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| 擬似位相整合 / プラズマシート / 有機エレクトロニクス / 相転移 / 整合-不整合転移 / 転送行列
●擬似位相整合[quasi-phase matching] 一般に非線形光学結晶等による波長変換においては,非線形媒質中での基本波と変換光の位相速度が異なるため,ある相互作用長以上では位相不整合が生じ, 変換光が打ち消される。この位相不整合を非線形光学媒質中の分極をコヒーレント長の周期ごとに反転させることで補償する方法である。これによって長い相互作用長にわたり変換光が途中で打ち消されることなく成長することができる。(p.4「極限的非線形光学:コヒーレントX線の発生」) ●プラズマシート[plasma sheet] 地球の反太陽方向には地球磁気圏が太陽風によって引き延ばされた磁気圏尾部が広がっている。磁気圏尾部は赤道に対して対称な構造であるが,その赤道域には数十keVの熱いプラズマに満たされた領域が存在する。この領域をプラズマシートという。このようなプラズマシートは天王星磁気圏にも存在する。(p.13「天王星の秘密」) ●有機エレクトロニクス[organic electronics] シリコンなどの無機半導体の代わりに,有機物質(炭素化合物)を用いて発光ダイオードやトランジスターなどの電子素子をつくろうとする電子工学(electronics)の一分野。低分子系・高分子系を問わず,π(パイ)電子とよばれる活性の高い電子を含む材料における電子現象が主に利用される。折り曲げ可能な電子装置の実現や,装置の低価格化・軽量化・大面積化に有利とされ,今後大きく発展することが期待されている。(p.22「有機半導体とは何か」) ●相転移[phase transition] 水が沸騰して蒸気になったり,高温で磁石が磁性を失ったりするなど,温度や圧力などの変数の変化によって物質が異なる相に移行する現象。原子・分子など多数のミクロの構成要素が相互作用することによって起こる協力現象である。たとえば2次元イジング模型の場合,低温で自発磁化は(1−T2)1/8(Tは無次元化した温度)となるが,温度を上げていくとT=1で相転移がおこり,それより高温では0になる。相転移が起こる点では一般に物理量が特異性をもち,系を摂動的な方法で解析することは難しい。(p.36「カイラルポッツ模型の厳密解,ついに達成」) ●整合-不整合転移[commensurate-incommensurate transition] 結晶中に電子密度の変調構造(電荷密度波)が発生する場合や,基板結晶の表面に異種の原子層が形成される場合などで,背景の基本周期とは一般に異なる周期の“超周期構造”が発生する例が数多く知られている。この場合に,基本周期と超周期とが簡単な有理数比の関係にあるものを整合構造,そうでないものを不整合(または非整合)構造とよぶ。外部パラメーター(温度,圧力など)によって系が相転移を起こして一方から他方に移る現象が整合-不整合転移である。(p.36「カイラルポッツ模型の厳密解,ついに達成」) ●転送行列[transfer matrix] 統計力学で,いろいろな状態にわたる足し上げを行うために用いられる行列。たとえば1次元の格子模型を格子点の積み重ねと見て,隣り合う格子点の状態s,s'の相互作用エネルギーを(s,s')要素とする行列が転送行列である。高次元の場合も同様に考えることができる。自由エネルギーの計算は転送行列の固有値問題に帰着できる。(p.36「カイラルポッツ模型の厳密解,ついに達成」) |