブラックホールパラダイム
第4章 連続光放射
第5章 広輝線領域
第6章 狭輝線領域
第7章 AGNの統一モデル
第8章 AGNの環境
第9章 膨張宇宙の幾何学
第10章 クェーサーサーベイ
第11章 クェーサー光度関数と進化
第12章 クェーサーに見られる吸収線
日本語版補遺 Λ≠0の「標準」宇宙モデル
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ピーターソン 活動銀河核 〜巨大ブラックホールが引き起こすAGN現象のすべて〜
Bradley M. Peterson 著 和田 桂一・粟木 久光・亀野 誠二・谷口 義明・寺島 雄一・長尾 透 共訳
A5判 288ページ ISBN978-4-621-08249-2 定価6,300円(税込)
2010年5月発売
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