川の百科事典

編集委員長 高橋 裕(東京大学名誉教授、国際連合大学上席学術顧問)
発行:丸善株式会社
A5判・810頁、上製函入り 本体価格15,000円 ISBN978-4-621-08041-2


川遊びから水理学の専門用語まで、川に関することなら何でも載っている本邦初の事典。
川づくりや川に棲む生き物など中学生が十分理解できる内容から、河川工学・水理学の最先端の用語まで漏れなく収載。
初学者と研究者・技術者のどちらにも役立つ内容を1つの事典に収めたいままでにないユニークな事典。
日本および世界の河川・湖沼・ダム・人名など、川に関わる固有名詞を多数採録。
予備知識がなくても「総論編」を読めば、現代の課題を含め川のすべてが理解できる。
日本および世界の河川図、河川年表など付録が充実。

まえがきから

 川に関する話題は近年とみに多様になり、川に関する用語は増す一方である。この半世紀、世界の川はかつて経験したことのない著しい変貌を遂げた。それは、世界中の多くの河川で治水や水資源開発の事業が活発に行われたからである。具体的には、ダムや堰などの河川構造物が多数建設され、さらには河道を付け替えたり、曲がりくねった河道をまっすぐにする事業なども、世界のいたるところの川で実施された。
 世界的な都市化や工業化がおもな原因になって河川の水質が悪化したり、前述の河川工事が河川の生態系を乱すなど、河川の環境が悪化し、それへの対策が20世紀末から懸命に計画されているが、その成果は決して十分ではない。このような河川の変貌とその解決へ向けての技術、行政、住民運動もさかんになり、それらに関する新しい用語も次々に生まれている。
 さらには、地球環境の変化、地球の水危機の到来、気候変動による河川への影響も著しい。換言すれば、川のテーマは、地球規模、そして世界的視野で配慮しなければならなくなっている。具体的には日本には存在しないが、国際河川の紛争、国家間の水争いが激しくなり、これらの事情も河川の話題を豊かにかつ複雑にしている要因である。
 そもそも川の話題は、学問分野でいえば理工農はもとより、人文科学、社会科学にもおよび、この“川の百科事典”で尽くせるものではないが、この事典においては、一般の方々の川に関する現在の関心用語を多く集め、ご要望に応えるよう努力した。人名、河川名などの固有名詞の採用にも努めたが、日本はもとより世界各国の河川は数限りない。“理科年表”をはじめ多くの地学関連書などを参考にし、さらに話題性に富む川を選んだつもりである。川にゆかりある外国の人名については、全世界から公平に選ぶことはむずかしく、採用国は限られたとはいえ、従来の類書にない多くの人物を取り上げられたと考えている。
 本書には一般の事典で採用されている五十音順の川に関する大・中・小項目を五十音順に並べた「各論編」とは別に、「総論」と「付録」が用意されている。「総論編」は各論の項目では触れられない大項目の記事で、川関係のキーワードを読み物風に解説しており、本事典の特色といえる。これを読むと、その項目についての背景と核心が理解できよう。「付録」には河川地図、日本および世界のおもな河川年表のほか、河川・湖沼・ダムおよび人名の一覧表を掲載した。

2008年 師走 編集委員を代表して
高橋 裕

編集委員一覧

○ 編集委員長
高橋 裕
 東京大学名誉教授、国際連合大学上席学術顧問

○ 編集委員
岩屋隆夫
 東京都土木技術センター 河川緑化調査係長
沖 大幹 東京大学生産技術研究所 教授
島谷幸宏 九州大学大学院工学研究院 教授
寶  馨 京都大学防災研究所 教授
玉井信行 金沢学院大学大学院 教授、東京大学名誉教授
野々村邦夫 財団法人日本地図センター 理事長
藤芳素生 社団法人日本河川協会 専務理事

(2008年12月現在、五十音順)

総 論 編
1 川とは何か 
2 川と水質 
3 世界の川 
4 日本の川 
5 都市と河川
6 川の利用
7 川と四大文明 
8 川とレクリエーション 
9 河川の科学 
10 川の環境教育
11 川と災害 
12 河川生態系 
13 地球の水循環 
14 河川に設置される構造物 
15 河川と地形 
16 川づくり 
17 川と風景 
18 川と祭祀 
19 川と伝説 
20 川と芸術 
21 川と文学
各 論 編

川に関する用語と川に関する固有名詞(河川・湖沼・ダム・人名など)を五十音順に配列して丁寧に解説した事典。採録語数約3,500語

付録 : 和文索引/欧文索引
付録1 河川年表(明治以降) 付録2 日本および世界のおもな河川 付録3 河川地図 付録4 日本の水質上位・下位の河川 付録5 日本および世界のおもな湖沼 付録6 日本および世界のおもなダム 付録7 河川関連のおもな人名


組 見 本





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