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カオス / 可積分系 / WKB近似
●カオス[chaos]
一般の力学系および微分方程式系において普遍的に見られる不規則運動のこと。100年以上前にポアンカレなどの数学者によって,その存在が予言されていたが,現実に研究対象となったのはコンピューターによる数値計算が発達してからである。カオスを示す系では保存量の数が系の自由度より少ないため,可積分系よりもより自由な運動が可能である。そのため,1つの軌道によって位相空間中の等エネルギー面上を覆い尽くすことが可能である。また初期値敏感性などの興味深い性質も備えている。(p.4「アインシュタインの知られざる論文」)
●可積分系[integlable system]
力学系において,保存量の数が系の自由度dと一致する系を完全可積分系あるいは単に可積分系という。このとき任意の運動はd個の角変数によって完全に記述することができる。この運動は位相空間内の高次元トーラス表面上の運動と見なすことができる。現実の力学系では,可積分系は例外的な場合である。ハミルトニアンに非可積分となる項を加えていくと,トーラス構造は徐々に崩壊し,カオス状態へと移行する。(p.4「アインシュタインの知られざる論文」)
●WKB近似[WKB approximation]
量子力学の基本的な近似の一つ。この近似では古典的に運動が許容される領域の各点の波動関数を,その点での古典運動量から決まる波長の平面波によって近似する。ポテンシャルエネルギーが,粒子の波長に比べて空間的にゆっくりと変化しているときに,よい近似となる。古典転回点での波動関数の接続および波動関数の一価性からエネルギーの量子化が得られる。2次元以上の系では,カオス的な古典運動の存在によって一般にWKB近似を構成することが困難になる。(p.4「アインシュタインの知られざる論文」)
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