丸善ブックス085

モーツァルトはどう弾いたか

インターネットで曲が聴ける

四六判・200頁/本体1,600円(税別)ISBN 4-621-06085-6

作曲家としてはもちろん、ピアニストとしても天才だったといわれるモーツァルトは、いったいどのようにピアノを弾いたのでしょうか。同時代の音楽家や音楽のスタイル、当時のサロンやコンサートの模様、さまざまな即興や装飾の技法、当時の楽器の特徴と変遷・・・・これらのことから浮かびあがってくるモーツァルト自身の音楽、そして演奏スタイルについて、多くの譜例とインターネット上での著者自身の演奏で紹介しています。自らもピアニストとして積極的にモーツァルトと同時代の音楽に深くアプローチしている著者の鋭い視点で、モーツァルトの「真実」に迫ります。

刊行にあたって
「モーツァルトは、いったいどんな演奏をしていたのだろう。」モーツァルトのピアノ曲を弾くときにいつも浮かんでくるこの疑問が、本書の執筆の動機です。
 私は子供のときからモーツァルトを弾いてきました。リサイタルのプログラムにも モーツァルトの作品を取り上げ、また、モーツァルトと同時代の作曲家たちに焦点を当てたレクチャーリサイタルにも取り組んできました。そのような試みを続けてきた 演奏者の立場から、「演奏家としてのモーツァルト像」を再現させてみたいと思います。
 モーツァルトの時代には、チェンバロとピアノフォルテ、クラヴィコードの3種類の鍵盤楽器が使われ、しばしば「クラヴィーア」と総称されていました。優れたクラヴィーア奏者であったモーツァルトは、現代風に言えば超一流のピアニストだったのです。モーツァルトはどんなピアニストだったのでしょうか。そして、ピアノをどう 弾いたのでしょうか。できる限り勝手な想像は慎みながら、モーツァルトの演奏を私なりに蘇らせてみたいと思います。


                         久 元 祐 子

著者略歴

 久元 祐子(ひさもと ゆうこ)

東京芸術大学音楽学部(ピアノ専攻)を経て同大学大学院修士課程を修了。
ラトヴィア国立交響楽団、読売日本交響楽団など内外のオーケストラと共演。ベルリン弦楽四重奏団との共演など室内楽の演奏会にも多数出演。
音楽を多面的に捉えることを目指したレクチャー・リサイタルは朝日新聞・天声人語にも紹介される。モーツァルト時代のシュタイン、ヴァルターの復元楽器、またショパン時代、リスト時代、創設当時のベーゼンドルファーのオリジナル歴史的楽器を所蔵。それらを使っての演奏を通じて、時代の中で作曲家が求めた響きと美学を追い求めている。
ショパン生誕200年記念年には、全国各地でプレイエルによる演奏会を行い、大賀ホールにおいて天皇皇后両陛下ご臨席のもと御前演奏を行う。
2011年ウィーンでのリサイタルは絶賛され、オーストリアのピアノ専門誌の表紙を飾り、ベーゼンドルファーアーティストの称号を受ける。
2012年イタリア国際モーツァルト音楽祭に招かれリサイタルを開催。その模様はイタリア全土に放映され好評を博す。
国立音楽大学楽器学資料館ピアノプロジェクトの一環としてモーツァルト時代のスクウェアピアノなど歴史的楽器5台を使用した演奏会に出演し、大きな反響を呼ぶ。
「青春のモーツァルト」ほか10枚のCDをリリース。CD「ハイドンとモーツァルト」は毎日新聞CD選1位。
著書に「モーツァルトのピアノ音楽研究」(音楽之友社)、「原典版で弾きたい!モーツァルトのピアノ・ソナタ」(アルテス)、「モーツァルトとヴァルター・ピアノ」(学研)ほか。
毎日21世紀賞特選受賞。国立音楽大学准教授。日本ラトビア音楽協会理事。
久元祐子ウェブサイト http://www.yuko-hisamoto.jp/


目次と本で紹介されている曲目はこちら
(著者自身による演奏をMIDI等で聴くことができます。)