index 2018index 5月号目次 5月号目次

今月のキーワード

イマージョンレンズ / リャプノフ指数 / ラビ振動

●イマージョンレンズ[immersion lens]
レンズの分解能を決める値として,開口数というものがある。開口数は,対象とレンズのあいだにある媒質の屈折率nとレンズに入る光の最大入射角θを用いてn sin θと書くことができ,この値が大きいほど分解能がよいことを意味する。通常,媒質は空気になるので屈折率nはほぼ1であるが,これよりも屈折率の高い媒質(水や油など)に浸すこと(イマージョン)で開口数を大きくすることができる。屈折率の高い固体を近づけることで,近接場の効果により実効的に開口数を大きくすることができ,これをソリッドイマージョンレンズ(固浸レンズ,solid immersion lens)とよぶ。(p.4「光格子を用いた量子シミュレーション」)

●リャプノフ指数[Lyapunov exponent]
カオス系においては,初期条件を少し変えるだけで時間発展がまったく異なるものになってしまう。それをカオスの初期値鋭敏性という。初期値鋭敏性の強さを表す量がリャプノフ指数である。ある古典系において,無限に近い2つの異なる初期条件を考えよう。それらの時間発展は,位相空間内での2つの軌道で表される。カオス系では,位相空間における2つの軌道間の距離δは時間tに対して,δ(t)〜δ(0)eλtのように指数関数的に増大する。この指数増大率λがリャプノフ指数である。(p.14「量子カオスの上限はブラックホール」)

●ラビ振動[Rabi oscillation]
2準位原子に共鳴する光を照射すると,原子と光のあいだのコヒーレントな相互作用によって原子は基底状態と励起状態のあいだを周期的に振動する。これをラビ振動という。実際の原子では周囲の環境の影響や自然放出などによる緩和現象によってコヒーレントな相互作用が途切れるため,ラビ振動は減衰振動として観測される。(p.37「リュードベリ原子を用いた量子シミュレーション」)

index 2018index 5月号目次 5月号目次