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今月のキーワード
パーマロイ / 磁気抵抗ランダムアクセスメモリー / ブレーン世界 / カルツァ‐クライン粒子 / チューリングテスト / チューリングパターン / 生物の共生の創発阻害要因 / サーボモーター /PICマイコン
●パーマロイ[permalloy]
ニッケル(Ni)と鉄(Fe)の合金で代表的なソフト磁性材料(弱い外部磁界で大きな磁化の変化を示す材料)。名前の由来は高い透磁率(high magnetic permeability)を示す合金(alloy)から来ている。結晶磁気異方性が小さいため,ナノ磁石における磁化構造は主に交換エネルギーと静磁エネルギーの競合で決まり,形状に応じた特徴的なふるまいを示す。磁気特性,電気特性,加工特性に優れ,磁性材料としてさまざまな分野で用いられている。(p.10「人工ナノ磁石の多様性」)

●磁気抵抗ランダムアクセスメモリー[magnetoresistive random access memory ;MRAM]
ナノ磁石の磁化の向きで情報を記憶するメモリー。半導体メモリDRAMにおけるキャパシタ部分を磁気トンネル接合(MTJ)に置き換えたような構造になっている。メモリの電源が切られても記憶が消えないこと(不揮発性)と読み書き速度が速いことが特徴。近年,スピン注入磁化反転の手法を用いることで高集積化,低消費電力化が可能となり,商品化に向けてさかんに研究が行われている。(p.10「人工ナノ磁石の多様性」)

●ブレーン世界[brane world]
われわれの3次元空間内に存在する2次元面のように,多次元空間内に存在する全空間の次元より低い次元の対象物を考えることができる。そのようなものをブレーンとよぶ。このよび名は膜を意味する英単語(メンブレーン)に由来する。ブレーンを内包する多次元時空をブレーン世界とよぶ。ブレーン世界の理論では,ある種の粒子はこのブレーン上にのみ存在する。(p.29「余剰次元について」))

●カルツァ-クライン粒子[Kaluza-Klein particle]
多次元空間に存在する粒子を4次元理論として記述したときの粒子のよび名。この粒子の余剰次元方向の運動量は,4次元理論ではその粒子の質量として記述される。余剰次元が平坦で小さく丸まっているとき,カルツァ-クライン粒子の質量は,余剰次元の半径の逆数を単位として,その自然数倍で記述される。(p.29「余剰次元について」

●チューリングテスト[Turing test]
2つの部屋の片方に人間が,もう片方にコンピュータが入っており,その2つの部屋とテレテキストを通じて通信して,どちらがコンピューターか,を当てる“イミテーション・ゲーム”のこと。判定者が確率50%で間違えるなら,機械が思考しているとみなすのが公平であるとチューリングは考えた。このテストは,「機械が思考する」とは何を意味するのかを,定義するために提案された。(p.36「創発研究戦略再考」)

●チューリングパターン[Turing pattern]
要素AとBとの反応を考える。その両者には(1)Aは自己増加する,(2)AはBを創り出す,(3)B はAの増殖を抑える,(4)Bの方が早く拡散する,という性質がある。ある場所でAが少しでも多ければAが増加する。するとBも増加するが, Bの方が拡散が早いので,Aの増加は継続する。その周囲には増加したBが流れ込むのでAの増殖は抑え込まれる。このように拡散を通じ自律的に形成される凹凸をチューリングパターンという。(p.36「創発研究戦略再考」)

●生物の共生の創発阻害要因[restrainer of the emergence of biological symbiosis]
粘菌と大腸菌とを栄養の豊富な状態に維持すると,粘菌が大腸菌を食べるが,最後には粘菌の方が死んでしまう。ところが貧栄養の状態に維持すると,大腸菌がくずあん状の物質をつくり出し,そのなかで粘菌は生き延びる。この関係を長期間維持すると,片方を排除するともう片方も生存できないようになる。この場合,貧栄養という条件が,何らかの形で創発阻害要因を除去したことになっている。(等々力政彦の実験による。)(p.36「創発研究戦略再考」)

●サーボモーター[servo motor]
マイコン等からの指令信号を受け,任意の角度や速度を制御することができる比較的小型のモーターで,現在では,ラジコン用小型サーボモータをはじめとして,小型2足歩行ロボット等にもさかんに利用されている。(『日経パソコン用語辞典』より)(p.58「連載:動物に学ぶ――ミミズに学ぶ蠕動運動型ロボット」)

●PICマイコン[peripheral interface controlled microcomputer]
マイクロチップ・テクノロジー社が製造しているプログラミングが可能なワンチップマイコンの一種。ワンチップマイコンは,一つのIC上にCPU,メモリ,プログラムメモリなどが含まれており,コンピューターの周辺に接続される周辺機器との接続部分を制御することができる。(p.58「連載:動物に学ぶ――ミミズに学ぶ蠕動運動型ロボット」)


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