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今月のキーワード

スピン波/ 長距離秩序/短距離秩序/量子モード/ 光パラメトリック発振器

●スピン波[spin wave]
たとえば,複数のスピンが長距離秩序をもって同じ方向に並んでいる場合を考えてみよう。そのなかの1 つのスピンを少しだけ違う方向に傾けてみる。そうすると,もともとスピンは隣のスピンと同じ方向に揃おうとしているので,傾けられたスピンは元の方向に戻ろうとするだろう。このことは,スピンどうしがお互いにばねで繋がっている状況と同じであるといえる。ばねで繋がった複数の質点で構成されている系が“ 波”をつくれるように,このスピン系も,スピンの向きが振動するような波をもつことができる。これがスピン波である。(p.45「高温超伝導体にひそむ短距離スピン波」)

●長距離秩序/ 短距離秩序[long-rangeorder / short-range order]
非常に多くの物質からなる系は,温度を下げていくと相互作用によって相転移することがある。たとえば水が氷になったり,鉄が磁石になったりする現象がそうである。磁石の場合,鉄の元素がもつスピンが一斉に同じ方向へ揃う。このような状態を「長距離秩序がある」という。非常に長い距離( 磁石の端から端まで)にわたって,スピンが秩序だった構造をもつというわけである。これに対して,短い距離( たとえば数十オングストローム)だけしかスピンが揃っていない状況を短距離秩序という。(p.45「高温超伝導体にひそむ短距離スピン波」)

●量子モード[quantum mode]
量子力学的な重ね合わせ状態などを考えるさいに基本となる,互いに独立(直交)した状態を基底状態とよぶ。記事中では,基底状態として用いる光モードのことを,“量子モード”とよんでいる。(p.48「光コムを用いて,大規模な量子もつれ状態を実現」)

●光パラメトリック発振器[optical parametric oscillator]
光周波数領域で発振する,パラメトリック発振器。高反射ミラー対などで構成された光共振器と,非線形光学媒質からなる。振動数ωp のポンプ光を入射すると,ωs+ ωi =ωp を満たす振動数ωs,ω i の2 つの出力光を発生する。レーザー光の波長変換などで用いられる。(p.48「光コムを用いて,大規模な量子もつれ状態を実現」)