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今月のキーワード
スペースデブリ / エキゾティックな状態 / WIMP/ 液体キセノン検出器 / LHC
●スペースデブリ[space debris]
宇宙空間にある人工の物体で,有用な役割を果たさなくなったものと規定される。砕いていえば宇宙のゴミ。使用済みの人工衛星,ロケット機体,ならびにそれらの破片が多い。きわめて高速で飛来するため,衝突した場合のエネルギーが大きく,人工衛星など衝突の相手を破壊するだけでなく,さらに大量の破片をつくり出す。(p.12「スペースデブリ」)

●エキゾティックな状態 [exotic state]
クォークと反クォークからなる複合粒子である“ハドロン”は,通常,クォーク1個と反クォーク1個の組み合わせ(中間子)かクォーク3個の組み合わせ(バリオン)になっている。これ以外の組み合わせになっているものを,エキゾティックな状態とよぶ。エキゾティックハドロン(exotic hadron) あるいはエキゾティック共鳴(exotic resonance)とよばれることもある。数多くの候補が存在し,実験的,理論的研究が続けられているが,その存在の確認とエキゾティックな状態の特定の双方において確立されたものはこれまでに一つもない。(p.30「4つのクォークからなる“隠れたチャーム”の発見」)

●WIMP[weakly interacting massive particle]
弱く相互作用をする質量の大きな粒子の意。超対称理論で予言される粒子が有力候補で,その質量は陽子の30〜1000倍持だと考えられている。WIMP仮説は暗黒物質になる条件,電荷をもたず,非相対論的速度で動き,なおかつ崩壊せずに安定という条件を満たすが,超対称粒子がいまだに発見されていない点が弱点であろう。余談だが,WIMPは,英語で“弱虫”という意味がある。バリオンである暗黒物質の候補,massive compact halo objectsの略で“たくましい”の意,MACHO(マッチョ)と対比されている。(p.33「液体キセノンで暗黒物質を捕まえる」)

●液体キセノン検出器 [liquid xenon detector]
液体キセノンを検出媒体にした放射線用検出器。宇宙線実験,素粒子実験また放射線医療機器などに使われる。ヘリウムやネオンのように希ガスであるキセノンは原子番号54,標準状態で気体として存在するが,約−100℃まで冷却すると液化することができる。このため,装置には冷凍機が必要である。ガスの検出器と比べ,密度が約3 g/cm3と非常に高いため放射線粒子の検出効率が高い。また,検出器感度が高く,シンチレーターや電離箱として動作することができる。(p.33「液体キセノンで暗黒物質を捕まえる」)

●LHC[large hadron collider]
スイスにある欧州原子核研究機構(CERN)に建設された,周長27kmの陽子‐陽子衝突型加速器。陽子と陽子を14TeV(テラ電子ボルト;1テラは1012)のエネルギーで正面衝突させて素粒子のふるまいを調べるための装置。2008年から実験開始予定である。(p.42「LHCに注がれる熱い視線」)


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