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| 巨大数仮説 / 等価原理 / 非結合温度 / スピン流 / レイリー‐テイラー不安定性
●巨大数仮説[large-numbers hypothesis] たとえば2つの電子の間に働くクーロンエネルギーと重力エネルギーの比はa/(Gme2)〜_4.3×1042である。基本法則に関して,このように大きな数値が現れるのは不自然である。基本的なレベルでは,すべて1のオーダーであるべきで,上のような値となるのは,宇宙の年齢などのように,基本的で“ない”量が介入した結果だ,とデイラックは主張する。その結果,Gが宇宙時とともにG〜t−1のように変化することを示唆するに至った。(p.7「基本定数の値は変化したか?」) ●等価原理[equivalence principle] もっとも単純な現れは,物体の落下加速度が,その質量,組成などに依存しないことで,ガリレイのピサの斜塔の実験以来知られており,現在では“弱い(意味の)”等価原理(WEP)とよばれている。アインシュタインはこれから出発して一般相対論を導いたが,最終的には,曲がった時空の接平面はミンコフスキー時空だという表現(アインシュタインの等価原理,EEP)に到達した。本文で言及されているのはEEPではなく,WEPの破れである。(p.7「基本定数の値は変化したか?」) ●非結合温度[decoupling temperature] 宇宙の温度が十分に高ければ,光子は水素原子を容易に電離化し,放射と物質(ほとんど水素原子)とは互いに強く結合した状態にある。逆に温度が低ければ電離は起こらず,電子は中性水素原子にとらえられたままで,光子は物質と分離した背景放射となる(晴れ上がり)。これら2種類のふるまいの境界は,水素の電離エネルギー13.6eVに関係し,温度でいえば3000度あたりと計算される。これが非結合温度で,再結合温度(recombination temperature)ともよばれる。(p.7「基本定数の値は変化したか?」) ●スピン流[spin current] 電子は電荷をもつため,電子の流れは電流となる。さらに電子はスピンももつため,たとえば上向きスピンと下向きスピンの電子の流量が異なる場合はスピンの流れ,すなわちスピン流となる。通常,電流はスピンの偏りがない,つまりスピン流を伴わないため,スピン流をつくりだすには強磁性体を用いたり,光を用いたりなどの工夫が必要となる。電子スピンをエレクトロニクスに応用する“スピントロニクス”においては,物質中にいかに効率よくスピン流をつくるかが課題の一つとなっている。(p.36「スピンホール効果が見えた」) ●レイリー‐テイラー不安定性[Rayleigh-Taylor instability] 密度の異なる水平な2層の流体に対して鉛直下方に重力が働くとき,上方の流体密度が大きい場合は界面は不安定となり,2層は入れかわることになる。流体2層の不安定性の議論は,重力に加えて流体層が鉛直方向に加速度運動をしている場合にも拡張できる。この場合,重力と加速度を加えた正味の加速度が高密度層から低密度層に向いているとき,その界面は不安定となる。これらの不安定性はレイリー‐テイラー不安定性と総称される。(p.53「要注意,計算機シミュレーション」) |