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今月のキーワード

1次周波数標準,2次周波数標準 / フリッカーフロアー / 重力波モード

●1次周波数標準,2次周波数標準[primary and secondary frequency standard]
国際原子時(Temps Atomique International, TAI)が刻む1秒の長さは原子周波数標準によって校正され,その校正値を参照して国際度量衡局はTAIの歩度を微調整する。この校正においては,時間周波数諮問委員会1次2次周波数標準作業部会によって信頼度が認定されている標準器のみが使用され,秒の定義であるセシウムの超微細構造遷移を利用する標準器を1次周波数標準,秒の2次表現の遷移を利用する標準器を2次周波数標準とよぶ。(p.22「光格子時計で決める正確な時刻」)

●フリッカーフロアー[flicker floor]
雑音パワースペクトル密度がフーリエ周波数の逆数に比例するような雑音を,フリッカーノイズ,もしくは1/fノイズという。発振器の周波数ノイズにおいてはパワースペクトル強度が1/fの依存性をもつ場合は,アラン偏差が積算時間に対する依存性をもたずフラットになる。発振器は通常長期では環境変化による周波数シフトがランダムウォーク雑音や周波数ドリフトを引き起こしてアラン偏差は増加するため,このフリッカーノイズによる平たんな部分がアラン偏差の底値となる。この平たんな底値部分をフリッカーフロアーとよぶ。(p.22「光格子時計で決める正確な時刻」)

●重力波モード[gravity mode, g mode]
重力下において成層構造をなしているガスを考え,その層が少し波打つ摂動が起きたとしよう。沈み込んだ部分では,平衡状態にある周囲の圧力のほうが高いために少し収縮するので,密度は少し高くなる。平衡状態にある周囲の密度のほうが摂動を受けた部分の密度よりも高ければ,浮力が復元力となって摂動はもとの位置にもどろうとする振動となる。浮き上がった部分は逆の状況で,やはりもとにもどろうとする(ちなみに,沈み込んだ周囲のほうが摂動を受けた部分より密度が低ければ,対流となる)。この振動が伝播していく波動を内部重力波という。星の内部を伝播する波動を考えると,特定の整合条件を満たさねば,波の位相が合わなくなり減衰してしまうことになる。特定の整合条件を満たす場合が固有振動であり,そのような内部重力波による星の固有振動を重力波モードという。(p.52「星震学が明かす白色矮星の構造」)
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