かたち・機能のデザイン事典

A5判・752頁 本体価格20,000円 ISBN978-4-621-08334-5
編集委員長 高木 隆司 神戸芸術工科大学特別教授
編 集 顧 問 向井 周太郎 武蔵野美術大学名誉教授
編 集 委 員
石垣 健 COMA DESIGN STUDIO
氏家 良樹 
慶應義塾大学大学院理工学研究科
小林 昭世 
武蔵野美術大学造形学部
杉本 剛 
神奈川大学工学部
鳥脇 純一郎 名古屋大学名誉教授
松岡 由幸 慶應義塾大学大学院理工学研究科
宮崎 興二 京都大学名誉教授
村田 智 東北大学大学院工学研究科
発 行 丸善株式会社  

身の回りのデザインを科学的な視点から据え直し、
デザイン創造、ものづくりにつながるアイデアを満載!!


各分野の最先端の実力者140人が執筆。2or4ページの偶数頁構成
人間のかたち・動き・意識を考察し、どのようにデザインするのが最適であるかを図版を交え、科学的根拠に基づく機能的なデザインを具体的に解説
絵画・彫刻などの芸術面やコミュニケーションデザインやファッションデザインなどの多彩なデザインの話題を掲載
ものづくり/造形の支援につながるアイデア満載のユニークな中項目事典
形の基礎から文化、生活、テクノロジー、アート、プロダクトにおけるデザインの発想までを集大成。

刊行にあたって(一部抜粋)

 デザインとは、自分の心の中にあるイメージを具体的な形にすることです。デザインの英語designとは、「離れる」ことを意味するdeと、「象徴」を意味するsignの合成語だと解釈されています。すなわち、心の中のイメージという象徴的な存在から離れて、現実の形をつくることです。

 現実の形には、科学的な法則性、技術的な制約、文化的な蓄積が必然的に関わってきます。したがって、デザインを実行する際には、特に今までにない形をつくるときは、デザインの根底に横たわる科学・技術・文化という要素を無視することはできません。例えば、ある形をつくろうとするとき、その形がどのような効果を生むのかという科学的な視点、その形を作るにはどのような工程が必要かという技術的な視点、およびその形が人々に受け入れられるかという文化的な視点が必要になります。形の、科学・技術・文化との関わり方は、一言でいえば「機能」という言葉で表されます。言いかえれば、「形と機能」の関連を考えるということは、形の科学的側面、技術的側面、文化的な側面を考えるということです。したがって、本事典の刊行を企画するときは、これら3つの要素の重要性、形と機能の関連ということを特に意識しました。

 ところで、「形」を生み出すことは、デザインだけでなくアート制作でもおこなわれます。心の中のイメージを現実の形にするという点では、デザインとアートは共通しています。デザインとアートの相違点は、前者が生活を豊かにするもの、後者が心を豊かにするものと言うことができるでしょう。しかしながら、心を豊かにするということも、デザインの目的のひとつです。したがって、デザインとアートの境界は、限りなくあいまいになっていくでしょう。デザインの追及においては、アートの発展についての知識が有用です。

 以上のような観点から、本事典は、「一般編」(かたちの科学的な内容)、「文化・生活編」、「テクノロジー編」、「アート編」、「デザイン編」の5部で構成することにしました。すなわち、前の4部が5つ目の「デザイン編」の準備という形になっています。また、前の4部では、なるべくデザインに関連するような記述を心がけました。しかしながら、デザインという目的から離れて、一般的な興味からこれらの内容を参照する読者もおられることでしょう。その場合でも、十分楽しめるように、多彩な項目を取り入れるよう努めました。

 本事典の読者としては、製造業のデザイン部門、あるいは独立して働いているデザイナー、あるいはデザイン教育における教育者や学生の皆様を対象にしています。現在取りかかっている課題と一見関係のなさそうな項目であっても、思いがけず有効なヒントが本事典から得られるかもしれません。もちろん、デザインに直接関わらない方でも、人間文化の本質を探りたいと思ったとき、本事典から何かを発見することがあるだろうと、ひそかに自負しております。では、どうぞ楽しみながら本事典のページをめくってください。

2010年12月
編集委員長 高木 隆司

項目一覧

カラー口絵:8ページ


一般編 【担当編集委員:高木・宮崎】

☆形・科学一般
形と構造/パターン/対称性/比率/度量衡/順序/信頼性・安全性/形態形成/周期性とゆらぎ/フラクタル/日本の文様/記号/図/結晶 /バイオミネラリゼーション/カオス/形態学/星座/暦/太陽系
☆感覚・感性
感性/色/音/錯視/視覚/ゲシュタルト/テクスチャ/立体視/聴覚/触覚・触感/嗅覚(香りのデザイン)
☆幾何学
多角形/多面体/曲面/角度/曲線/分岐系/グラフ/トポロジー
☆操 作
空間分割・空間充填/隠し/投影/作図/コラム:宗教と多面体


文化・生活編 【担当編集委員:宮崎・高木】

☆伝統文化
年中行事:宗教/占い/魔よけ/一筆順路紋様/曼陀羅/線織面/球面上の円紋様/みそすり運動による円織面/和風調理道具/和菓子の形/畳の間/和算・算額/ソロバン/天円地方/古都の自然とまちなみ/都城のかたち/家紋/文字/茶道・華道・香道/剣道用具の歴史/アラブ文様/先史時代美術/幾何学的なあかりのかたち
☆アート運動
ヘレニズム/ルネサンス/江戸のかたち/ジャポニズム/バウハウス/サブカルチャー/キッチュ
☆遊戯・趣味
パズル/“転がり”のかたち/おりがみ/てまりと水引/魔方陣/籠/あやとり/浮世絵と3次元CG/迷路/コラム:心を表現したアート


テクノロジー編 【担当編集委員:鳥脇・杉本・村田】

☆テクノロジー一般
道具/職人と職業教育/インターフェース/可視化/知的財産権/折り紙工学
☆機  械
工作機械/流体機械/制御機器/ロボット/自己組み立てシステム/マイクロマシン/ラピッドプロトタイピング/印刷
☆構造物
流線形/張力構造/軽量構造/殻構造/耐震・免震構造/トラス/物質内構造/マイクロストラクチャ/マイクロファブリケーション/宇宙ステーション/人工衛星/宇宙構造物/微小重力
☆情報・情報機器
超大規模集積回路/情報理論/情報表現のかたち/画像/パターン認識/計算機械/計算支援器具/コンピューター言語 /セルラーオートマトン/人工生命/自己増殖システム/コンピューターグラフィックス/CAD/CAMシステム/インターネット/情報検索/仮想現実システム
☆医 療
人工臓器:特に人工心臓のデザイン/人工細胞/人工身体/福祉工学/支援技術/人間工学/トモグラフィ/医用イメージング/仮想化された人体/コンピューター外科/再生医療
☆生 物
生物のデザイン/カーボンナノチューブ/DNAナノテクノロジー/発生生物学/バイオメカニクス:力学の視点/バイオメカニクス:流体の視点/DNA
☆エネルギー・環境
エネルギー技術/原子炉の形/核燃料の形/地球温暖化/環境問題:大気と水/リサイクル/インバース・マニュファクチャリング/ライフサイクル設計/リサイクル設計/コラム:ナノテクノロジー


アート編 【担当編集委員:石垣・小林】

☆アート一般
美術/美・美しさ/詩学/図像学/美術教育/美術批評/美術館/展示会/美術保存・修復
☆絵画・彫刻
絵画/日本画/版画/彫刻/環境芸術/障害者とアート
☆写真・映像
写真/映像/アニメーション/立体映像/マンガの重層性
☆工芸
民芸運動/陶磁器/ガラス/漆器
☆パフォーマンス・舞台芸術
メディアアート/インタラクティブアート/楽器/音楽/舞台美術/音とデザイン/コラム:アートの分類と空間・時間


デザイン編 【担当編集委員:小林・松岡・氏家】

☆デザイン一般
デザイン/初期モダニズム/後期モダニズムからポストモダニズムまで/美術とデザイン/デザイン科学/デザインモデル/デザイン技法/デザイン教育/製品意味論/アフォーダンス/シナジェティックス/ユニバーサルデザイン/エルゴデザイン/エコデサイン/プロクセミックス
☆素材とその加工
形と素材/素材と力/素材と感性/紙/木材/金属/セラミックス/プラスチック/ガラス/ゴム/石/竹
☆建築・環境デザイン
環境/建築/建築・環境デザイン/都市/インテリア/住宅/建具/店舗/駅と空港/橋梁/古都のまちなみ/環境色彩/庭園/神社/寺院/堂塔伽藍/茶室/工業化建築/形態創生
☆プロダクトデザイン
プロダクトデザイン/家具/照明/家電製品/列車先頭部のかたち/自動車/レーシングカー/船舶/航空機/自動車のエコ技術/医療デザイン/工業化家具
☆コミュニケーションデザイン
コミュニケーション・デザイン/広告/ポスターと看板/標識/タイポグラフィ/地図/情報デザイン/コンテンツデザイン/インタラクションデザイン/Webデザイン
☆ファッションデザイン
ファッションデザイン/染色/テキスタイル/化粧/ファッションブランド/コラム:生命に学ぶデザイン:かたちの模倣からシステムの模倣へ


付 録

科学・デザイン史年表/自然から学んだデザインの歴史
事項索引/人名索引



組見本








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