表面物性工学ハンドブック第2版

B5判 上製 1050頁 本体価格42,000円 ISBN 978-4-621-07838-9
発行:丸善株式会社

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20年ぶりの待望の改訂。精密測定と操作技術の開発に伴い大きく発展しエレクトロニクスやナノテクノロジーの基礎をなす分野として重要な表面物性工学について、表面の基礎物性、処理手法、測定手法、解析手法等を網羅し、最先端のトピックスも含め、基礎から解説する教科書的要素と最先端技術を解説する専門書的要素を融合した標準的ハンドブック。

★本書特長
精密測定と操作技術の開発に伴い大きく発展しエレクトロニクスやナノテクノロジーの基礎をなす分野として重要な表面物性工学について、表面の基礎物性、処理手法、測定手法、解析手法等を網羅し、最先端のトピックスも含め、基礎から解説する教科書的要素と最先端技術を解説する専門書的要素を融合した標準的ハンドブック。


序 文
本書は、1987年に発刊された「表面物性工学ハンドブック」初版を全面改訂したもので、その第2版となるものである。
 表面物性工学の進展はその後も目覚ましく、第2版の刊行が企画された。なかでも、走査プローブ顕微鏡(SPM)手法の進展は特に顕著であり、本書でもかなりのページをSPMに割いた。SPMは、原子レベルの空間分解能を有する分光手法として活用される一方、試料表面から原子1個を引き抜いたり、逆に試料表面に原子を付着させるなどの原子マニピュレーション手法にも発展している。
 表面物性工学の応用分野も一層の広がりを見せている。特に最近世界各国で重点的に推進されているナノ科学、ナノ工学は、表面物性工学の測定手法ないし知見なくしては進めることのできない分野である。
 本書は、この分野の知識をほとんど持たない初心者から、表面物性工学を専門とする者までの広い読者層を想定している。そのため、できるだけ基礎から解き明かし、必要最小限の情報は本書のみで得られるようにする一方、限られたスペースでは書ききれない、より専門的な情報も得られるよう、文献リストの完備に努めた。
 本書が初版と同様に、表面物性工学を専門とする研究者、技術者の座右の書となり、またこの分野のわかりやすい入門書として活用されて、表面物性工学の更なる進展に寄与できることを願う次第である。
2007年1月

目 次
第・編 基礎編

第1章 理論
概説/表面構造/表面の電子構造/表面格子振動/吸着・離脱の電子論/吸着・離脱の熱・統計力学/計算機シミュレーション/表面物性からナノサイエンスへ
第2章 表面構造
概説/回折法による構造解析/局所構造解析/イオン散乱
第3章 表面組成
概説/電子分光/イオン散乱/光・X線励起/電界蒸発/核反応の利用
第4章 電子状態
概説/光電子分光/逆光電子分光法/2光子光電子分光/電子エネルギー損失分光/X線吸収分光とX線発光分光/準安定原子電子分光/仕事関数
第5章 表面顕微鏡法(SPMを除く)
概説/透過および反射電子顕微鏡(TEM−REM)/走査型反射電子顕微鏡(SREM)/低速電子顕微鏡(LEEM)/走査電子顕微鏡(SEM)/オージェー電子顕微鏡(AEM)/スピン偏極走査型電子顕微鏡(スピンSEM)● 光電子顕微鏡/分析電子顕微鏡の応用
第6章 SPM
概説/STM/AFM/その他のSPM
第7章 固液界面
概説/固液界面のエネルギー論/固液界面の速度論/固液界面の構造

第II編 表面・界面の物性

第8章 表面振動
概説/光学的分光法/高分解能電子エネルギー損失分光(HREELS)/非弾性ヘリウム散乱の原理と測定/STM-非弾性トンネル分光の原理と測定
第9章 表面電子励起
概説/表面における素励起/表面エキシトン/表面ポラリトン/固体表面上の金属ナノ構造のプラズモン測定/表面増強ラマン分光
第10章 表面・ナノ伝導
概説/表面伝道の理論的基礎/表面空間電荷層伝導/表面状態伝導/ショットキー障壁/ナノ接合・分子接合伝導/半導体表面からのテラヘルツ電磁波放射
第11章 界面伝導
概説/界面に平行な方向の伝導/界面に垂直な方向の伝導/金属・半導体界面
第12章 表面・界面磁性
概説/表面・界面磁性の研究手法/表面磁性/表面・界面スピン配列/磁性多層膜における磁気抵抗効果(GMRとTMR)の理論/界面磁気相互作用/微細加工磁性体
第13章 表面力学物性
概説/表面張力(表面エネルギー)/トライボロジー/弾性表面波/表面の応力と歪/スパッタリング率
第14章 吸着・離脱・拡散
概説/吸着・離脱・拡散/ステップダイナミックス/表面エレクトロマイグレーション/ステップ配列制御の応用
第15章 ナノ物性
概説/電子波干渉/コンダクタンスの量子化/クーロンブロッケード/朝永-ラッティンジャー液体(一次元相互作用電子系の電気伝導)/量子薄膜/量子サイズ効果(主に光でみる)/超微粒子/低次元エキシトン/単一光子発生・検出

第III編 表面物質創製

第16章 結晶成長
概説/成長モードの理論/結晶成長シミュレーション/バルク成長/液相成長/分子線エピタキシャル成長法/分子線エピタキシー(有機材料)/有機金属気相成長(MOCVD)/レーザーアブレーション/サーファクタント媒介エピタキシー/パターン基板へのエピタキシー
第17章 ナノ構造の作製
概説/カーボンナノチューブ(合成、成長)/カーボンナノチューブFET/フラーレンの合成/フラーレン(デバイス、FET)/金属ナノワイヤ/分子構造/DNA/自己組織化による量子ドット形成/表面原子鎖/ナノピラミッド
第18章 自己組織化
概説/自己組織化の基礎理論/吸着分子系の自己組織化/表面での自己組織化/分子系の自己組織化/表面反応系の自己組織化
第19章 SPMマニピュレーション
概説/原子マニピュレーション/分子マニピュレーション/AFMマニピュレーション/STM非弾性トンネルと分子励起・操作/微細加工とデバイス/AFM陽極酸化
第20章 触媒
概説/表面における素過程とその機構/単結晶表面上の触媒反応/設計表面の触媒反応
第21章 燃料電池
概説/燃料電池と表面過程/燃料電池研究の現況/燃料電池の将来展望
第22章 水素吸蔵
概説/水素吸蔵の理論/水素吸蔵過程と表面/水素吸蔵合金/カーボンナノチューブによる水素吸蔵
第23章 半導体素子プロセス
概説/半導体デバイスプロセスと表面/ウエハー表面のクリーニング/酸化膜・窒化膜の形成 /イオン注入現象とその応用/プラズマエッチング技術/レーザーアニール/ビーム誘起プロセス/デバイスプロセスの将来
第24章 有機素子
概論/有機金属界面/有機エレクトロルミネッセンス/有機電界効果トランジスタ
第25章 電子放出
概説/熱電子放出と電界電子放出/カーボンナノチューブからの電子放出
第26章 センサ
概説/センサの原理と分類/センサに利用される表面現象/各種センサの機能と特性
第27章 トピックス
STMによる組成分析/生命試料の表面吸着/EEM(Elastic Emission Machining)による原子スケール平滑面の創成とその応用/金クラスター/光通信用半導体量子ドットレーザー



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